その三
瑞葉達は散歩に出かけると、町で一番広い晴山東公園に着いた。
「なんかの撮影してるよ」生実
「まさか、とこなっつじゃない!?」承芽
「ということは、とことことこなっつの撮影!?」瑞葉
お笑い芸人の二人と局アナの女性が人だかりと話してると、近くの舞台に上がって漫才を始めた。
「めちゃくちゃ人がいるよね」
「うん」
「なんか果物に見えてこない」
「て、葡萄かよ」
「ね」
「ね、じゃねーよ。猫も来ちゃったし」
「最近の赤白歌祭って、中継とか多くない?」
「確かに」
「大御所が特別に出演してくれた感があるよね」
「確かに、バンドに多い印象がある」
「バンドってさ、みんなでワイワイやるの苦手そうだよね」
「まあ、確かに」
「そのうち、ほとんど中継や録画ばっかになるんじゃない?」
「まさかね。そうなるとしたら、いちいち間があって観客は暇そうだね」
「スタッフロールの最後に表示されると特別感があるよね」
「確かに」
「アニメもさ、特別扱いの役者は間隔を空けたり、声優とは別に表記されたりするじゃん?」
「確かに、テレビタレントが出演するとよくあるね」
「でもさ、大御所の声優が出演しても、間隔を空けがちだよね」
「確かに最近多いかも」
「大御所ばっかり出演したら、いちいち間隔を空けるんじゃない?」
「もう、みんな同じなんだから、普通に並べちゃえばいいじゃん」
「年取ると、言い方がおかしくなるよね」
「例えば?」
「昨日のアクセントが最初になる人いるじゃん?」
「いるいる、ラジオに多い」
「レゲエのアクセントも最初になってたよ」
「無料のアクセントも最初だった」
「昨日、レゲエ、無料ってなっちゃうね」
「不器用すぎだろ。あと、なんで片言なんだよ」
「でもほら、子供にウケてるよ」
「真似してたら、そのうち癖になるから駄目でしょ」
撮影班は歩いて去っていった。




