表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇気の定義  作者: ハルカ
一章
7/14

五話

私がいつものように公園に行くと、これまた、いつものようによれたスーツを着て、ニコニコ顔で手を振る、大人の色気を醸すおじさんがいた。

 「おじさん!おはよう!」

 「やぁおはよう、桜ちゃん。おはようというよりは、こんにちは、かな?」

 おじさんのいつもの様子に昨日の両親の喧嘩による私の不機嫌な心の内はバレてないと私は確信した。

 「じゃあ改めてこんにちは!」

 「はい、こんにちは」

 今日はおじさんの初恋の話の続きをお願いするために来たのだ。

 「おじさん?昨日のおじさんの初恋の話をしてほしいわ!」

 「続き?」とおじさんは、とぼける。「昨日はおじさんが初恋を自覚したところまでだったじゃない!」

 するとおじさんは困った顔で「まいったな、どうしても話さなきゃだめかい?」と言いそれに対して私は、

 「だめ!絶対!」と強い口調でおじさんにお願いする。

 肩をすくめておじさんは「仕方がないなその代わり少し格好の悪いおじさんを見せることになるよ?構わないかい?」と私に宣告した。

 私は驚いた。いつも、私にタメになる話をしてくれて、学校の先生も知らないような話をしてくれるおじさんは、私にとってテレビの向こうのアイドルよりもよっぽど輝いて見える存在だった。そんなおじさんに格好悪いことなんてないと思っていたのだ。

 「構わないわ!おじさんは普段から格好良いもの!多少格好悪い所があってもそんなのでおじさんの魅力は消えたりしないわ!」

 私は喉を強く震わせておじさんの説得に力をいれる。

 冷や汗が首筋を垂れる感触がする。

断られたらどうしよう。

 おじさんは頭をポリポリとかき「わかった。それじゃあ喋ろうか。」

 良かった!断られるかと思った私はおじさんの体に思わず抱きつく。

 抱きついた私を払わずおじさんはそのまま私の頭を撫でながらゆっくりと喋り始めた。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