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かつて大天使ラファエルにピーされて変態になったのですかーっ(°д°)・・・男色の堕天使アザエル登場の巻

 ◆

だだっ広い部屋の中に俺はいた……いや、俺ともう一人と言う表現が正しい。

まず、最初にキミに伝えたい……助けてください(涙)――えっ、状況がわからないだって、そうだね、では意識を部屋にもどそう。

ポカ~ン……擬音なら間違いなく当てはまる、俺は人生の中でもそう、お目にかかれない体重計VS松子デラックスなみの絶体絶命のピンチを迎えている。

最近よく物理的なピンチになる事が多いが今回は、絶対封鎖済みのベットの下のエロ本が琴音に見つかってしまい、大切に机の上に積まれていたほどの精神的絶体絶命――いや、その手の事が好きな方はのぞいてだが……


「どうしましたか、リリン様」


可愛い……かっこ良いかな、腰まである紅桜のような光沢のある髪を後ろで束ねた、右目が金色、左目がエメラルド色の美少年が屈託のない笑みを浮かべてひょこっと覗き込んでくる。

その艶やかな髪の光沢……愛する琴音といい勝負だな。

まぁ、男には興味はないが男性版、顔面偏差値で言うと百二十はいくな――BL同人誌に出てきそうなレベルだなと考えている事は心の闇に隠しておこう。


「俺……男なのですけど……」


リリスと名乗っていた、母親を名乗る超絶綺麗なおねー様に『リリン❤お洋服着替えましょうね❤』と促されて来た部屋……どう見ても女性物のハイレグ&きわ物系な下着♪だらけではないか!!纏えるかボケ!!などと心で叫ぶ。


「これなどはいかがですか?」と美少年様はお手にとって俺に漆黒のオ―パック風パンティーを進めてくる。


確かに、琴音などが着てくれたら俺はノアの大洪水なみの鼻血で世界を覆い尽くすかもしれない……こらこら俺とした事が冷静に受け答えなければ……と言うかこの人誰だろう?


「ところでキミはどちらさま……」


一応……作り笑い……もう、手なれたものさぁ――微笑んで聞いてみたら、美少年は顔中真っ赤にして照れている。


「さ、さすがはリリス様のご子息……私すら誘惑それるのですか……」


ぼぉ―と上気が上がる音がしたような……少年よ、大丈夫か……



「おほん、私はアザゼル。リリン様のお目付け役を仰せつかりました。どうか、私の事はお気になさらずに。夜はベットで抱いてください」


お尻の辺りが丸くあいた女性下着を一度置き、軽く、咳払いをしていかにも私出来る人ですよ(あっ、人じゃなさそう……)みたいな雰囲気が醸し出されている――抱いてください?は軽く流しておこう☆

アザエル……?……はて、聞いた事があるような。

あっ!アザエル――って確か、村の図書館でアイス食べながら琴音と一緒に読んだ本に出てたなぁ……おおっ、大天使ラファエルにSМプレーされて荒野の穴に閉じ込められて石で塞がれたって書いてあったような……よし。


「アザゼル君、もしかしてSМプレー好き」


俺は勇気を出して聞いてみた……何故、そんなにひややかな目を……アザゼルの反応が薄い、薄口醤油の色は薄いが塩分は強いのだぞ、アザゼル、修行がたらん、これはジャイアンリサイタルの刑なみに罪深い。

あっ、アザゼルの眉がぴくぴくしている……


「もしかして、私が太古の昔に閉じ込められていた話をされているのですか?」


――わかっているではないですか♪


胸の前で両腕を組み、困った面持ちを浮かべているが柔和で穏やかな雰囲気は保っている。

おおっ、紳士的な口調だ、そうそう、それが言いたかったのだよワトソン君。


「そんな私などの過去より、どうか、今はお着替えください、着替えていただかないと私がリリス様からお叱りを頂戴いたします」


と俺の両肩を掴んで懇願にも似た瞳ビームを俺に打ち込んでくる、ミュウもこのぐらい優しいビームなら、俺、怪我しないのになぁ。

まぁ、ここは本音を言おう。


「男性物の下着ないの」

「はい!」


おおっ、即答でキレの良い返事……だと感心している場合ではないぞ。


「絶対に着替えないといけない?」

「リリン様、いい加減に諦めてください」


アザエルの端正な顔立ちが少し困惑ぎみの舵がきられている。


「では、アザエル君、キミと同じ下着をはくよ」


この切りかえしならどうだ!我ながらグッドアイデア、アザエルとは男同士……これなら、このピンチ、乗り越えられる!と脳内のシナプス達が両手をあげて万歳三唱するよりも早く、アザエルは豪奢なフリルのついたピンクの紐パンを俺に渡してきた。


「感激です、私はピンクのフリル付き紐パンが好きなのです、ああっ脱がされる、その瞬間……禁断の果実が……申し訳ございません、少し妄想に入ってしまいました、リリン様とは趣味が合いそうですね」


キラリン☆アザエルの瞳が輝きを増す。

本日一番のご機嫌なオーラを発したアザエルが手にとった、紐パン……目の前の光景に俺は茫然としてしまう。


「お着替えはお任せください……その……男性を脱がすのは得意ですし、リリン様を脱がしてみたいです」


キラリン☆とアザエルの瞳が更に神々しく輝く……今、脱がすのが得意って……ひぃぃぃぃ、もしかして本物のBLでは!しかもターゲットロックオン的に俺!

ドドドッ!と心のギアを入れ替え壁際まで見事な健脚で全力後退、しかし、退路は断たれたぁぁぁぁぁ――わぁぁぁ、前門の虎、肛門の浣腸状態ではないか、アザエル君、好奇に満ちた口から黒い吐息がモアァァとふき出ていますが気のせいですかぁ。


「久しぶりです、可愛らしい男の子に触れられるのは、あっ、心配しないでください、私は女性には興味がないので」


『ひぃぃぃ――』夏にマイ・プリティー・天使・琴音と食べる、わらびもちのように涼やかな面持ち、凛子とした物腰でにじり寄ってくるアザエル。

ああっ、私のマイ・ラブリー・天使・琴音ぇぇぇ、たすけてぇぇぇ――と心で絶叫する。


「今、天使に助けを求めませんでしたか?無駄ですよ、元天使の私が言うのもおかしいですが、今、天使達は忙しいみたいですよ、戦争の真っ最中なので」


心が読めるのか!なら、さっきまでの心の叫びももしや!お・み・と・う・し☆――無邪気な笑みが怖い……俺はゴクリと咽を鳴らした。

 


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