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その二

 五月十九日土曜日、朝九時。瑞葉は明日の大会に備えて練習をしたいところだが、気晴らしに散歩に出る。森を抜けて山猫屋に着いた。

「ちょっとやってみるか」

 瑞葉は二階に上がり、アマネシホシの筐体に座る。あやめを選びCPUと対戦する。順調に進めて最後はネルスを倒してクリアーすると、またあやめで始める。するとヒミトが乱入してくる。瑞葉はそっと反対側の筐体を覗く。

「静葉さん!」

「明日は大会なんでしょ? 練習相手になってあげようと思って……」

「うわー、ありがとう」

 静葉はヒミトだけでなく、色んなキャラで対戦してくる。

「ぜんぜん勝てないや。まあ、静葉さんが相手だからしょうがないか……。ちょっと休憩ね」

 瑞葉は外のテーブルに着いて、静葉と瓶のコーヒー牛乳を飲む。

「そういえば、格闘ゲームが流行り始めた頃も、こうやって勇人と練習してたなぁ」

「そっかぁ、静葉さんも勇人さんと練習してたんだぁ」

 目を輝かせる瑞葉。

「先に戻ってるね!」

 瑞葉は二階の筐体に向かっていった。


 奥の筐体に座り、あやめを選んで開始する。順調に進めていくと乱入。

「おっ、静葉さん来たな?」

 相手は海の民オルソを選ぶと、開始早々から水の遠距離攻撃を連発してくる。

「静葉……?」

 瑞葉は静葉らしからぬ雑な攻撃を防ぎ、隙を見て反撃し。最後は聖の輝きを放ち青白い光弾がオルソを直撃して瑞葉の一勝ち。二戦目も瑞葉が軽々と攻めていき、最後は聖の輝きで突進し、オルソを直撃して瑞葉が勝った。

「いやー、参った」

 反対側の筐体を見る。

「なんだ勇人さんかぁ、道理でおかしいと思った」

「まあ、ちょっと肩慣らしってやつね、もう一回勝負」

 オルソの動きはかなり改善され、ちょっと前の瑞葉なら苦戦するところだが、最近になって急激に上手くなった瑞葉には敵ではなかった。

「あらら……、かなり上手くなったんじゃない?」

「まあね」

 瑞葉の勝ち。

「ふふ、勇人はもう敵ではないかな?」

「静葉か。そうなんだよ」

「どれどれ、瑞葉、交代ね」

 静葉はヒミトを選ぶ。

 対戦が始まると、風と水のぶつかり合いが繰り広げられていく。勇人は遠距離攻撃を上手く活かし、静葉に引けを取らない闘いを見せるが徐々にに押されていき、静葉が一勝する。二戦も同じ展開になり、静葉が勝った。

「ほんと、容赦しないもんなぁ……」

 勇人は静葉と交代して練習を再開した。

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