前へ目次 次へ 55/111 菜の花や(字足らず) 菜の花や(字足らず) 「菜の花や」の一言で口を噤む様子は、言論の「自粛」を強いられる社会構造そのものです。それは愛の囁きかも知れませんし、怒りの叫びかも知れません。自由の無い環境での訴えは心臓を懸けた自傷だったりもしますが、社会的に抑圧された層からは何処へも何も届かない。結局は口を噤むしかないと諦めつつも、感情を止めることは難しい。 「菜の花や」。その絶唱は、口を噤まざるを得なかった誰かの人生そのものを内包しています。