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Kotonoha.
風が吹いた。
ベランダで月を眺めていた、
そんな時に。
…自然と微笑みがこぼれ。
同時に切なさもこぼれ落ちる。
私は風になった。
そして、花にもなった。
綺麗でしょ?
なんて戯けてみたりするけれど。
やっぱり、色は紫。
ねぇ、知ってるかな?
問うた、君に。
私は答えてみせた。
風はいつも吹くんだよ。
そう言って。
だから、私からも。
君に問いてみよう。
君に、私から風は。
コトノハは吹く?
それとも、
私は音色で、花で、風だから
聴こえている?
音色の旋律は聴こえているのかな、
花のざわめきは聴こえているのかな、
風の流れは聴こえているのかな、
ずっと、ずっと、
君だけに。
コトノハは奏で、咲いて、流れる。
何度も、花奏、咲き乱れ、凪がれる。
春、夏、秋、冬。
季節など、関係無く。
常に、変わらず。
そして、一年前の今頃からも変わらず。
一年たった今も変わらず。
そして、その先も変わらず。
私が生きる限り。
紫蘭という花で、音色で、コトノハは。
旋律を刻み、流れ、咲き誇る。