1話 『異世界へ召喚された』
この話、少し読み辛いと感じるかもしれません。
それでは
『異世界へ召喚された』
俺の体が重力によって動かなくなり、床に浮かんだ幾何学的な模様によって視界が遮られてから、体感時間でわずか10秒ほど。
視界はまだ戻らないが、聴覚、嗅覚が機能してるためある程度の周辺の状況は把握できている。
そして、徐々に視界が戻り周りを見る。
そこは、森だった。
俺のいる場所から半径5メートルほどには木は一切生えていない。
土と草の大地に、5メートル先には木々が鬱蒼と生い茂っていた。
「ここは、どこだ。俺はどうなった、幻覚ではないし夢でもない」
俺は現状の把握を早急に開始する。
身体に異常はなく、服装も道場にいた時から変わってない。
唯一変わってるのは、俺の居た筈の道場から現在地不明の森にいる事だけ。
「周りに生物の存在は存在せず、広大な森の中にいる」
俺は、神経を尖らせ周辺の情報を収取する。
獣の気配や人間の気配もない。
「獣の唸り声も足音もなく視認もできず、人間の声も足音もなく視認もできず」
結論、俺は道場からなんらかの方法で大きな森の中に移動させられた。
周りには建物・生物はなく、生死の危険は少ない。
所持しているものは、師匠からもらった刀『黒刀・左文字』に、修練用の袴。
食べ物の類はなく、水もない。
「仕方ないか、森を進むのは危険が水がなければいずれ死ぬ」
俺は、水を探すために地面に耳をつけ音を探る。
水流や池などの、水が存在する場所には特有の音がするため近くにあればわかる。
「ん?これはなんだ?」
俺は、耳を地面に当て川の音がしたので、そこへ向かおうと思った時。
地面に、場違いな紙の封筒が置いてあった。
俺はそれを拾い、封を開け中に入っていた紙を取り出し見た。
「これは、どうゆう・・・・・ああうゆうことか、クフフカカカ」
俺は紙に書いてあった文章を読み、笑った。
そこにはこう書かれていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
狂井人織様へ
初めまして、私はあなたがいた世界で神の立場にいるものです。
この度、あなたは異世界『フィルイスト』へ召喚されました。
召喚の理由は、おそらく戦力を求めてのことでしょうが。
あなただけは違います、あなたは巻き込まれる形で異世界へ召喚されました。
その為、あなたは全くの自由ですが。
他に召喚された10名は、召喚された国にいろいろ頼まれているでしょう。
世界のことを教えられ、戦い方を教えられ、様々なものを与えられるでしょう。
ですが、あなたには何もない。
巻き込まれて召喚された為、あなたの事をその世界で知ってるのは、私と10人の召喚された者達だけでしょう。
その為特例として、あなたにその世界の事を少し教えます。
まず、あなたがいる世界の名は『フィルイスト』。
そしてあなたがいるのは『魔の森』と呼ばれる場所です。
森は大きく広大ですが、森の外に出れば人間が住む街があります。
世界に住む種族について。
あなたの世界で言う人間は『人族』と呼ばれ、他には『獣族』『エルフ』『魔族』がいます。
4種族の構図ですが、魔族は他の三種族の共通の敵で、人族も獣族もエルフもそこまで仲がいいとゆうわけではありません。
それと、『魔物』と呼ばれる生物もいます。
基本的には魔族の支配下ですが、高位の魔物になると魔族よりも強い者もいます。
その世界は、所謂剣と魔法の世界です。
魔法には様々な種類があり、冒険者と呼ばれる魔物討伐や護衛の依頼をこなす者います。
そして、『ステータス』と言うとあなたの情報が記載されたプレートが出現します。ステータスは、あなたの名前や・筋力・俊敏・体力他にもいろいろな情報が記載された物です、プレートは『消えろ』と念じると無くなりますので。
共通硬化ですが、銅貨・銀貨・金貨・白金貨と分かれていて。
銀貨5枚で4人家族一ヶ月暮らせます。
最後に、私からの謝罪の気持ちを込めて餞別です。
あなたのスキル『アイテムボックス』の中に、装備一式と少しのお金を入れてあります、それとあなたの持つ、黒刀・左文字を少し強化しておきました。
それでは、頑張って下さい。 女神ライラ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「フハッハハハ、俺は恵まれている」
俺は異世界物の小説を読んだことがあるので、とても歓喜している。
「異世界、魔物、素晴らしい。人の命が軽い世界で、俺は俺は」
人を殺せる。
異世界物の小説で共通の、命が軽い。
魔物や盗賊によって、『死』が身近にある為、人の死が軽く扱われる。
「殺すことができる、人を」
なんて、なんて素晴らしい。
「手紙にステータスがなんとかと言っていたな」
剣と魔法の世界でよくある『ステータス』。
楽しみだ、魔法はいらないがスキルに便利な物があればいいが。
「じゃあまず、『ステータス』」
どうでしょう、異世界へ召喚された主人公。
今後の展開を楽しみながら、作者自身も書いていこうと思います。
『決心は記憶の奴隷にすぎぬ。記憶しだいでどうとでもなる』
抜粋『ハムレット』 作『シェイクスピア』