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はじまり
初登校です。至らない点も多いと思いますが、御了承ください。
これはとある田舎のとある家族のほんとに些細な物語。人生は突然変わることを思い知らされた一年の話。
きっかけは、世間で見ればとても小さなことだった。それでも、綱渡りな平穏をぶち壊すには十分だった。
エイプリルフールの前日。高校の春休みもまもなく終わりを迎えようとしていた朝、ニュースでそれは流れた。「父」が逮捕されたらしい。「ぼく」には訳がわからなかった。なんの冗談だ、これは。「母」はどこだと家を見渡した。嘘だと言ってほしかった。
「母」は廊下で電話をしていた。どうやらまさしく今連絡が来たらしかった。なぜ?なぜ今なんだ?テレビでとっくに放送しているというのに…。電話を終えた「母」は泣いているような怒っているような、ぐちゃぐちゃな顔でニュースが真実だと「ぼく」に告げた。そしてどこかに出かけていった。何処に行った何てわからない「ぼく」もそれどころではなかった。こうして、最悪な「一年」の幕はあがった。