バカが居る
「や、やめろぉ…………………………ヌアハァッ!! 多い日も安心!!」
悪夢を見たせいだろう。気が付けば漢が使うことはない商品の決めゼリフを叫び、飛び起きていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…………。はっ! そうだ!? ……付いてる。……良かったぁ。ん? あれ、そういやぁ、ココどこだ?」
確認作業が終わり一安心したからだろう、自分の部屋じゃないことに気が付いた。
壁際には買うはずもないでけぇ壺が置いてあったり、テーブル? の上には火を点けてSMプレイでもするためなのか、ランプみたいなのが置いてあった。ベッドもボロいし、どう考えても俺の部屋でも知ってる部屋でもなかった。
このレベルだと……発展途上国か?
部屋にはテレビどころか電気すらない。文明の臭いが無いに等しい。だが、良い匂いはした。あ、一個訂正。天井のあちこちから光が射し込んできてる。こりゃあ部屋じゃなくてボロ小屋だな。
「すんすん。この香りは……女だな。他にも何か臭うなって、あれ?」
小屋に集中していて気付かなかったが、買った覚えのない服まで着ていた。村人Aって感じの飾り気の無い洋服をだ。
イケメンの俺は何を着ても似合うからセンスはどうでもいいとして、いつの間に着せられたのだろうか。
ん? 服? そういや、昨日全裸でなんかやらかしたような……
「まいっか」
それよりとんでもない悪夢だった。まさかこの俺が女体化するだなんて……
今思い出してもゾッとする。なかなか起きない俺が飛び起きて寝汗までかいているのだから、相当恐怖していたことが分かる。
「ふぅ」と額の汗を手で拭い振り払うと、お手てが大好物にそっくりな感触のものにぶつかった。
「えっ!? ぽよんって!?」
大好物の名は『お』で始まり『い』で終わる、この世でもっとも至高なもの。
「これは……! いや待て、まだそうと決まったわけじゃない!」
見るのは簡単だが、俺はあえて目を閉じ、念入りにぶつかったものの感触を確かめることにした。
「……ン……」
何か聞こえたような……いや、いまはそれどころじゃない! コレがなんなのかもっと揉んで確かめねば!
「アッ……ンンッ……!」
柔らかいな。……否、柔らか過ぎる! つまりこれは!
おっ○いじゃない!!
ちなみにどれくらい柔らかかったかというと、手に吸いついてくるくらい柔らかかったです。
だからこの結論なんだ……。だって、そんなお○ぱいは有り得ないもん!
結論を出しつつも、念の為手に吸いついているものの正体を確かめてみた。
「――ジーザス」
おっぱ○だった。
たわわに実った○っぱいだった。
「はれれ? なんでー?」
テンションが上がりすぎて少し狂ってきた。いったん落ち着こう。
しかし、このおっぱ○は何だ? 間違うた。この○っぱいちゃんは誰だ?
俺のスーパーテクで乳を揉まれ、少し上気しながら寝息をたてている彼女は、全く見覚えがない。
「……可愛い系だな」
俺の女性関係は基本、ワンナイトラヴである。なので、こういうおっとりタイプの娘が隣で寝ているのはオカシイ。
だってこういう娘はワンナイトを本気にしちゃうでしょ。
「うーん、分からん」
昨日のことを思い出そうとしても股間に血が行きすぎていて頭が回らない。しかしそれは当然だろう! だって隣で寝ているおっぱいちゃんは乳だけでも十分な破壊力があるのに、お顔もカワイイだから! そりゃあアソコだって大きくなるって!!
「ゴクリ……さて、どうしようか」
だんだん我慢できなくなってきた。
しかし! 俺は変態紳士! 同意得てない女を襲うことはなぁい!
なので、もう一度おっぱいちゃんをよーく観察してみることにした。
無防備で無邪気な寝顔である。うーん、全体的にどことなく羊っぽいな。髪だって羊毛のようにクリンクリンだし、髪に埋もれて小さな角も生えている。間違いなく羊! Mだ!
無防備。M。つまりこれは、同意得たことと一緒だね。
良し、それじゃあ早速! ……ってあれ? なんかオカシイ…………ん? 角? ……羊?
