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歩き出した、夏。
春の、荒れた風を、
抑えきって私はやっと夏を迎えた。
自分のことしか見えていなかった。
それはまだ変わらないのかもしれない。
きっと、まだ変わっていない。
だから変わろう。
そう決めた夏。
一歩、一歩と、歩き出そうと。
試練とは、越えるためのものだ。
困難とは、立ち向かうためのものだ。
自分とは、向き合うためのものだ。
相手とは、思いやるものだ。
そんな、曖昧な感覚で。
私はやっと、夏を迎えて
夏の日差しも、少しは好きになれた。
そして、花のまま迎えた夏で、
私は後悔することはなかった。
たくさんの、花束を作ることが出来た。
だからこそ、秋に向かって。
歩き出したいと、思える夏になっている。
未来はわからない。
だからこそ、この夏を今、私は生きている。
物語はまだ、序盤に過ぎない。
続くんだ、コトノハは。
その先へ。
ずっと、ずっと。