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言葉、風、花。そっと、夢見心地。
雨降れば、土濡れて。
土濡れて、花が咲き。
花咲いて、枯れゆく。
種は風に乗り、次の春へ。
風は何処から吹くのだろう。
風に乗って、種は何処へゆくだろう。
何色の花が咲くだろう。
たった一つだけでも、咲くだろう。
芽吹き、咲いて、枯れて。
歌を唄おう。
たった一つの、願いを詰めた。
言葉を紡ごう。
たった一つの、想いを込めた。
風を起こそう。
たった一つの、心を乗せた。
花を咲かせよう。
たった一つの、想い出を与えた。
そして僕はそっと、本を閉じた。
目を閉じて、夢を見れますように。
そんなふうに、そんな風に。
なりたかったから。