プロローグ
妖怪や悪魔が出るベタな物語が作りたくて書きました。
取り敢えず、序章をどうぞ。
悪魔。
それは神と対立する邪悪の権化。
主にキリスト教との宗教戦争に負けて堕落し、歪んでしまった神の事。
その歴史はとても古く、黒ミサ、サバト、悪魔崇拝等の様々な形で人々の心に影響を与え続けてきた。
中世ヨーロッパの時代には、己の欲を満たさんが為に悪魔と契約を結び、魔女や魔術師になった者も居たと伝えられている。
十六世紀に実在した謎の人物、ヨハン・ファウスト博士が悪魔メフィストフェレスと契約をして己の欲望を叶えさせていたという伝説は有名である。
悪魔と契約をすれば強大な力が手に入り、望みを叶える事が出来る。
契約の代償は大きく、最後には凄惨な死を迎える事になるのだとしても、人々は神の愛の鞭よりも、欲望に塗れた悪魔の甘い蜜を求めた。
純白よりも灰色を。
灰色よりも漆黒を。
悪魔はこうして神に負けない絶対的な存在を獲得した。
そして、後に人は考える。
悪魔を契約無しで仕えさせる方法は無いのかと。
悪魔を支配する方法は無いのかと。
その底知れぬ欲深さ故に。
読んで下さった方、ありがとうございます。
まだ序章なので、登場人物は誰も出てません。
次にはしっかり出すつもりですので、よろしくお願いします。