エンドロール
『呪文』を唱える→『魔力』が減る→『魔法』が起きる。
ではなく、『呪文』を唱える→『魔力』が減る→『不思議な事』が起きる→その一連全てを『魔法』と呼ぶ。
でもなく、『呪文』を唱える→『魔力』が減る→『魔法』が目覚める→『因果』と成って現れる。という考え方。
しかし世間では『因果』そのものを、又はそれらをまとめ『魔法』と呼んでいるらしく、その方が分かりやすいし、そうとしか考えられない。
かく言う母も、『ややこしいから今まで通り『魔法』は『魔法』という認識でいいわ――』と言っており、益々理解に苦しんだ。
そう、その時の私には何が違うのか、その言葉の意味も母の説明も解らず、今まで通りの認識でしか『魔法』を捉えられていなかった。
元服を迎えるまでは――。
元服祝いのその日、魔女に成る為の儀式を執り行い、私は魔法を継承する事となった。
しかしそれは、私にとって最悪のものとなった。
儀式について何も教えてもらっていなかった私は、魔法なのだから、きっと何か魔術的なものを想像していたが、それは違った。
魔術的とかそういう事より、それ以前に儀式ですらなかった――。
母は私に魔法を託す為、自らの命を絶ったのだ。
断末魔。母の走馬灯が断片的に私へ流れ込み、それを垣間見た。
幼少期の母は、今の私と同じく、貧しく差別に苦しんでいた。
母の場合、その原因の一つが魔女であるからで、彼女は生まれながら魔女だったらしい。
それから彼女は自身が魔女である事を隠し生きていた。魔女を、魔法を恨みながら。
――母からは、自分が魔女である事を他人には知られてはいけないと教えられていた。
魔女と知られると『魔法』狩りに遭うから、と。
魔法狩りが本当に有るかは分からないが、私が魔女である事は更なる差別を生むだけで、それは知られてはならない事と教えられた。
母の生涯。その一片を見せられ、苦しみから解放された所為だろうか、母の死顔は笑っている様に見えた。
――それは一瞬の出来事であったが、確かに私の中に流れて来て、そして私は『魔女』と成った。
それ以来私の過去の記憶は曖昧な事が多く、自分の名前を呼ばれる事にさえ違和感を覚えていた。
『AKIKO』。――私はそう呼ばれている。