「思い出した!!」
ここは、獣ワールドだ!
卍
隣でスヤスヤ眠るおっぱ○ちゃんの寝息を聞きながら、昨日起きたことを次々に思い出していった。が、結局なんで○っぱいちゃんとベッドインしているかは思い出せなかった。
「まいっか、とりあえず、いただきまーす!」
おっ○いちゃんはシーツみたいな大きい布切れを一枚着ているだけ。超長い彼シャツ状態のようなものだ。
彼シャツ。無防備。同衾。つまりこれは、完全に同意を得たということ。そして俺も戦闘準備万端。なら、これはもうセクロスするっきゃない!!
「さぁ、天国を見せてやろう……」
「おはようメリー、あの男は起きた……カッ!!」
「あ!? お前は!」
卍
身体が動かない、マジで。
んで、全身が張り裂けそうなくらい痛いです。念のため、血文字で犯人はビッチと書いておこう。
なんで俺の身体が動かないかというと、お○ぱいちゃんのたわわなおっ○いを生で揉もう服を捲り上げたところ、あの赤髪ビッチ女豹がやってきた。そしてフルボッコにされました。以上!
自慢の美ボディがひどい惨状である。プロボクサーでもここまでボコボコにするのは難しいんじゃないかってくらいに、ひどい。
「ビッチ……イツカ……オカス…………ガクッ」
「ふぅ……、メリー無事か!? あのゴミに何かされなかったか!?」
ゴミって……クソビッチめ! いつかぜってぇオ○してやっかんな!
倒れた俺に背を向け、女豹は○っぱいちゃんの眠るベッドへ一っ飛び。
こんのに騒いでるのに眠り続けるおっぱ○ちゃんを、女豹はそっと抱き起こし優しくほっぺを叩いた。あの女豹からは想像できないくらい慈愛に満ちた行動である。ドッペルゲンガーかな?
しかし、アイツら豹と羊なのに仲良いな。その間柄で仲が良いってことは、百合か?
「んん……、ほえ……アレ? えっ!? フォンさん!? どうしてココに? あれ? えっ?」
「大丈夫かメリー? 痛いところはないか? どこかに違和感はないか?」
「きゃっ!? フ、フォンさん!? お、落ち着いてください! か、体を、まさぐらないでください!」
冗談だったのに、マジで百合展開キタコレ!
「あっ! す、すまないメリー……」
「い、いえ、大丈夫です……。それより、あの……フォンさん? あの人、ヒジリ様がどこに行ったか知りませんか?」
!? ……ヒジリ様……だと!?
何それ奴隷宣言!? 俺ちゃん興奮しちゃうよ!? って、あ……ヤバイ。興奮したらクラクラしてきた。いや、そりゃあクラクラするわな。全身内出血で青いだもん……あれ? ってことはこれ俺、死ぬんじゃね?
「あ、ああ、ヤツならそこに……」
「そこ? えっ! ヒ、ヒジリ様!? 大丈夫ですか!? どうしてこんな傷を!? あぁ……ヒジリ様、目を、目を開けて下さい! ヒジリ様ァ!!」
こうして、俺の異世界生活は幕を閉じた。おfinfin。
卍
「――おーい」
ん、なんだ?
「おーい、聖やーい」
あれは? そんな……まさか!
色とりどりに咲く花畑の向こうで、見飽きたクソ爺が手を振っていた。
還暦を過ぎてから髪を伸ばし、「儂もまだまだナウいじゃろ?」とか宣う。残念ながら血の繋がった我が祖父である。
「あ゛、テメェ…………どの面下げて俺の前に出てきやがったあぁぁぁ!?」
言葉とともに俺は勢いよく走り出した。今度こそ、クソ爺をこの手で始末する為に!
「!? おおっ! 来いやクソ孫ぉ! 儂自らあの世へ連れてってやるわぁぁ!」
どじょう掬いのように、両手で来いよ来いよと挑発してくるクソ爺。よし○す! 必ず○す! 血縁者だからこそぜってぇぶっ○す!
