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若葉組の展望 -今昔物語-

こんにちは。

日本は台風のようですね。

こちらは毎日30度ですよ


マティウリスの転移でそろって事務所に帰ってきた。


フェンリッヒはそのまま顕現化を解き、一度戻っていった。



事務所の中は、支度部隊の二人が頑張ったのか、最低限のものが設えられていた。


窓には落ち着いた色合いの青いカーテンが引かれ、


ソファーには同じ布で作られたであろうカバーがかかっていて、色合いの統一感もあってよい雰囲気を出している。


前世で見た事務所のイメージだと、カーテンじゃなくてブラインドだし、


布のソファーじゃなくて革張りのソファーだけど、それはそれだ。



「さて、今日はみんな僕の不注意であんなことになってしまったけど、助けてもらってありがとう。感謝する。」



そう言って頭を下げようとすると、マティウリスが静かに頭を下げないように促す。


上に立つものは簡単に頭なんか下げちゃダメってことか。


「いえ、ワカ様。あっしらは当然のことをしたまでのことです。礼には及びません。」


「そうか。しかし、お前たちの働きは想像以上のものだった。


僕が不思議なのは、なんでこんなに能力があるお前たちが今までゴロツキなんかをやっていたかってことさ。」


「それは、今まではあっしらに、確たる主と確たる目的が無かったからだと思います。


今日、あっしらはワカ様という仕えるべき主と、守るべき秩序を頂きました。


今までは、この力をどう奮っていいのか考えられなかったんですよ。


何が正しくて、何が間違っているか、教えてくれる指導者がいなかったんです。」



うん。すごい脳筋だね!


そういうことか。力のある集団だけども、それはなんとなく集まっているに過ぎない集団で、組織とは言えないもの。


確かに、あの場でのオーガンの采配は見事だったけど、きっと彼は現場監督タイプだ。


組織の方向性や、今後のことまで考えて全員を動かすっていう事を考えるタイプじゃない。



「ヌエ、ここを引き続き任せてもいいかな?」


「はい、ワカ様。最初にお任せいただいた時よりも今のほうがワクワクしておりますわ。


この若葉組をこの街の裏組織として最高のものに仕立てさせていただきますわ。」



ヌエがいい笑顔だ!



きっと彼らの色々な使い道を頭のなかで模索しているんだろうな。


これで若葉組が育ってくれたら、大人になっても色々役に立つと思うし。



ちなみに、マティ曰く、彼女?は昔から政略とか裏側を攻めるのが得意なんだそうだ。


この組織を手に入れることが決まった時から、そういう系の参謀タイプいないかなーって思っていて、彼に相談していたのだ。


マティとヌエは前の職場では上司と部下。


マティの直属だったんだけど、魔王様が代替わりされた時に、人員整理ってことで暇を出されたらしい。


マティの魔力を少し貰うことで、彼の持っている知識の共有が出来るらしく、


それを元にヌエの姿形をイメージしたことで、今回も間違いなく召喚することが出来たっていう種明かし。



やっぱり魔法って便利!




「それじゃあ、ここの仕事は当面は諜報関係の強化かな。


レイクタウンの奴らとは今回のことでしこりが出来たと思うし、きっと僕らの存在は遅からず他の街にも伝わるでしょ。


それに、僕ももっと色々な知識を持っておきたいし。」


「そうですね。バンバの魔力も僅かながら感じますが、いい波動ではありませんね。


これは後々何かアクションを起こしてくるでしょう。それに備えることに越したことはございません。


あとは、定期的に街の中を見まわるようにさせましょう。


目的としては、ワカ様のお住いになられる街の警備が一つ。


今回のような外の人間が入り込んで無法を犯すことを未然に防ぐことも一つ。


それと最後は、私達の存在を暗に知らしめることも一つかと。」



知らしめる?


