若頭、学校へ行く -3匹がゆく-
「さて、そろそろ行くか。ルー、行ってくるよ。」
「はい。ワカ様。行ってらっしゃいませ。本日も寄られてこられますか?」
「うーん、学校初日だから、何かあるかもしれない。そちら次第かな。」
「畏まりました。遅くなるようでしたらご連絡ください。」
「あいよー。」
はい。俺です。いつのまにか17歳になってました。
誰に向かって喋っているのかっていう突っ込みは無しの方向でおなしゃす。
この十数年で色々なことをしました。
そのうちの一つに、学校を作るということをしたわけです。
ええ、新宿の学校といえば、H◯Lタワーじゃないっすか。
なんとなーくスケッチして、作っちゃいました。
そんな軽いノリで作ったわけでは勿論無くて、
幼少時の教育から、初等教育、中等、高等、専門まで全てを網羅した、
目下、この国で一番大きく、進んだ教育機関です。
国立の教育機関もあるって話を父上からきいてるけれど、
そっちには貴族とかお偉いさんの子供しか行けないらしいです。
方や、うちにある教育機関は、広く門戸を開け、種族人種関係なく、学びたいものには等しく教育を与えています。
この機関が出来たのは、俺が10歳の頃だから、既に7年も経っているわけですが、
ここからの卒業生は、既に国家運営の重要ポストに就いたりと、いい就職先に付いているようです。
そんなところに、俺も5年前から通うようになり、今日から6年目。
高等教育の最終年度ッて言うわけですね。
ちなみに、ここでの教育対象に年齢制限は設けていないので、
飛び級もザラにあるし、大人になってから教育を改めてしたいっていう人たちにも特別コースに入ってもらっています。
なお、ここの学長は母さま。
実務のトップは母さまが連れてきた女性で、初代の女神というお方。
先生方も大方が、天使や女神で構成されているっぽいです。
そんな輩に、教育が出来るのかというと、至極当然の疑問かと思いますけど、
まあ、出来るんですよ。
実は、『閃光の戦乙女』の人たちって、いいとこのお嬢様だったり、ご息女様。
読み書き計算は勿論出来るし、歴史地理の勉強も幼い頃から嗜んでいらっしゃる。
ほいで、二輪の調整をしなきゃいけないから、魔導工学にも理解は深いし、
色々な数値の計算をしなければならないので、計算のスキルは低くない。
道を走れば地理もなお覚えるし、お嬢様なので色々な世界情勢も耳にすると。
そんな人達が、結婚までの腰掛けや、子育てが終わった方々の再就職先としてすこぶる有用だということです。
そんな訳で、うちの先生方は、ほぼ女性で絞められている。
最初は、そんな先生方にちょっかいを出そうとするバカもいたんだけど、
母さまからの依頼でうちの組にボディーガードをつけるよう頼まれた。
そんなことなら、全員バイク勤務にすればいいじゃない?と提案したのだけれど、
人によっては事情もあって安易に乗れない状況にある方々もいらっしゃると。
それならば、その対象者のみ警護対象にしましょうとして、コストカットを薦めると、
二つ返事で了承をいただき、自宅のダイニングテーブルで契約書を交わす運びとなった。
勿論、ヌエには途中から参加してもらっていて、
人員の確保や、ローテーション等、細かい部分の調整は行ってもらった。
そうそう、ちなみにうちの構成員、あれよあれよと、傘下の会社を含めたら、偉い数になっていた。
勿論、直径の親会社に関わっている人間は相変わらず50名程度と少数だけど、
今では、警備会社で1000名を超え、また、商社を立ち上げて、そちらも500名に届かんとしている。
商社の方では、自社での商品のやり取りは勿論だが、外部の商隊の護衛業務なども仲介しており、
こちらは警備会社へのいい顧客を広げる窓口となってもいる。
この商社は、現代的に言うと、商社機能、物流会社機能も担っていて、自社一貫での買い付け、販売が出来る事が大きな売りだ。
いまや、この街から外への販売に関しては、うちの商会が90」%を超える取り扱いを行っている。
他にも色々父上に意見を上げて吸い上げてもらったものもあるけれど、
学校についたので、またの機会とさせて欲しい。
ガチャンと魔導二輪のスタンドを下げ、学校指定の駐車スペースに愛車を置く。
そうなのです。俺は、いつだったか母さまに、自分の魔導二輪が欲しいと伝えると、
次の日には、鋼鉄さんがうちにやってきて、デザインの好みや、色の好みなどを詳しく聞きながら、
その場で魔法を使いながら3Dモデルを作るという離れ業で、作業をしてくださった。
その結果、俺は、ほぼオーダーメイドの魔導二輪を15歳の誕生日に頂くことになったのだが、
流石にタダで貰うわけでにはいかないと、譲らなかったのだが、12年前のお礼と頑なに受け入れてもらえず、
ありがたく受け取る運びとなったのだ。
しかも、半年に1回、手ずから点検に来てくれて、魔導機関のオーバーホールをしてくれるし、
終いには、うちのマンションに住み始め、試作の部品が出来ると取り付けては、データを取っているようだった。
そんなこんなで、俺のバイクは、帰ってきた時と、家をでる時でちょいちょい形が違うことがある。
だけどそんなことは小さなことだ。気にしたら負けだ。
(アメリカンっぽかったのが、フルカウルになってた時は流石にびっくりしたけど)
魔導リフトに乗り、20階へ。あ、ちなみにこのビルは50階建てです。
