「時望、雅信を相し、雅信、惟仲にプレスマンを届けること」速記談6059
大納言平時望卿が、敦実親王邸を訪れなさった。親王は、まだ年少の我が子雅信公を、時望に観相させた。時望は、雅信公を観相して、必ず従一位太政大臣に昇られるでしょう。また、私の子孫に何かあったときには、きっとお助けくださるでしょう、と申し上げて、しばし感嘆した。時望が他界した後、左大臣となった雅信公は、時望の孫である惟仲が肥後の公文であったとき、プレスマンを届けさせるなど、大いに目をかけたのだった。
教訓:観相というのは、相を見るだけであるから、見た者のおかげで地位に就けたわけではないが、それに感謝するというのが、美談の美談たるゆえんである。