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その七

買い物から帰った瑞葉。

 四人は電車を降りて町内を歩いていく。瑞葉は商店街で三人と別れて家に着くと、部屋に荷物を置いて台所に向かう。さっき買った海苔煮をテーブルに置いて米を炊く準備を始める。

 瑞葉は白い鍋で米を炊くと、さっき買った味海苔を取り出し、まずは梨の海苔煮を試してみる。

「梨の甘味と酸味が海苔煮と合ってるような……」

 次にメロンの海苔煮を米に付けて食べる。

「メロンも似た感じかな」

 次に桃の海苔煮を試してみる。

「桃もいいね。食感は桃が一番に近いな。梨の固い食感もいいけど」

 今度は焼いた食パンに塗って食べたり、更に笹かまぼこを挟んで食べる。

「こういうのはパンも合うかも」


 海苔煮でご飯を食べていると呼び鈴がなる。

「自転車かな」

 玄関を開けると自動配達車が来ている。瑞葉が端末に指を触れると、後ろのドアが上下に開き、機械が段ールを持ち上げて取り出し、下に開いたドアがゆっくり降下してくる。受け取りを済ませると、瑞葉は庭で段ボールを開けて自転車を出す。

「もう乗れるみたいだから、試しにちょっと乗ってみよっと」

 説明書を読んで、ギアの操作を確認する。

「前3段……前にもギアがあるのか」

 ギアの変え方を確認すると自転車に乗り、家の前の草地を回りながらギアを変えてみる。

「なるほど。でも、ここじゃあギアを変えてもあまり意味がないなぁ。ちょっと行ってみるか」

 瑞葉は森を抜けて商店街に向かう。

「みんなにも届いたかな」

 坂を下りて商店街に入ると、商店街の裏にある公園から結菜と承芽が自転車を引いて出てくる。

「あっ、瑞葉」

 結菜は瑞葉に気づく。

「二人も試し乗りか」

「今から瑞葉の家に行こうと思ってたんだけど。それじゃあ、生実の家に行ってみるか」

 承芽はそう言って、瑞葉が来た方向に漕ぎ始める。

 坂を登り、森の脇の道を通って生実の家に向かう。

「生実だ」

 瑞葉が自転車に乗って向かってくる生実に気づく。

「あれ? 三人もか」

「明日に備えて試し乗りをしてたら、結菜と承芽も同じだったみたいで」

「長距離を行くんだから、そりゃそうだよね」

 早く乗りたいだけだった承芽。

 漕ぎ具合やギアの操作を一通り確認しながら、町内を回って行く。

「さすがに町内で24速も要らないよね」

 承芽は重そうに漕ぐ。

「自転車自体、町乗り用で十分だし」

 生実は軽いギアを漕ぐ。

「町乗りで24速とかないの? 本当は普通の自転車で行きたいのに。長距離というか長時間に備えて、体勢は前屈みじゃないのがいいんだけど」

 承芽は車体に不満が残る。

「目的が違うからなぁ」

 生実が答える。

「生実が改造すればいいじゃん」

 瑞葉が思い付く。

「生実、頼んだ」

「自転車かぁ、ちょっといじってみるか」

「そうだ生実、帰りに自転車屋で買ったカゴを取り付けて欲しいんだけど」

「いいよ、工具はあるよね」

 瑞葉の家に戻り、生実が説明書を見ながら台座とカゴと泥除けを瑞葉の自転車に取り付ける。

「ありがとう生実。ボトルホルダーは私が付けるよ」

 瑞葉は自分でボトルホルダーを取り付ける。ボトルホルダーには光石で冷やす機能も備えられている。

「それじゃあ、明日は七時に晴山公園を出発だから、それまでに来てね」

 解散。

次から七話です。

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