その三
五月二十四日木曜日。瑞葉が出展する絵を描いている間、残された三人は瑞葉室で話でする。
「今日のお題は、『題名から膨らまそう』」結菜
「とりあえず、漢字四文字から考えてみるか」承芽
設定を考え始めた。
「じゃあ、私から。「収集人間」」結菜
「とにかく集めていたい」生実
「ある程度集めたところで納得して、集める対象が次々と変わっていく」結菜
「そもそも、全てを集めることは、現実ではほぼ不可能だし」承芽
「ゲームなら可能」結菜
「レアじゃないカードなのに、持ってないと尊くなる」生実
「なぜかいつまでも出ない平凡なカードが出た時の喜びを、誰も理解してくれないでいる主人公」結菜
「押し入れを整理していたら、そのカードを見つけて懐かしむ」承芽
「主人公、何歳? そんな最終回なのね?」生実
「次ね。空地人間」承芽
「空地でぼけっとしてたらさ、空地の神を名乗る猫の被り物少女が現れ、空地を守れと告げられる」結菜
「空地は市が所有するものだから、多分大丈夫と返答する」生実
「一応、盛り上げろと言われ、去っていく少女」結菜
「とりあえず、歌ってみることにした」生実
「おーれーは空地のー守り人ー」承芽
「数十年が経ち、仲良くなった者以外は誰も近寄らなくなったが、結果として空地が守られたことに満足するのだった」結菜
「え、四十歳? 仲良くなった者がきになるな」生実
「じゃあ、転生人間」生実
「ただし、現実」結菜
「謎の少女が現れ、人手不足の職場に使わされる」承芽
「同じ境遇の者に出くわしたり」生実
「なんか楽しそう」承芽
「そういえば、四文字の後に名前があればいいんだけど」承芽
戻ってきた瑞葉に考えてもらう。
「うーん。」
「収集人間がアツト、空地人間がアキト、転生人間がイクトで」
「さりげなく名前を混ぜる題名にありそう」結菜




