閑話 ???
3本目です
どっかの世界のとある場所。あたり一面様々な色のゼリーっぽい何かで埋め尽くされている。その景色は変わることがない―――いや、一つだけ、あるいは一人だけ、その景色には違うところがある。
その人物は、この世の全ての母性を集めたような姿をしていた。
その躰、その顔、そのすべてが魅力的ではあるが下劣な感情を抱かせない、母性の象徴のような存在。
金髪、碧眼、優しい顔つきの、女神よりも女神らしいスライム。
そう、『スライム』なのだ。
その容姿、性格に至ってまで聖母のようなその存在はスライムであった。
ところで、あたり一面を埋め尽くしているゼリー状のもの、ここまできたらわかるだろう。
スライムである。
あたり一面スライム。銀色のやつとか浮いてるやつとかもいるけど人型をとっているのはその女一人だ。
それもそのはず、その女こそ原初が一柱、七原罪:暴食、守護霊獣:空間、そして原初たちのリーダー
世界第3位、本来最強だったはずの存在。マザースライムである。
この場にいるすべてのスライムが眷属であり子供である。
ここはスライムたちの楽園 スライム界。
「?あら、この反応は...原初同士が会っているわね。どういうことかしら?今原初たちは世界各所に散らばっているはずだけど...?」
「ぴゅいぴゅい!」
「あら?スラちゃんどうしたの?」
「ぴゅい!ぴゅぴゅっぴゅぴゅ~い!」
「なになに?あなた達の同類が活躍するの?すごいわね。
それにしても...今場所がわからないのは...地上界に遊びに行っているリヴィアちゃんと...転生してるイクスちゃんぐらいかしら?まあ、大丈夫でしょう。あの二人だったら暴走することもないでしょう」
原初たちの力は簡単に世界を変えてしまう。そのためこのリーダーはいつも苦労しているのである。
「にしてもイクスちゃんといるこの子...前世がすごいことになっているわね...もしかしたら私達を超えてもっとも『人』に近いところまで行くかもしれないわね。イクスちゃんとこの子に期待...かしら」
「ぴゅいぴゅい!」
「あら、なにかしら?」
こうして平和な時間は過ぎていく...
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「ちょ、ちょっと連華まってよ!」
「ほれほれ~早くしないと置いていちゃうよ!」
「まってよ~~~~ぉぉ...」
友達の声が聞こえなくなるがダイジョブダイジョブ。
私、九条連華!お父さんとお母さんと5つ上のお兄ちゃんと一緒に住んでいる今をときめく女子高生!
家が裕福でうちにはメイドが居る。ちっちゃいころから何でも買ってもらえた結果、私ははまった。
そう、私はオタクだったのだ。オタクの中でも軍艦や兵器、銃器をこよなく愛する軍オタだ!
高校に入ってすぐは金持ち、美人、秀才の三点セットで友達がいなかったが、少しずつ友達は増えていき、いまではリア充+ネトウヨの最強状態だ!
・・・こほん。
少しテンションが上がってしまったが、私は今とても幸せだ。毎日が充実している。
家族は和気藹々としていてDV(家庭内暴力)や不倫など欠片もなかった。
ラノベでよくある異世界転生だとか異世界転移だとか見てて面白いとは思うけど実際に体験してみたいとは思わない。魔法とかにも興味があるし、魔法銃とかも作ってみたいけど家族ともう会えない方が悲しいからいいや。一瞬心が揺れたけど大丈夫。
「ま、待ってよー!」
「ははは、追いついてみるんだな!あばよ!とっつぁ~~ん!」
「待てぃ!〇パァァァ~~~ン!って誰が銭〇警部だあああぁぁぁ~~~~~...」
さすが私の心の友。ル〇ンのネタに完璧に反応してきた。
「れ、連華!危ない!」
「え?」
そうして私は右回りに振り返った。
振り返りながら私は見てしまった居眠りをしながら突っ込んでくるトラックを。
ちょっと待って私の人生ここで終わり?ちょ、ちょっと待ってやり残したこともあるのに。
「連華~~!」
ここで私が言うことはたっひとつ。
「ぼ~く~は~ち~に~ま~ちぇ~nソゲブッ!」
あ、セリフ間違えた。
「連華!遺言がそれってどうなn...」
心の友がツッコミを入れてくるが私はもう反応できない。
ここで死ぬとは思わなかった。心残りはあるが、来世も記憶があることを願っておこう。
...あれ?
居眠りトラックに撥ねられるって異世界転生のテンプレ...
それにさっき心の中で思いっきりフラグ立ててたよね?
あれ、これって転生確t...
??????『うん!正しいほうもちゃんと死んだね!これであの世界はもっと面白くなるね!
やったね 妙ちゃん!楽しみが増えるよ!』
妙ちゃん?『誰が妙ちゃんですか!って私の名前が!』
眷属神改名中...
??の眷属神『これでいいのです。で、ロキ様。何をやっているんですか?』
ロキ『いやぁねぇ、旧知の友に新しい楽しみを送るための「下準備」をしていたのさ。』
ロキの眷属神『旧知の友って...ああ、あの方ですね。あの方だったらロキ様の悪戯でも大丈夫ですね
それにしてもそんな風に遊んでいる暇があったら狡知神としての仕事をしてください』
狡知神ロキ『だってデスクワークとかめんどくさいんだもん。楽しいことしたいよ。
それに僕は狡知神じゃなくて遊・興・神っていつも言っているでしょう。』
ロキの眷属神『はいはい遊興神様変なこと言ってないで仕事してください。
仕事が残ってたらあの方がここへ来れるようになっても一緒に遊べませんよ。』
遊興神ロキ『なん...だと...!?
よし仕事をやろう。いますぐやろう。マッハでやろう。時を止めてでもやろう。』
ロキの眷属神『はぁ、ようやくやる気になりましたか。やる気になるまでが遅いのにやる気になったら
人の仕事の1億倍は働くんですから。普段からこうだったらいいのに...はぁ...』
こうして世界、いや大界は未来に向かって動いていく
その発端は一人の存在の転生であった。
前半は転すら様がアニメ放送するので便乗しました。
メタル色のスライムは竜のお使いのメタルなあれです。
次回また会いましょう。では、最後に一言
「リムル様~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ああああああああぁぁぁぁぁ....」