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奴等はたった数人で東京を壊滅させた。
あれはテロリズムだった。開始の合図のように各地の人工密集地で一斉に爆発が起き、その後、私たちは様々な手を尽くして奴等を止めようとした。
だが、奴等には、あらゆる兵器も、戦略も通用しなかった。奴等は武器は使わなかった。その代わり、当時の科学では解明できない、まるで魔法のようなものを使い仕掛けてきた。そして、数え切れないほどの人が亡くなり。私たちは東京を手放した。
奴等はたった数人で東京を統治した。
私たちの東京が奪われてしまった。私たちは絶望した。現代兵器の効かない奴等には対抗手段はない、敗けを認めるしかない、死ぬ以外道はない。そんな思いを誰もが抱いていた。しかし、奇跡は起こった。奴等と同じような力を持つものが表れたのだ。表れたのは一人ではなかった。奴等の人数の倍もいた。私たちは奴等に攻められ続けていたが、それも彼らのおかげで変わった。進行を食い止めることができた。これからは私たちのターンだ!と誰もが思っていた。
奴等はたった数人だが強かった。
とても太刀打ちできなかった。彼らの力を持ってしても、攻められないように守るのが精一杯だった。でも、何年も何年も私たちは攻め続けた。しかし、戦線は均衡を維持していた。
でも、私たちは諦めていない。だから、私たちは物語を進めなければならない。