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想い出-memoly- ...Winter / 冬。
1人になって、寒さに凍え。
そっと、冷えた手を何度も見つめて。
願うのは、自分の手を温めることより。
誰か、その人の手を暖めること。
叶うはずもないけれど。
願ってみて、また想いを綴るだけの日々。
壊したい。
そんな想いを綴って、私は。
何度も溜息をついて、私は。
想い出を見つけて、私は。
私は…自分のことしか見えていなかった。
と、笑っても、涙しか出なかった冬。
いっそ、この涙も凍らないかな。
なんて、考えては綴って、紡いで。
そんな繰り返しで。
…私は、唐突な、報せに。
凍った心が溶け出して。
もう、こんな悪あがきはやめよう。
なんて、決めて。
歩き出す、そんな冬になった。
そして、私は転んで。
けれど、確かに立ち上がれた。
冬だった。