気持ち - side 奏
カタオモイ、？
中学生になってから、笹野みなみ、という女子が遼太と話すようになった。
私は小さい頃から遼太のことが好きだった。
自分の気持ちに気づいたのは小学４年生のとき。
周りでカップルやらなんやら。学校全体で恋愛ブームが来ていた。
あの子はあいつが好き、と言い出す情報屋気取りの男子。
あの子とあの子は両思いだからぶち壊せ、というリア充撲滅委員会の女子もいた。
はじめは興味がなく、なんかはやってるなぐらいにしか思っていなかった。
ある日、友達に「奏は好きな人いるの？」と聞かれて気づいた。
「ああ、私は遼太のことが好きなんだ」と。
絶対に忘れられないのは、中学１年生のあの日の帰りのこと。
「笹野さんと仲いいんだね」
「ああ、笹野は結斗のガチファンだから」
「だから？」
「練習試合のこととか、色々聞いてくる」
「色々って何よ」
「普通に時間とか相手校のこととか」
「なんでそんなこと、」
「あいつ、相手校のことみっちり調べてくるんだよ。おかげでメンバーも助かってる」
「なに、それ、私がマネージャーなんだけど、」
「んあ？悔しいなら奏もなんかすればいいじゃん」
「そりゃあするけど、というか、そのキーホルダーって、」
「これ？笹野がどうしても結斗にプレゼント渡したくて、ペアキーホルダーだったら緊張しないかもっていうから俺が協力してやったの。まあでも、意外と気に入ってるんだけどな」
彼が「意外と気に入ってるんだけどな」と言った時、私は猛烈な嫉妬を感じた。その顔に、見たことのない彼の笑顔があったから。私の方が、長く一緒にいるのに。
いまでも彼は笹野を慕っているみたいだ。
私は思う。笹野みなみは本当は遼太のことが好きなのではないか、と。だとしたら、私からしたら敵でしかないのだ。遼太は鈍感だから、きっと私の想いには気づいていない。もし、このまま彼が笹野みなみに取られてしまったら。嫉妬でおかしくなってしまいそうだ。遼太には、私の気持ちは重いのだろうか。もう、どうしたいのか、自分でも分からなくなってしまった。恋って本当に人を変えてしまうんだな。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます！
更新が遅れてしまい、申し訳ございませんでした。今回もかなり頑張りました。
もし皆さんだったら、奏の気持ちは重いですか？ご意見待ってます！
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