ああ、このシマは俺らのもんですよー


他の奴らが勝手にのさばっちゃダメですよってことかな。


まあ、表の領主様は父上だし、裏から俺が締めても問題ないよね。


うん、問題ない。



「さて、次の課題はそこの3バカか。」


唐突に声をかけたら簀巻の尺取り虫がビクンと跳ね上がった。


なにこれ面白い。


「うむ。ワカ。この3匹が使えるというのはどういうことだ。」


「イヤ何、あの抗争の時にさ、バンバのおっさんは彼我の力量を分かって無いようだったけど、


 こいつら3匹は僕の威圧だけで、あいつに戦闘の回避を促したんだよ。


 そういう危機察知能力って大事でしょ?だから、こいつらは使い道があるかなと思って持って帰ってきたの。」


「ふむ。それは最もだ。おい、そやつらの口枷を解いてやれ。話がしたい。」




「ぶはっ。こここ今回の手前どもの無作法は、、、ああああの、いくら謝罪してもしきれません!


 でっででですが、その、あの、この、お坊ちゃん方の強さには感服致しました。


 もし、、もし、ご容赦いただけるのであれば、我々3人もその、こちらの傘下に加えていただきたい!」


「でもー、そんなに簡単にあちらを裏切れるものなのかしらー?」


ヌエの猫目が光る。


美人の睨みつけるは怖いねー


「ひっ。はい。あの、我等が知りうる限りの情報と、信じて頂くまでの下働きということでは、、イカガデショウカ。。」



最後はなんで片言かなと思ったら、


拳だったかな、しゃべっていた男にヌエがイタズラしてた。


おおう、リアルなBL。え、どこをイタズラしてたって?そんな、言えんがな。


でも、拳もイケメン何だよね。なんていうか、優男なドジっ子タイプ?電車に乗った仮面ライ◯ーみたいな感じ。


俺はノーマルだけど、この見た目なら嫌悪感は無いね。


マティは「また始まった」みたいな顔してる。これも一つの懐柔策なのかな?違うか。



「うん、分かった。ヌエ、こいつらの処遇と配置は任せる。


 街の警戒配備は一応解いたんだよね?そしたら、順警戒態勢で3人組の見回りを開始。


 忍者?組はレイクタウン方面に集中して広域配備。情報の見落としが命取りになる。頼んだよ?」


「畏まりましたワカ様。あなた達、よろしくって?」


「「「「「「「へい、姉御!」」」」」」」



もう、姉御なのね。


みんなのノリがすこぶる良いな。



「ワカよ、金策の方はどうするのだ?」


「ああ、ごめんね。そっちは、警備会社でもやろうと思ってた。」


「けいびがいしゃとな?それは何を行うのだ?」



その後、俺のイメージするこの世界版の警備会社の構想を話した。


業務内容は、


1,要人警護。

2,お客様の希望の建物の警備


最初はこんなところだろう。


将来的には子供の送り迎えの付き添いサービスとかも表向きには始めたいなって思ってる。


でも、対象が子供なんて、この強面集団には任せられないし、信用も無いだろう。


それで、後は、裏向きには殺し以外の仕事も請け負おうと思ってる。


密書のやり取り、運び屋、情報屋。


運び屋稼業なんて、依頼者の関係先が分かっちゃうから、情報屋の副業でやるならプラスマイナスで痛し痒しだ。


これで得た情報は、うちの領内でまずいものがあればそれとなく父上の耳に入るようにすればいい。


うん、安泰だ。



「よし、方向性も決まった。お腹もすいたし変える、、、か。。。」


「どうしたワカ。急に青い顔をして。」


「おなか空いたんだよね、、今、何時、、かな?」


「ああ、4時だな。」


「あかん、、ルールーとっくに来てる。めっさ心配してると思う。」


「む!失念しておったわ。急いで帰るぞ。」






怒られフラグ!






「ワカちゃんどこに行ったのかしらねー


 街中がなんだがさっきまで物々しい雰囲気だったけど、関係有るのかしら。


 帰ってきたら、ゆ っ く り 教えてもらわなきゃね。ルールー。」


「ええ、エリス様。マティウリス殿にもしっかりと。」





ゾクゾクゾクと二人の背中に悪寒が走った。


とっとと帰ろう。帰りたくないけど。




ここまでお読み頂きましてありがとうございます。


三羽烏は3バカと呼ばれるようになってしまいました。

馬鹿ではないようですけどね。

ちなみに、

ジャンは紫の髪の目つきの若干きつい女性で

拳は青髪の優男。

ポ・ウンは背の低い猫じゃなくて、猫族の男です。


はい、あれをイメージしていただければ結構ですよ!


たこさんでした。

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