途中、障害物のように小川があったが、今の俺を止めることなど出来やしない。一応、古くさい舟がこっちに向かって来ていたが、遠いし遅いし待ってられなかった。
こちとらエロ本を勝手に読んだ挙げ句イカ臭くしたド腐れクソ爺を○すのに忙しいじゃボケ!
「ヒャッハーー!!」
ハイテンションで川に飛び込むと、川底に骨がたくさん沈んでいるのが見えた。よし! あのクソ爺も加えてやろう! 殺害方法は溺死で決まった!
バタフライで小川を泳ぎ、あと少しで向こう岸に手が届くというところで、
「ほれ聖」
「……爺」
ド腐れロン毛爺が手を差し出してきた。
……爺、今さら謝罪のつもりかよ……。
俺は渋々《しぶしぶ》爺の手を掴み、そのまま川に引きずり降ろしてやった。
「沈みやがれやぁぁぁ!!」
「こ、このクソまg!」
勢いよく水飛沫を上げ爺は川へ落下。顔を出したところを押さえ込み、そのまま骨どもの仲間を入りをさせるつもりだったのだが……
「……出てこねぇな」
それどころか、爺の姿は水中からも消えていた。
川の透明度は高い、見失うはずはない。なのに、爺の姿はどこにもない。
「……クソ!」
潜り、何度目かの水中探索を終え浮上すると、
「まだまだじゃのう聖よ」
「なに!?」
突然背後で、それも耳のすぐ側で、爺の無駄にいい声が聞こえてきた。
俺は振り向きながら思いっきり拳を振るった、だが、何にもぶつからなかった。
「バカな!?」
避けられた!? ギリギリだが十代のこの俺が、耄碌爺に!?
けれどオカシなことに、爺は振り向いた俺の目の前にいたんだ。
「はぁ!? ……クソッ!?」
「ほれ」
一瞬わけが分からず動けないでいたが、ニヤニヤ笑う爺の顔が憎くて、条件反射で拳を突きだした。
明らかに俺の方が早く動いていた。けれど、なぜか俺の拳は爺に当たらなかった。それどころか、爺のとんでもない蹴りが、俺の身体を吹き飛ばしてしまった。
「バッ、バカなぁッ!?」
来た道を吹き飛ばされながら、俺は今起きたあり得ないことを振り返る。
俺の拳が爺の顔面のド真ん中を、幽霊みたいに素通りしたこと。
特に鍛えていたわけでもないクソ爺に、パーフェクトボディのこの俺が数十メートルも蹴り飛ばされていること。
そして何より、死んだはずのクソ爺が、ソコにいたことを。
「あと百年はくるなよ、クソ孫――」
爺に飛ばされた俺は、その言葉を最後に、意識を失った。
卍
……あれ、なんだ? 気持ちいい、ような……
「ごめんなさいヒジリ様、勝手にこんなことをして……。ン。それにしても、すごく綺麗な体…………はっ!? な、なに言ってるんだろ、あたしったら……!」
身体を、撫でられてる……のか?
「……ンッ……」
ピチャピチャいやらしい音……間違った。素晴らしい音が聞こえてくる。
……オーイエス。
音がするたび、身体の痛みが引いていく。そんな気がした。
瞼が重かったが、何をされてるか気になり、俺はゆっくり瞼を開いていった。
「……あ! ヒジリ様ァ!」
「チッ」
ぼやけた視界に、赤い暴力女と白い性女……違った。聖女が映り込む。
聖女は俺が目を覚ましたことが嬉しかったのか、熱い抱擁をプレゼントしてくれる。
音の出所は分からなかったが、おそらく聖女がマッサージでもしてくれていたのだろう。マジでなんなのこの聖女、俺のこと好きなの?
「生きてたか……次はもっと強く殴るか……」
一方、気絶させた張本人である暴力女は反省するどころか物騒なことを呟いていた。なんなのコイツ、オ○されたいの?
「あの、ヒジリ様? まだどこか痛むところはありますか?」
「あ? ……そうだな、腹のあたりはまだ痛ぇな」
「お腹ですね。ちょっと、失礼しますね」
「なにをするつもりだ、おっぱ……!! ――ジーザス」
なんてサービス精神! 聖女様はいきなりお腹をペロペロしてきてくれた!!
