命の灯火(200文字小説)
――ゆらゆら、ゆらゆら……。
私の前には一本のローソクがある。
そして、そこに灯した火は私の命。
――ゆらゆら、ゆらゆら……。
風に吹かれて今にも消えてしまいそうに揺らめく。
消えたらいったいどうなるんだろうね?
――ゆらゆら、ゆらゆら……。
ローソクの火が消えそうになる度に、私の胸は期待に踊る。
早く消えないかなー?
――ゆらゆら、ゆらゆら……。
……待っているのもいい加減飽きて来たよ。
――自分で消しちゃおうかな?
人は皆、心に闇を抱えて生きています。
揺らめくローソクの火の様に、彼女の心も揺れ動いているのでしょう。
吹き消す事は簡単です。彼女はどのような選択をするのでしょうね。