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頂き物のニスの味がする箸を、二時間ばかり洗って居る


 頂き物のニスの味がする箸を、二時間ばかり洗って居る



 「お箸を持つ方」は日本語圏の多くの人にとって、「右」という意味を持つ。左利きの者ですら「右」として理解する。しかし、箸を洗うとき、人は箸を両手で持つ。

 「箸を洗う」という行為は「お箸は右」というルールからの脱却だが、この歌で読まれているのは、脱却による自由ではない。義務感と閉塞感。

 箸から妙な味がするが、頂き物なので捨てることができない。何度洗ってもその味が取れない。

 二時間もの間、箸を洗っては舐め、洗っては舐めとしている内に、舌が麻痺して味がわからなくなる。

 閉ざされた洗い場で、時間軸だけが永遠に進んでゆく。

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