2話 適性検査
タイトル変更しました。(1ヶ月位たったら旧題消します。多分。)
今回はフラグ多めです?
――――――あれから3年が経ち、俺と双子の妹は3歳となった。
この3年間、前世と比べると圧倒的に短い期間だったが、いろいろなことが学べた。
特に、『母親の愛情』というものは非常に興味深い。前世では母親などいなかったし、そもそも俺を守る存在というものも少なかった。これだけの愛情を注いでくれる母親を一生無下にはできないだろう。
あと俺の周りの環境もいろいろ面白い。
まず、俺が産まれた国はマギアス魔導王国だ。この世界の言葉でマギは高位の魔法使い、ギアスは集いを表す。「高位魔法使いの集い」とはいささか自身に溢れているともいえるだろう。まあ、実際大国だから間違っていないのかもしれん。
この国はその名の通り、魔法関係の技術者が世界中から集まってくる。また、肥沃な土地も多く、鉱脈も豊富で、≪冒険者≫たちが集まりやすい≪ダンジョン≫も潤沢だ。・・・あれ、結構な大国じゃね?
まあ、そんなこの国には爵位制度がある。上から公爵、候爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵、騎士、とあるのだが、なんと我が家は侯爵、しかも歴史が古いらしい。
・・・なんだろう、この、没落しそうな響きは。
まあ、現当主は我が父、ギルバート=アルバート。渋い親父、という感じの人だ。しかし祖父母よ、この名前はどうなのだ。絶対いじられる名前だぞ。読者達の世界だとキラキラネームとか言われているところだぞ。まあ、(大)変な名前だが、この父は非常にやり手らしい。国の税務官のトップをしているらしい。非常にめんどk((ゲフンゲフン、名誉な職らしいが、非常に優秀なため、世襲が決定しているらしい。おれはそんな名y((ゲフンゲフン、めんどくさい職はやりたくないのだが、兄がやってくれるだろう。頭の回転早そうだし。
流れで兄の紹介もしますか。アレックス=アルバート。非常にイケメンな少年、といった感じだ。歳は13歳、父親譲りの茶髪と青い目が特徴的だ。
いや、うん。俺は一話で初産だろうといったな。あれは嘘だ。いやでもだって15歳に見える25歳ってすごいと思う。うん。俺ハナニモ悪クナイ。
さてさて今俺は何をしてるかというと...
「おにいちゃー、なでなで、してー。」
「ほーれ、なでなでー。」
「ふぁぁ、なでなで、えへへー。」
と、幸せな時間を過ごしていた。妹への愛が鼻から飛び出そう。
俺の名前はイクス=アルバート。アルバート家の次男坊で転生者だ。赤髪赤目で将来はきっと、イケメンだと、いいな、と思い、たい。前世?イケメン、だった、よ。うん。
まあ、そんな非生産的な話は\(・_\)置いといて(/_・)/我が可愛い可愛い女神の話をしようか。
マイスイートリトルシスター、リリア=アルバート。長女だ。金髪銀眼で、眼の奥にある小さな魔法陣があって、可愛いのに神秘的だ。
ま さ に 女 神 。
将来どこの馬の骨とも知らないやつの手に渡ると考えると...胃に穴が開きそうだ。
しかも可愛いだけではなく、転生特典のおかげか全魔法に適性がある。ついでに魔眼持ち。
将来は引く手数多だろう。...胃に穴g(ry
今は「おにいちゃー」とか言ってなついてくれるけど思春期になって「お兄ちゃんなんて嫌い!」とか言われたら...うん、軽く死ねる。
