水曜日 - カウント『2』
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今日は遠征前最後の練習試合。
応援席には相変わらず笹野が朝早くからいる。
ストレッチをしていると、笹野が下まで降りてきた。
「遼太くん、おはよう〜」
元気な声に、今日も頑張ろう、と少し気合いが入る。
「ああ、笹野おはよう」
「今日の相手、結構強いところだね〜」
「だな」
いつも通り、調べてきたみたいだ。
「エースだけじゃなく、全体的にバランスがいい。それでいて、協力プレーが多い。うちの学校が苦手なタイプのチームだ。今回が初めての対戦だよね」
「細かいな。いつもサンキュー」
「いやいやそんな!結斗様にみなみが教えてくれたって言っておいてね!」
「わかってる」
あまりの顔に苦笑い。
「あれ、笹野じゃん」
タイミングが悪いことに、結斗が来たみたいだ。
「ゆ、ゆゆゆゆ結斗くん。お、おはよう」
おいおい動揺しすぎだろ、と心の中でツッコみながら
「今日も応援来てくれたって」
とフォローする。
「いつもありがとうな!遼太、あとで情報よろ」
「ん」
「ゆ、結斗さm...あ、くん」
様がでかけてる。大丈夫か。
「うん?うん。」
気づくな、と思ったが無駄だったので、なかったことにしてやれ、と視線をおくる。
メッセージの意図は伝わたようで、小さく結斗は頷いた。
「こ、これ、よかったら...」
だんだん声が小さくなる笹野を対照に、にこにことしている結斗。
こいつは女子をからかうのが好きなんだ。耐えろ、笹野。
最近、この二人が話しているのを見ていると、意外とお似合いなことに気づいた。
普段の仕返しに、今度結斗をからかってみようか?そんなことを考えながら二人の会話に耳を澄ます。
笹野が渡したのは、先週の金曜日に買ったスポーツタオル。
「プレゼント、どんなものが喜ぶと思う?」なんて急に聞いてくるもんだから、あのときは驚いた。
「どうした急に」
「...だから!」
それくらい察しろ、という顔。
結局、遠征前に結斗になにか渡したいが、どんなものがいいかわからないから、アドバイスがほしい、ということで、部活もなかったし、その日の帰りに奏との約束を断って買い物に行った。得筆することはあまりない。強いて言えば、めちゃくちゃ感謝されたことと、お礼として謎の置物を買ってもらったことくらい。後ほど、なぜか奏に問い詰められたけど、「家の用事」と適当に言っておいた。
ただ、いまはこのことはどうでもいい。
「ありがとう」
満面の笑み。笹野視点なら、心臓がバックバクなんだろうなあ。
しかも、美化されてるから余計に。
「そ、それじゃあ、がんばってね!」
と言い残すと、応援席へと小走りで戻っていった。
「早くアップしようぜ」
「ああ」
「あ、情報は蹴りながらよろしく!」
「は!?ちょっ待てってば!」
「早くしろ〜」
「あーもう!」
なんでこいつはこんなにムカつくんだ!
――練習後。
「二人とも相変わらず早いな...俺なんてまだ眠いのに...」
「しっかりしろよ卓〜」
こいつはキーパーの宮沢卓。うちのチームのThe縁の下の力持ち。
サッカーは、しっかり守っていてくれるからこそ、安心して攻撃に集中できる。
「おはよう〜」
「お、奏おは!」
と結斗。
「おはよう」
と俺も続くと、
「あれ?結斗タオル変えたの?」
「ああ、笹野にもらった」
「またあの子か」
「ん?」
「いや、なんでもない」
――その日の試合は、1対0でうちの学校が勝利をおさめた。
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少し色々ありまして、更新が遅れてしまいました。
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