その四
瑞葉の精神力を鍛えるのに良い方法はないかと、ひとまず商店街を歩いていくと、承芽は商店街の端に設置された掲示板の告知に気付く。
「そういえば、今日は晴山運動会だったか」
「晴山運動会? あぁ、町内運動会のことね」生実
「とりあえず行ってみよう」承芽
晴山小学校の校庭に着くと、二人三脚リレーが行われている。最後の走者がゴールしたところで女性のナウンスが響く。
「四位、四丁目。三位、一丁目。二位、二丁目、一位、三丁目です。えー、ここで昼食休憩に入ります。弁当も用意してありますので、ご参加されていない方もご一緒にぜひお召し上がりください」
「おお、ちょうどお腹が空いてたところ」承芽
四人は弁当とお茶を貰って、高台にあるベンチで食べ始めた。
「ちなみに、この、ベンチは私が寄贈した物ね」生実
「もちろん知ってるよ」承芽
「二丁目は四位かぁ」瑞葉
午後一時、運動会が再開し、玉入れ競争が始まる。ちょうど女子中学一年生枠が足らなかったため、四人も二丁目の加勢に入る。
そんな中、瑞葉の投げる玉がほとんど籠に入っていく。
「凄い瑞葉」結菜
「え?」
制限時間になり、集計に入る。
「多分、瑞葉が一番入ったんじゃない?」承芽
「そうだったっけ?」
「四位、三丁目。三位三丁目、二位、四丁目、一位、二丁目です」
続いて玉転がし。やはり女子中学一年生枠が足らず、四人が参加することになった。四人足らなくて、二人一組で一直線に転がして、次の番に渡していく。瑞葉と結菜が承芽と生実に渡し、その間に二位の四丁目に差をつけていく。終盤で差が縮まるも、僅かな差で二丁目が一位。
続いてピンポン玉リレー。四人の驚異的な活躍で二丁目が一位。
最後は、全員参加によるリレー。人数を調整して出場する選手が決まると列を作るが、四人の活躍ぶりを称えて四人が最後を走ることに。
リレーだけは毎年強い二丁目が中盤から先頭を走り、小六の女子が瑞葉にバトルを渡し、一周して結菜、生実、承芽と渡り、承芽が一位でゴール。
「瑞葉、どうだった?」結菜
「もう、かなり吹っ切れた」
瑞葉は心が解き放たれた。まあ、あまり考え込まないで、好き勝手に楽しもうと誓った。
「考えてると判断が鈍くなるからね」承芽
「迷わず直感で行こう」生実
「とりあえず腹減った」瑞葉
コンビニに寄り、瑞葉はコロッケパン、結菜はポテサラパン、承芽は焼そばパン、生実はフルーツパンを食べる。
「一応、学校帰りだから買い食いかな?」承芽
「学校帰りじゃなくても買い食いといえば買い食いになるんじゃない?」生実
「なぜ買い食いが美味いかというと、一番お腹が空いてる時間だからかな?」
「家に帰ってからじゃ遅いんだよね、どちらかというと眠くなるし」承芽
「コーヒーを作る気も起きないとなると、お店でコーヒーを飲みたくなるのも納得」結菜
「人が淹れてくれたコーヒーが一番美味しいよね」瑞葉
「全自動の更に上をいくよね」生実
「ボタンすら押してないし」承芽