さて、閑話もあったし気づいてる諸君もいると思うが、妹は転生者だ。しかも前世が二重になっている。前世が二重になっているってことはそういうことだから相当つらかっただろう。今世は絶対幸せにしてやる。
「おにいちゃー、なでなでー、もっとー!」
「なでなでー」
「ふへへー」
やばい。なにこれ可愛いすぎて死にそう。前世では死と真逆の存在だった俺がこんなところで死ぬとは腑に落t...いや、リリアのせいで死ぬんだったら別にいいや。いや、リリアを幸せにするまでは絶対に死ねない。なんてことを考えていると、
「あらあら、二人とも仲がいいわね~」
そういって入って来たのは我らが母親、マリア=アルフォード。名前とか外見とか性格とかいろんなものがthe聖母って感じの人だ。金髪金眼。一話であれだけフラグを建てたかかわらず普通に生還した。いや、俺が助けるって決めたんだから普通に死ぬくらいだったら助かるに決まっている。
え、なに?あの時使ったスキルが使いたい?別にいいぜー
≪世界スキル≫:無限の力
HP,MP,SPが無限になるスキル。これを使ってると大体死なない。頭落とされても死なない。再生とか最大量増加とかのスキルの最上位。
≪特級スキル≫:生命力付与
自分生命力(HP)の残量分だけ相手を回復するスキル。譲渡スキルと違って自分のHPが減らないからくっそ便利。無限の力と合わせるとただのチート。
まあ、こんな感じ両方めっちゃ強力。スキルは下から、初級、上級、特級、世界、という順に強くなってく。特級で勇者とか魔王とかが持っているスキル。初級は一般者でも持ってる。世界は、この世界のトップたちが持ってる。
閑話休題?
「さ、二人ともお着換えしましょうね~」
ん?着替え?今日は何かあったかな?えっと...今日は協会に行って魔法適正の検査をするらしい。けど内容的にどう見ても先天スキルも開示されるんですけど。...俺のステータスダイジョブかな?確認しとこっと。
(ステータス)
〈ステータス〉
個体名:イクス=アルバート
種族名:ヒューマン 性別:♂
年齢:3
状態:健康
HP:20(無限) MP:1万(無限)
SP:10(無限)
筋力値:20
防御値:5
敏捷値:10
知力値:1000
抵抗値:1000
器用値:15
運勢値:4
(世界スキル:無限の力)
(特級スキル:生命力付与)
(上級スキル:)
初級スキル:剣術Lv9/10
(特殊スキル:変更隠蔽(転生付随スキル) )
(称号:転生者)
...うん、いろいろ言いたいことがある。まず変更隠蔽なんてスキル俺は知らんが転生付随スキルということは転生したから貰えたんだろう。んでもって最初っから起動状態、と。見た感じ転生によって変わった情報を隠す、といったところか。特殊スキルだから世界レベルの鑑定じゃないとばれないし、かなり便利だね、うん。まあ、転生者に対する親切ってことだろうから納得納得。
けどさ、MP高くね?この体の元のMP高くね?1万って子竜ぐらいだよ?そのせいで知力値と抵抗値の数値がおかしいよ?これも子竜ぐらいあるよ?
極め付けがね?剣術Lv9/10ってどういうこと?先天スキルだとしてもレベル高すぎるよ?初級スキルでもレベル10にするのに普通の人間だと30年ぐらいかかるんだよ?しかもそのせいで筋力値とか敏捷値とか器用値とかが人間の子供位はあるよ?この体やばくね?
まあ、俺の転生体ってことで魔法は火系統しか使えないからとんとんかな?
