その四
五月十一日金曜日。学校が終わり、森の中の道を歩いていく。一旦森を出ると、左の少し奥に瑞葉の家が見える。このあとは何をするのか、やっぱりゲームかなのか。
「まめさんの家に行ってみる? かなり昔に行ったことあるよね、小一の頃に親達に連れられて。農家さんが気さくで、よく買いに来た人とお茶したりするみたい」承芽
「うん、お菓子をいっぱい食べた記憶が」瑞葉
まめさんの家に行くことになったぞ、昨日の流れで。
瑞葉は鞄を玄関に置いて出てくると、四人は商店街の裏にある晴山公園向かった。瑞葉のと生実が公園で結菜と承芽を待っていると、二人も制服のまますぐに出てくる。公園北の階段を登り、広い草地の中にある生実の家に寄り、生実も制服のまますぐに出てくると、四人は町の北にあるまめさんの家に向かう。住宅街を抜けると、いくつもの畑が広がっている。その一角で一人で農作業をしている姿を見つけ、四人はすぐに一人がまめさんと分かる。
「とうもろこしの種を蒔いてるみたいだね」瑞葉
「まめさーん」
承芽が呼ぶと、まめさんはがこっちに来る。
「あら、みんな。どうしたの?」
「ちょっと来てみたんだけど、手伝おっか?」
承芽が予定にないことを言う。
「私にもできるかなぁ」瑞葉
「簡単だよ、間隔を開けて、穴に種を埋めるだけだから。それじゃあ、この列は私がやるら、残りの一列を任せるわね。端からと真ん中から始めて、裏間隔は隣の列に合わせてちょうだい」
四人は種まきを手伝うことになり、瑞葉と承芽が端から、結菜と生実が真ん中から蒔き始める。四人は手際よく蒔いていき、瑞葉と結菜、承芽と生実が合流し、あっという間に種蒔きは終わった。
「みんな、どうもありがとう。お礼をしたいから、家に来て」
まめさんに招待されて家に入ると、まめさんの母が現れる。
「みんなが手伝ってくれたの」
「それはそれは、ありがとうね」
「いえいえ、楽しかったです」承芽
二階にあるまめさんの自室に入る。
「ちょっと待ってて」
少し待っていると、まめさんがダンボールを両手に抱えて戻ってくる。
「これをあげる」
「こんなに沢山」瑞葉
「えーと、二十袋あるから、五袋ずつだね。バター以外にもチョコ味、チョコミント味、コーヒー味、」生実
「いったい今、家にいくつあるんだ?」承芽
「確か、あと三十袋ぐらいかな」
「かなりの割合が減ったぞ!」承芽
「大丈夫、まだ一ヶ月分あるから。他にもチョコピー、サラダピー、ノリピーとか色々あるし。あと、ハラピーにショウピーにピーピーに……」
「ハラピーはハラペーニョで、ショウピーは醤油で、ノリピーは海苔、ピーピーは?」承芽
「ピーナッツクリームね」
「な……なるほど、うちの店には売ってないなぁ、取り寄せてみるかな」承芽
「どれも、晴沢商店街にあるご当地食品の店で買った物よ」
「ああ、森屋ね。私もよく行くよ」瑞葉
「最近はピーナッツ類の品揃えに凝ってるみたいね」まめ
「ちょっと行ってみるか」承芽
玄関。
「またね、まめさん」瑞葉
「森屋に行ってみるよ」承芽
「上映会には必ず来てね」生実
「ありがとうございました」結菜
「では、のちほど」まめ
南西にある晴沢商店街にあるご当地食材の店に入ると、地元の県の商品が並ぶ棚に向かう。
「色々あるじゃん、いくつか買ってみるか」承芽
四人は何袋かを選んで店から出てくると、さっそく食べてみる。
「美味しい」
瑞葉は抹茶味を食べる。
「周りもサクサクで」結菜
結菜はイチゴ味を食べる。
「予想以上に色んな種類があるよね」生実
生実はメロン味を食べる。
「さっそく発注するかな。うちの店は食べ物をあまり扱ってないんだけどね」
承芽はレモン味を食べる。
「ゲームやアニメに登場する食べ物とか、変わった食べ物なら色々売ってるけど」承芽
「選びに選んでそうかな?」瑞葉
「どうせなら、味も厳選してみようかな。とりあえず、抹茶味とイチゴ味は普通だから却下」承芽
「じゃあ、チョコミント味は?」
瑞葉は袋からチョコミント味を取り出して見せる。
「チョコミント味自体はよくあるけど、まあ、ありかな」承芽
「コーヒー味は?」
結菜はコーヒー味を取り出して見せる。
「それもまあ、ありだね」承芽
「メロン味とレモン味はどうなの?」生実
「メロンとレモンがあると陳列が明るくなりそうだし、その二つもありだね。じゃあ、うちの店で売るのはチョコミントとコーヒーとメロンとレモンにしよう。で、森屋に行けばもっとあるよ! って書いておく」承芽




