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余命
『あーあー聞こえる?』
『うん、聞こえてるよー』
『今日なにする?』
『とりまクエスト消化しよ』
『おけ』
『んじゃあ、デュオやるかー』
努とゲームしているこの瞬間は現実を忘れるくらい楽しい。
でも、楽しい時間程早く過ぎていくもので、気づけば11時になっていた。
『そろそろ昼飯だから切るわ』
『もうこんな時間か。じゃあまた明日』
『んー』
努が退出した。
そのことを認知した瞬間、視界が現実に引き戻される。
ふと、窓から見えた小さな子供連れの家族の頭の上に3つの数字が並ぶ。
5471、25472、21923。
生まれた頃からずっと見えている、この数字はその人の余命(日単位)だ。
そのせいか、ぱっと視界に入ってきた数を大体何年くらいか即座に計算するような脳が出来上がってしまった。現実なんて知りたくないのに。知れば知るほど、苦しくなるのに。
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