低層から順に、幼少、初等と続き、高層に行くに連れて、中等、高等、専門となっていて、30階までが教育機関フロアだ。
20階が高等教育機関フロアのエントランスフロアになっていて、ここから各階には魔導階段を用いて昇降する造りになっている。
勿論、普通の階段も設置しているけれど、両方あったほうが幸せかなと思って、取り入れてみた。うん。俺のわがまま。
「ワカくん。もう掲示板みた?」
「おお、アテナ。まだだよ。いま来たところ。」
「なんだ、まだ見ておらんのか。今年も我らは同じクラスだぞ。喜べワカよ。」
「んだよ、楽しみ取るなよ。ちょっとは楽しませろ。イシス。」
先に声をかけてきた色白の短髪青髪のザッツ清純派っていう見た目のかわいこちゃんは、
うちの隣の鬼族のシェーラさんとこの娘さんで、アテナだ。フルネームで言うとアテナ・フロンタル。
そんな子いたなーとか思い出してくれただろうか。
1つ俺の年上だけど、ちびの頃から俺の後ろにひっついて色々遊んでいた事もあって、
今では下手な荒事には一切動じない、見た目を華麗に裏切る、バリバリの姉御タイプだ。
ちなみに、この子も鋼鉄さんから魔導二輪をもらっていて、実は今の代の女神様って言う裏話もあったりする。
そいで、
後から声をかけてきたのはうちのマンションのオーナー。
イシス前魔王様であらせられます。
マティウリスと、フェンリッヒを召喚してからというもの、ちょいちょい仕事で呼び出しちゃってたために、
いつだったかうちの組に殴り込みに来たのだ。
あの時のイシスは全てを破壊せしめんと、ちょっと厄介だったのだけれど、
そこはまぁ、マティウリスの甘いマスクにキュン死。
耳元で一言何かをマティウリスがつぶやくと、真っ赤な顔して俯いて、
「今日のところは見逃してあげるわ!でも、マティウリスは私のものだからね!」
と捨てぜりふを残してさっさと帰ってしまった。
それ以来、彼女もなにかと俺のやることに首を突っ込み始めるようになり、
いつだったか、
北のグンマー国に魔獣大発生の討伐に行った時には、
先代魔王の天魔七柱揃って出征という豪華なものになってしまったっけ。
結果的に、大発生という緊急事態にも関わらず、ものの数分で方が付いてしまい、
2泊ほどの予定を組んでいっていたので、余った時間は、温泉に浸かり、しっかり観光してきた。
その時だったか、女湯を覗こうとした不届き者がいたらしく、ちょちょいっと、イシスとアテナでのしたらしい。
ご愁傷さまです。
さてさて、この高等学校では1学年4クラスあり、それぞれが20名のクラスとなっている。
クラス分けは完全にランダムと、いう建前だが、目下、担当教諭による激しい取り合いによってクラス分けがされているらしい。
というのも、年に2回、春先と、冬のはじめに、高等部全学年関わらずのクラス対抗による競技会があり、
実は、その成績によって先生達に臨時ボーナスが支給されるという裏制度があるのだ。
これを考えたのはヌエ。
この制度がなくても、戦乙女の皆さんはしっかり先生を務めてくれるけれど、
これがあることによって、先生たち側の教育に対するやる気が桁外れに上がったのだ。
これは、外部から雇ってきた先生も同じで、実は、各先生のお気に入りが夫々のクラスに集められていると行っても過言ではないのだ。
受け持つ生徒はどうやって決めているかまでは俺の知ったところではないが、
正々堂々たるやり方で、決めているらしいとだけ聞いている。
そーれーで、今年の担当は、、あ、今年も「双鞭」さんね。
はい。そうなんです。
双鞭さんは父上の職場を寿退社された後、
去年からうちの先生に子育てからの復帰を期に、雇われてもらっていて、その辣腕を振るって下さっている。
教え方もうまく、地球時代の先生もこれくらいのクオリティならと思う程だ。
「んじゃ、さくさく教室行くかー」
「おー。」「うむ。」
勝手知ったる道を進み、魔導階段を3階分登って3年のフロアへ。
そこに俺達の「盾組」の教室がある。
このクラスの名前も、一つ、開校する時にこだわった部分だ。
この世界にも、数字やアルファベットによって、上下階級を設定する認識があるようで、
単純に3-A,3-Bなどすると、Aが優秀、Bが次点などというくっだらない選民意識が生まれるようだった。
互いに切磋琢磨するべく意識を、クラスの名前によって優等生、劣等生と決めつけられることは嫌だったので、
獅子組、蛇組、剣組、盾組と、4種類の名前を当てはめることにした。
結果的に言うと、この試みは功を奏し、
クラスはただ、仲間としての枠を出ず、階級という認識を生むこと無く、グループ分けを可能にした。
「さってと、今年はどこの席にすっかなー」
「あんたはどうせ、窓側一番後ろでしょ?」
「そうじゃ、お主は中等部の頃からそこしか座らんじゃないか。」
「いいじゃねえか。昼寝もしやすいし。」
和みながら席につく。
今日もいい天気だ。
俺らはこのためだけに、この席取りのためだけに、
初日 ダ ケ は真っ先に出席するのだ。
早くクラスメイトが集まらないかなー
楽しみだなー
おひさまぽかぽかきもちいなー
ねむいなー。。
zzzzzz
ここまで読んで頂きましてありがとうございます。
すみません、説明回となってしまったため、
ものすごく字が多いです。
この状態次回も続きそうです。




