その七
五月二十一日月曜日。四人は瑞葉の家に集まり、昨日見た夢の影響で昔の戦艦シューティング、光のイクサブネを始めた。
「久しぶりにやるかな」承芽
幻のイクサブネは縦スクロールで、自動で前進し、左右で旋回し、ボタンをもう一度押すと左右が元に戻る。1ボタンを押しながら左右を押すと、主砲の方向を動かせる。上下で主砲と副砲の威力を変えられる。上を押すと主砲の威力が上がるが、副砲の威力が下がり、最大まで上げると副砲は発砲されなくなる。逆に下を押すと副砲の威力が上がり、主砲は発砲しなくなる。主砲は最大値で1ボタンを押すと溜め状態になり、強力なレーザーを放つ。2ボタンを押すと発砲はできない代わりに、方向転換なしで高速移動ができる。動力源である幻の光で、火力や機動力が賄われているため、動力源の分配によって威力などが変わる。
「動きはちょっと遅いけど、そこがまたいいんだよね」承芽
「スピードが初期状態のままってことだね」生実
承芽がゲームを始める。最初は細いレーザーだが、時折現れるパーツで強化していく。主砲と副砲のパーツが同時に現れ、承芽は主砲のパーツを取ると副砲のパーツは消えていく。
戦艦には誰もおらず、宇宙から進軍してきた謎の生命体の本拠地を制圧したはずの一人の思念体が、気づいたら戦艦と一体化していた。仲間達が搭乗していた戦艦のパーツを流れ着くと、瞬時にパーツを換装しながら一人旅は続く。
「さて、黒の幻はどうしようか」承芽
「倒すんでしょ?」
「じゃあ、攻撃してみるか」承芽
承芽がレーザーを放つと、黒の幻は消え、最初のステージに戻った。
「まあ、昔のだし……」瑞葉
再び黒の幻を前に、承芽は尋ねる。
「なにもしない……とか?」瑞葉
「こうするの」承芽
承芽は戦艦を黒の幻に突っ込ませる。
思念体は元の姿に戻り、基地に着陸した。
「知らなかった……」




