その六
五月十三日日曜日、晴沢中学校緑祭の日。四人は本を詰めた手提げ袋を持って体育館に向かう。自分達の席に着き、本を並べ終えたところで、緑祭開催のアナウンスが響いた。
自分達で作った格闘アマネシホシ百円の本は着々と売れていく。
「そろそろ公園のまめさんが上映される時間だよ」瑞葉
講堂に入ると、瑞葉がまめさんらしき姿を見つける。
「やあ、みんな」
四人はまめさんを挟んで座る。
上映が終わり、隣の瑞葉が聞く。
「どうだった?」
「なかなか面白かったわね」
体育館に戻った。
「一冊、頂こうかしら」
まめさんも購入。
「ねぇ、ずっとここに居ても退屈だから、私達も見て回ろうよ。まめさんも」承芽
「私はもう見て回ったし、店番を任せてもらえないかしら」
「うん、じゃあ、お願いするね」承芽
適当に教室を見ていくと、出し物として利用している教室を見つける。
「なんだここ」承芽
教室には、仕入れた飲み物やお菓子が箱に入ったままの開けられた状態だったり、被せられたビニールを取っただけの状態で並ばれている。お客も十人程いる。
「いわばコンビニかな」瑞葉
「ちょうど喉が渇いてたところ」瑞葉
四人は紙パックの野菜ジュースを飲みながら見て回る。
「ここは漫画教室ね」結菜
二十人程が熱心に漫画を描いている。
「ここはパソコン教室」結菜
「ここは自作ラジオ」生実
四人は校庭に出た。
「なんか始まるみたいだよ」生実
大勢の人だかりの中心に五人の男子が真剣な眼差しで意識を集中している。見物人も固唾を飲んで見守っている。
「なんだなんだ?」承芽
五人は動きだすと、四人が両腕を広げた真ん中の人を仰向けで持ち上げ、無表情のまま高く上空に飛ばす。
「わーしょい、わーしょい、わーしょい、わーしょい、わーしょい」
見物人の掛け声と共に、胴上げが五回続いた。演技が終わると大歓声が沸く。
「ああ、胴上げ部ね。なにげに全国屈指の強豪校らしくて、去年は男女で全種目を制覇したみたいだよ」承芽
「それは凄いな……」生実
「今のは美しさを競う種目ね。無駄の無い動きと高さで採点するの」承芽
「なるほど……」瑞葉
次の種目では、より高く飛ばされ、先程よりも大きい大歓声で沸いた。
「これは高さを競う種目ね」承芽
続いて女子による胴上げ。
「なんというか、縁起か良さそうだね……」瑞葉




