若頭が斬る! -ただのおりょうりだもん-
すみません、更新期間が空いてしまいました。
「サイラス、後ろ乗ってくれ。メットはこれを使ってくれ。」
「うむ。ワカよ。これは、、その、危なくはないのか?」
「あはは。最初は怖いかもしれないけれど、そのうちこの風を切る感覚が病み付きになるぜ。
欲しくなったら俺に相談してくれ。」
そう言うと、俺はコンソールに設置されている魔石に力を注ぎ、
魔導エンジンを作動させた。
心地いい排気音が地下駐車場に響き、
白と黒の2台の魔導二輪が地上に現れる。
道々を行く人は、ある人は振り返り、俺達に手を振り、
ある人は、信号で停まった二輪を指さし、羨望の目線を送ってくる。
直線距離では短いのだが、西口から東口に抜ける道が、今再開発をしているので、
少し遠回りをしなければいけないのだ。
フォーエバ◯21のあたりまで抜け、靖国通りへ差し掛かると、
百貨店が立ち並んでいるはずのエリアには、
俺の指示で、大規模な商会が軒を連ね、地球さながらの複合商店を形成している。
他の街の商会も、ここの街には必ず出店しているらしく、
この街に出店して、一山当てるのがこの界隈の商会の大きな目標になっているらしい。
そうやって、皆が競争してくれるなら、この街も賑わうわけで嬉しい限りだ。
勿論、趨勢勃興はあるわけで、半年と持たず、撤退してしまったところもあるが、
地場の商会の連中は、大凡何故か、しっかり生き残っているという。なんでだろーねー。
そんなこんなで、うちのマンションの地下駐車場に到着。
後ろに乗っていたサイラスは、ひどく興奮したようで、
降りた後、構造やら、何やら色々質問してきたけど、
詳しいことはいまいちわからんので、おいおい鋼鉄先生にでも出動願うことにした。
「さて、じゃあ、まず飯くうか!」
「ワカ、今日は何食べに連れてってくれるの?」
「おう、お前ら今日は何を食べたい気分だ?」
「私は、ワカが選んだお店ならどこでもいいのじゃ。ワカのチョイスは間違いないのでな。」
「そーだねー。一度だって外したこと無いって、すごいよねー。」
女子二人はいつも通りの回答。
もう慣れた。一応、女の子ってことで聞いているが、これもまあ一種の決まり事ってことで。
「よし、じゃあ、本日のメインゲストのサイラスに何が食べたいかを決めてもらおう。」
「わ、私か。。ううむ。」
「好きなものでいいんだよー。どこかの誰かのわがままで、この街にない料理屋は無いはずだし。
しかも、お店によっては、その誰かさんの御蔭で魔改造されてるって噂だし。」
「そうじゃそうじゃ。未知の料理があると、その店の店主を引き抜いてきて、
問題点、改善点を瞬く間に改善し、一線級の料理店に仕立てあげるという酔狂な輩がおるという噂じゃな。」
「そ、そうなのか。では、近頃、巷で評判となっている、『すぱげってぃ』というものを食べてみたいのだが。。」
その瞬間、二人の目が光った気がした。
そして、獲物を見つけたように、俺を見やがった。
「それじゃあ、もう、あそこしか無いね。」
「そうじゃな。あそこじゃな。」
「「では、このままワカのおーちへGO!」」
はい。
ちょっとまったー!
とか言えませんでした。
女性二人の圧力はもう、待ったなしですね。
冷蔵庫には、今朝、ルーが広場の八百屋のお姉さんから購入したであろう野菜、
同じく、果物屋のおやっさんから購入したであろう果実がしっかり入っていて、
材料としては問題ない様子だ。
俺の料理は、何が何gとかいちいち細かいことは気にしない。
勘と、経験。 考えるな、感じろの精神でやってしまう。
なので、毎度入れる材料や、調味料が違うので、
女子二人は俺の料理を見ていても、全くもって無駄だといって、勝手にお茶を入れてサイラスをもてなしている。。
まあ、どこに何があるか分かっていることが問題だといえば問題だが、
そもそも、元魔王が茶を入れるって、ある意味すごいな。
っと、俺は調理をしなくては。
大きな鍋に湯を沸かし、鍋に入れる塩は通常通り。
沸かしている間に、ナス、トマト、玉ねぎ、にんにく、ベーコンを適宜刻む。
トマトはちょっと多めに。今日はトマトが熟して美味しそうだから、トマトベースのソースにしよう。
いい具合に鍋が沸騰したので、麺を投入。今日は中太のスパゲッティーニ。
ベーシックにベーシックに攻めることにしたのだ。
フライパンに、オイルを引き、火をかける前ににんにくを入れ、なじませた後、
鷹の爪も入れて火をつける。
香ばしい匂いが立ち始めたら、オイルだけ残して一度中を外し、ナスとベーコンを炒め始める。
油を吸ってしまうから、高い温度で一気にやってしまう。
一度それらを取り出し、トマトを注ぎ込み、ハーブ類、味噌を入れてひと煮立ちさせ、
もう一度具材を投入して、塩コショウ。味を整えて、うん、よし。
更に麺を盛り、上からソースをかけ、具材を綺麗に盛り付ける。
出来上がりだ。
「でーきたーぞー。」
4枚の皿を手に、ダイニングに行くと、今か今かと待ちわびた、3匹のハイエナが待っていた。
「もう!あのにんにくの匂いは犯罪です!」という、ハーフ魔族と、
「はよ、はようカリカリベーコンを!!」という元魔王。
「な、、何たる芳醇な香りと、見た目の美しさ。。」といって絶句している留学生。
揃ってよだれを垂らしているけど無視だ。
「せきにつけー。いただーきます!」
「「「いただきますっ!」」」
「うまい!うまいぞ!ワカっ!このカリカリベーコンが食感にアクセントを!」
「うんうん、このぴりっとする唐辛子の風味と、野菜の甘味がマッチするんだよね。
オイルで辛味がまろやかになってるから、余計に美味しい!」
「ほぉ。。。すぱげってぃというものはこうも複雑な味を出すものなのか。」
「そうだ。今日はトマトベースの味だが、塩だったり、魚介出汁だったり、
あとは、クリームだったりでもいいな。」
「ふうむ、、奥深い。」
「あとは麺の形も色々あって楽しいぜ!」
とかそんなこと言っているうちに、
はやっ。
光の速さでなくなっていく俺の他の皿の麺とソース。念のため山盛りだったんだが、、
「ワカ、おかわりなのじゃ!」
イシスよ、何故お前が一番に食べ終わるんだ。。
「ワカ!私も!」
お前もかアテナ!
「すまぬ、わたしも頂きたい。。」
おうおう、好評だねえ。
まあ、そのために、麺は1キロゆでてあるから問題ないんだがな。
もう、これが常態化しているから、
「こういうこともあろうかと!」
な気分ではない。
ですよねー
位のものだ。
さって、とかいって2皿目をぺろりと平らげた元魔王(笑)は、更に2度おかわりを求め、
通算4皿を平らげた。
二人は2皿で満足したらしく、アテナが入れなおしたお茶で一息をついていた。
「でだ。全く、案内になっていない。」
「「「あ、、」」」
まあ、飯食ってからだな。
うん。
そうだ。そういうことにしよう。
ここまで読んで頂きましてありがとうございます。
すみません、ただの料理回になってしまいました。
次こそ新宿の街をうろつかせます!