「……んっ……どう、ですか? 痛みは、和らぎましたか?」
オイラのお腹とおっ○いちゃんのお口が、唾液という糸で繋がっている! そんな状態でさらに、おっぱ○ちゃんは髪を掻き上げ扇情的な目を向けてくる! 女神だ……、エロ女神がおる!
「あの……ヒジリ様? 痛み……取れなかったですか?」
「あ? イ タ ミ?」
どこかが大きくなりかけていたが、なんとか我慢して女神の声に耳を傾けた。
あれ? 言われてみれば、腹の痛みが無くなったような?
「……痛く、ないな」
「ホントですか! ……よかったぁ」
!? クソ! 嬉しそうに笑いやがって、マジで女神か!?
「さてメリー。傷も治ったようだし、こんなヤツからは離れよう」
「え……? あっ! そ、そうですよね……。アタシなんかがヒジリ様のそばにいたら、迷惑ですもんね……」
「ちっ! 違うぞメリー!? そういう意味で言ったんじゃ……」
邪魔すんじゃねぇよクソ女豹!! 今メチャクチャいい雰囲気だったろうが!! 性女も性女だ! 迷惑とか何言ってんだオイ!?
「おい待て! ……メリーつったか? 何バカなこと言ってやがる。お前みたいな美人がそばにいて俺が嫌がるとでも思ってんのか? んなわけねぇだろ! むしろもっとこっちに来い。なんなら、そのまま夜の相手をしてくれてもいいんだぜ?」
「「え?」」
同時にハモり、同じようにフリーズする女豹と聖女。意味が分からん。二人とも同時に生理でもきたのだろうか? 獣人だし、そういうこともあるのか?
「あ、あ、あ、あ、あの……! いえ、や、やっぱりなんでもないです! そのっ……ご、ごめんなさい!!」
お顔を真っ赤にして小屋から走り去ってしまった聖女たま。カワエエなぁ。しかし、そんな時でも俺は上下に弾むおっぱ○を見逃しはしない!
「メ、メリー!? オイキサマ! ……キ、キ、キサマは何を言ったか分かっているのか!? それではまるで! キ、キサマがメリーと、こっ、ここここ、交尾をしたいと言っているみたいじゃないか!?」
は? コイツ、ビッチのくせに何恥ずかしがってんだ? 交尾くらいさっと言えよ、純情かよ。……いやいや、純情ビッチって、矛盾しまくりだろ。
「HAHA、何を言ってるんだいクソ女豹。交尾だなんて大袈裟だなぁ。俺がしたいのはセクロスだ。交尾とは(ほんの少し)違う」
「そう……なのか? では、そのせくろすとやらはなんだ?」
「ん? 簡単に言うとだな。男性器と女性器が無防備でせめぎ合う競技、かなぁ?」
「だ、男性器と、女性器が……。ふ、ふーん。キサマの国では不思議な競技があるんだな……いや待て、男性器と、女性器が……せめぎ合う…………!!」
卍
今日もまた縄で縛れることになりました。ま、今回は手足だけだからいいけどね。
昨日は解放された時に気絶しちゃったからね。全身をキツく縛ちゃいけないってことだよ、やっぱ。バカ女豹にも学ぶという機能が備わっていて何よりだが、縛り方は相変わらずキツイ。もうちょっと勉強してほしい。
「おい女豹、おっぱ……じゃなかった、メリーを追いかけなくていいのか?」
「ふん。キサマがいなければとっくに追いかけていたさ。……だがまぁ、メリーは人気者だ。わたしが追いかけなくても誰かが……」
なんだ? 女豹のくせにしょんぼりしやがって。
「ふーん、まぁいいや。ところでお前、俺に何か用があったからココに来たんじゃねぇのか?」
「……キサマに用などない」
「嘘つけバーカ。ここに来た時俺が起きてるか聞いてたじゃねぇかよ」
「チッ、気づいていたか。……そうだ。キサマに伝えることがあって来たんだ」
え? 何で逆ギレしてんの?
