その六
瑞葉達は町を南に出た所にある森を散歩していた。青空の下を話しながら歩いていると大きな泉が見えてくる。泉の麓には5歳くらいの女の子と男の子が遊んでいる。
「見かけない子かな」
瑞葉にはとりあえず覚えがない。
「三編みのツインテール、かわいい」
結菜は女の子の髪型を見て微笑む。
「探検でもしてたのかな」
承芽は泉を眺める二人の目的が気になる。
「何かを見つけたみたいだよ」
生実は突然、泉の麓を見下ろした女の子に気づく。
女の子は泉の浅い所にに手を伸ばすと、泉の中から何かを手に取った。
「あれ? 山猫屋にある青い光石にそっくり」
瑞葉は直ぐに思い出す。
「何かを探していた訳ではなくて、偶々見つけたみたいだね」
承芽は不思議そうに光石を見つめる二人にそう思った。
二人は晴山に向かって歩いていく。
「なんだ、晴山の子か」
瑞葉は予想とは違う方向に驚く。
四人も帰ることにした。
「意外とその辺に転がってる?なのかな。確かに水辺なら有りそうだよね」
承芽は青い光石の在処が気になる。
「流石に自然に転がってることがあるとしたら、かなり限られた土地柄になるはずだよ。しかも、元から完全な丸い光石だとしたらかなり珍しいし」
四人は山猫屋に寄ることにした。店に着くと、さっきの二人もいた。
「お母さん、下の泉で見つけた」
「どれどれ」
母親らし人物は店員の使う椅子に座っている。
「あれ? 静葉さんじゃない」
瑞葉は不思議に思う。
母親は光石を手に取ると、引き出しから大きな虫眼鏡を取り出して、じっくり見つめる。
「静葉、これは天然の光石だね」
母親は嬉しそう。
「あの子の名前も静葉なんだね」
瑞葉は驚く。
「勇人、ほらね、天然だったでしょ?」
静葉は勇人に自慢げに言った。
「ふふ、勇人だって」
瑞葉はまた驚く。
「つまり、子供の頃の静葉さんと勇人さんだね」
結菜は間違いないと断定する。
「そっかぁ……」
瑞葉は嬉しそう。
「直径5センチ」
母親は定規で測る。
「5センチなのも同じか」
生実は山猫屋にあった青い光石と同じ大きさと気づく。
「ということは、あれが山猫屋の青い光石ってことになるね」
承芽が言う。
二人は駄菓子を取って隣の休憩室に入って行くと、四人も駄菓子を買ってついて行く。
「ねえねえ、その光石、見せてくれる?」
瑞葉は勇人に頼み込む。
「ええ? でも、偽物とすり替えないかなぁ……」
「し、しないよ……」
疑われる瑞葉。
「うーん……あっ」
静葉が光石を取って差し出してくる。
「いいじゃない、はい、どうぞ」
「ありがとう」
瑞葉は光石をよーく見てみる。
「なるほど、はっきり覚えてないけど、確かにこんな感じかな」
瑞葉は結菜に光石を渡すと、承芽と生実も観察してみる。
「ちなみに、お姉さんの名前は?」
勇人が聞いてくる。
「ええ? ……瑞葉だよ」
「なんか似てるな。そういえば、顔もなんか似てるな」
勇人はそう言って静葉を見る。
「そう?」
不思議そうな静葉。
「それじゃあ、またね」
瑞葉が言うと、四人は出ていった。
「なんだったんだ? 偽物じゃないだろうな……」
「そんなことしてないって」
静葉は疑い深い勇人をなだめた。
勇人と書いてイサトと言う。




