#2 ゴブリン
「ho!ここが、異世界ですか」
周りを見渡し、視界に入ってくるものはすべて『木』
本物かを確かめるため、木を触ってみる。
「本物か…」
確かに木の感触がした。
「あっ、確か攻撃力っていうのを上げたんだから、つまりはこう?」
俺は軽く木を殴る。すると木は殴った部分で真っ二つに折れてしまった。
「うひょ~!」
自然と、驚きよりも嬉しさが勝っていた。
「このままここにいても何もないし、移動するか」
といいその場を後にした。
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しばらく歩いていると、近くの草むらから、ガサガサ、と音がした。
すると次の瞬間、その草むらから勢いよく、緑色の物体、いや生き物が飛び出してきた。
「ぐぎぎ…」
その生き物の外見は、全身が緑色で白目をむいている。口からは牙を出し、鼻はつぶれているような感じだ。大きさは、僕の腰から下くらいだ。大体90㎝くらいか。
体は小さく弱そうだが、右手には木の棍棒を持っている。油断は禁物だ。
と、慎重に分析しているといきなり襲い掛かってきた。
僕はよけようとした。だが、こんなこと初めてなので体が動かず、腕で頭をかばうくらいしかできなかった。棍棒がそのまま当たったら間違いなく大けがだ。僕は覚悟を決め、そっと目を閉じた。
次の瞬間、ガードしていた腕に何か物が当たるような感覚がした。だがその感覚はほんとにちっぽけなもので「紙切れでもあたったのか」、というほどだ。何が起こったのかを見るため目を開ける。
そこには、バラバラになった木のくずが散らばっており、棍棒を持っていたはずの『緑の生き物』は
こちらを見つめ明らかに怯えていた。
「あっ、防御力もやばいんだっけ」
俺はすぐこの場の状況を理解した。
「そういえば、スキルで鑑定ってもらったよなあ。使えるかな」
と思った途端目の前に
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ゴブリン
Lv.3
攻撃力:50
防御力:50
魔法力:0
スキル:ー
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と出てきた。
「へえ~。すげえな。おいゴブリン。早く逃げろ。今はお前を殺したりしねえよ」
と言ってみた。するとゴブリンは言葉の意味を理解したのか、逃げて行った。
「よし、また歩くか」
といい先に進もうとする。
すると、突然後ろの首に物が当たる感覚がした。
-- 攻撃だ--
俺はすぐに後ろを振り返る。
するとそこには…