「オオババ様から言伝てを預かっている。……聞くか?」
オオババ様? ああ、あのでっかいばぁさんか。つーか当たり前のように嘘ついて何で逆ギレ?
「……そうか分かった! お前、その言伝てが俺にとって良い内容だったから嘘をついたんだな?」
「チッ。ホントにキサマは……、ああ、その通りだ。わたしは反対したんだが、キサマの滞在が許可されてしまったから嘘をついたんだ」
「おっ!? マジか、ありがてぇ。で、それならなんで俺は縛られてんだよ」
「……自分の胸に聞け」
「自分の? わかった。お前ちょっとこっち来い」
「? なんだ、縄なら解いてやらん、ぞ……!! キ、キキ、キサマはっ!! 一度死ねえぇぇぇ!!」
「アギトッ!?」
女豹が「自分の胸に聞け」って言うから、その自慢のパイオツに耳から顔を埋めてやったのに。なぜかフルスイングで掌底を喰らわせられた。理不尽なビッチだ。
しかし困った……いまの一撃はヤバイ。綺麗に顎に入ったせいか、意識が遠退いていく……。ああ、クソビッチのくせに無駄にいいおっぱ○をしやがって。あの感触は一級品、いや、特級品だった。メリーの柔らかおっぱいとはまた違い、柔らかさと張りのあるあの感触が遠退いていくのは……もったいな
卍
「お目覚めですか?」
本日三度目の起床。
「神がいる……、それも、二柱も……!」
目覚めは最高だった。
すぐそこには二つの富士山があり、しかも頭の下にはこの世で極上の枕。そう、美女の膝枕が敷かれていた! 極上すぎて、自由になっていたお手てが危なくオイタをするところだったよ。
「その声はたしか……メリーだっけか?」
「はい」
富士山がデカすぎてメリーの顔が見えていなかったが、おっとり声にこの天乳だもの、間違うわけがない。
にしても、長い時間気を失っていたらしい。辺りはすっかり暗くなり静けさが満ちていた。この雰囲気、天井の隙間から星空でも見えてりゃ満点だったが、曇っているのか星は一つも見えなかった。残念。
「……ありがとなメリー。お前、ずっと看病してくれてたんだろ?」
「そ、そんな! お礼なんて……、あたしが、好きでやってたことですから……」
見えないが、メリーの顔がピンクに染まっていく様子だけは簡単に想像できた。二つの富士山はもちろん大好きなのだが、恥ずかしがってる女の顔も僕ちゃんは大好きなのである。ってことでカワイイお顔を拝見するため、起きることにした。
「あれ? あんなに青痣だらけだったのに、どこも痛く無い……」
不思議に思いベロンと上着を捲ると、酷かった内出血の跡がほとんど消えていた。
「きゃっ! …………ヒ、ヒジリ様にも、ちゃんと効果があって、良かったです」
隣では両手で顔を覆ってるくせに、指の隙間からチラチラ俺のシックスパックを覗いてくる、エロメリーが生まれていた。
「効果がってことはつまり、メリーが傷を治してくれたってことか?」
「は、はい……」
「どうやって?」
ピタッと動きを止めたかと思うと、次の瞬間ボンッと爆発したように顔を赤らめ、俯いてしまうメリーがいた。
「……あ、あの。あたしたち……といっても草食型の一部だけなんですけど、あたしたちにはその……傷を癒す力があるんです」
消え入りそうに言葉を続けながらも、メリーの俯き加減はどんどん深くなっていく。
「どうした、大丈夫かメリー?」
そのままベッドから転がり落ちそうになっていたから、胸に手を回し柔らかな感触を楽しみながら、起き上がらせてあげた。
「アッ……」
「そんなに顔を赤くしてどうした? もしかして恥ずかしいのか? ……となると、舐めてくれたことと関係してんのか?」
「あうっ!?」
本日二度目の爆発。どうやら当たっていたようだ。
「す、すみません! 勝手にあんなことを! ……それであの……ヒジリ様は、嫌じゃ、なかったですか?」
「嫌? 舐められたことがか?」
コクコク頷くメリー。
どうしよう、襲いたい。
「嫌なわけねぇだろ。メリーみたいな可愛い娘に舐められてその上傷まで治してもらったんだ。むしろ俺だったら……惚れちまうな」
「え……? えっ? ええええっ!?」
メリーの頬にそっと手を添え、彼女の瞳を見つめる。
カッコウつけてはいるが、内心は興奮しまくりで早くベッドインしたくてしょうがなかった。
(エッロ!? なにその回復方法! んなエロイ方法で傷が治るなんてわかったらオイラ、自分で自分のち○こ傷付けちゃうよぉ!)