「それじゃあ、行きましょうか。」
おっと俺が動揺している間に準備が終わったようだ。着替えた妹様が可愛い。
「かあしゃまー。どこいくのー?」
「あなた達の未来を見に行くのよ。」
「みらい?いくー!」
俺たちの未来か、言い得て妙だな。適性が多いほうが今の時代は暮らしていける。
そうして俺達3人+従者兼護衛の付き人2人の計5人で教会へと向かった。
◇ ◇ ◇
「さて、どっちから先にやる?」
「はい!はい!リリアがさきにやりたい!」
「ふふ、仕方のない子ね。それじゃあイクス、ちょっと待っててね。」
「うん」
と、声をかけた後リリアと母さんは扉の向こうに消えていった。
さて、全魔法に適性がある妹様だ。さぞかし大騒ぎになるだろう。
「え?えぇぇぇぇぇぇええええええーーー!?全魔法適正!?しかも先天スキルに近接戦闘の心得!?」
と、こっちまで聞こえる叫びが届いた。ま、そうなるでしょうね。ていうかリリアは近接戦闘の心得をもっていたのか。あれは上位スキルだから先天スキルの中でもかなりレアだな。さすが我が妹様。
ガチャリ、と扉が開いてリリアと母さんが出てくる。
「ふぇぇぇえええーん」
「泣いちゃったわね。イクス、お願い。」
と、母さんが当然のように俺に預けてくる。確かにリリアが泣いていても俺にかかればすぐに泣き止むけど母親としてそれはどうなんだ?ま、いいか
「ふぇぇぇえええーん。おにいちゃーん。」
「よーしよしよし。おにいちゃんはここにいるからねー。なでなで」
「ふぁ~。なでなで~」
ほら、一瞬で泣き止んだ。
「うんうん。イクスはあやすのがじょうずね~。いや、女の子の扱い方がわかってるというのかしら」
「マリア様、母親としていろいろどうかと...」
「あら、そう?これから頑張ってみようかしら?うふふ」
...付き人にまで言われてるじゃねえか。直せよ。
「よし、それじゃいくす、いくわよ。」
「うん」
「あ、おにいちゃん、いかないで」
そういってリリアは俺に手を伸ばしてくる。なにこれ可愛い。
こんなことをされると行きたくなくなるが、心を鬼にして言わなければならない。
「だいじょうぶだよ。すぐにもどってくるからね。」ナデナデ
「うん...」
俺にはこれが限界でした。
「じゃ、いくわよ」
ギィ、と音を立てて母さんは扉を潜り抜ける。するとそこにはシスターがいた。
「このがさっきの子のお兄さんですか?ふふふ、期待してますよ。」
いや、火属性しかないんで。
「では、この水晶玉に手を置いて下さい。」
この水晶玉は確か『魔技出し玉』だったはずだ。手を乗せたときに中に光が産まれて、その大きさで魔力量を、その色で適性を測る魔道具のはずだ。おまけで最後に先天スキルの名前とレベルが表示される。
のせっ
ピッカーーーーーーーーーーン
まぶしっ!!魔力一万は伊達じゃねえ!!
「すごいですよ!これだけの魔力量は見たことがありません!これは、適正も期待ですね!
さてまずは赤ですがちょっと色がきれいめですかね?さてさて次は?...あれ?」
ちょっとまてあのシスターこの光量のなかでまともに見えてるんかい!地味にすげぇよ!
そして光が収まって...
「あれ、ほんとに赤だけ?あ、先天スキル...え?剣術Lv9/10?さっきの後だと霞んで見えるけど地味にすごくない?ってほんとに赤だけ?魔力量はすごいのに...」
ちなみにこの世界では魔法適正が多いほうが魔力量が多いことが多い。それにこの世界の大体の人間は2属性は適性があるため、俺のパターンは非常に珍しいことになる。
「まあ、いいですか。はい、検査書です。適性はあの感じだと火っていうよりも緋っていう感じでしたね。さっきの後だと霞みますけど十分すごいですよ。ではお疲れさまでした。」
「え、ええ」
ちょちょっちょっちょっちょっと待て、おねさん!なんで『緋』のことを知っているの!あれは特級レベルなんだけど!
「おにいちゃん!」
そういってリリアが抱き着いてきた。幸せ。じゃなくて、それだけ寂しかったんだろう。
「ただいま」ナデナデ
「ふへへ~。おかえり~」
妹様はとっても嬉しそうである。帰ったらめんどくさいだろうから今のうちに幸せを噛みしめておこう
シスター、何者でしょうか?作者もわかりません。いや、ほんとに。流れでセリフいれたんです。
リリアは可愛い(真理)
「お、分かってんじゃねえか」イクス