「なぁメリー? 傷を治してくれた礼がしたい。俺にできることがあるなら何でも言ってくれ。お前の為なら俺は、なんだってしてやれるからよ」
メリーの瞳がトロンと、柔らかくなった。……もうね、この娘完全に俺に惚れてますわ。ゲヘヘ。
「どうした、してほしいことがねぇのか? なら、俺に全部任せてみないか? 最高に、気持ち良くしてやるからよ」
「…………はい」
今度こそ同意を得た。ではプラン通り、キスして押し倒すとしよう。
「オイ」
唇まであと数ミリというところで、ドスのきいた声が入り口から響いてきた。
どうしよう。身体がいうことを聞いてくれまへん。さっきまで下半身に集まっていた血液も、どこかへ霧散してしまった。
「……女豹たん? いつからそこにいたんでしょうか?」
「そうだな……キサマがメリーの頬に手を伸ばした辺りから、だな」
うん。決定的なところからだね!
「さて、何か言い残すことはあるか変態?」
「まぁ待て、話せば分かる! 俺とメリーは合意の上で……デッシャッァァ!?」
そこそこ間合いがあったはずなのに、いつの間にか顔面に掌底がめり込んでいた。
「先ほど決まったことがあって戻ってきたのだが、まったく、戻ってきて正解だったな……」
殴られ、壁に激突した被害者を無視して話を進めていく女豹。
対して、ぶっ飛んだ俺の手を心配そうに握りに来てくれたメリー。二人の間には月とスッポン、いや。女神とドブくらいの差があった。
頭を打ったからだろう。視界がぼやけてメリーが三人に見えた。さすがにこの体調で4○(ピー)は出来ないなぁ。
「ヒジリ様! 大丈夫ですか!?」
「なんとか。あとでペロペロしてくれ」
「は、はい! ……あの、ところでフォンさん? 決まったことってなんですか?」
「ん? ああ、そのバカについてだ。当然だが島にいる間そのバカには働いてもらうことになった。で、変態でバカなソイツのことだ。放置しておけば今日のようなことになると心配したわたしは、監視役が必要だと進言をした。嫌だったが、進言した手前わたしがその役につくのは当然のこと。そんな理由で早速監視に来てみたんだ……、そしたらまさか、心配が現実になってるとは思わなかったよ。……そういうことだからメリー、ソイツはわたしに任せて今日は帰ろう。このままだと危ないからな」
「え? で、でも……」
「いいから。今日はもう遅いし、早く寝ないと起きれないだろ?」
女豹はメリーの手を引き、強引に小屋の外へ引っ張っていってしまった。
しかし女豹の奴、メリーと会話中はまるで恋する乙女みてぇな顔をするんだな。やっぱり、ビッチは百合なのかな?
それにしも監視かぁ。あーあ、アイツがいたんじゃ村人をコンプリートセック○出来るのはいつになるか分かったもんじゃないなぁ。あーあ。
次回予告
えー、今回からは俺のセフレンズを紹介していきます。
今回紹介するのは、嫁筆頭のフレンズ、メリーだ!
きょぬーです。村で二番目に胸がでかいです。ちなみに一番はDBだ。でかいんだから当たり前だな。というわけで実質村で一番胸がでかいのはメリーってこった。やったね!
続いて全身がプニプニでやらかいです。でも太いわけじゃないぞー。んで、俺に惚れてます。あと、村で唯一ちゃんと服を着てる常識人です。あー、早く合体したい。女豹っていう変な女がいなけりゃ今頃は俺のちん
次回「バカが行く」
あれ、もう終わり? いつ終わったん?