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その二

羽橋駅周辺を散策中。

 瑞葉達は四階のゲーム売り場を離れ、他の売り場を適当に見て回ることにした。音楽や映像のソフトや雑貨の店が集まる三階、二階の本屋を回り、二階の外側に出て回り込み、西側の広場から道を挟んだ隣にある別館へ二階から直結する歩道橋から渡り、大型雑貨店を見て回ると、本館に戻って飲食店が並ぶ地下二階で団子を買って、東側半分が屋上の九階に向かった。ベンチに座るとさっそく団子を食べ始める。

 瑞葉は食べながら、目の前に佇む四匹の羊の像を眺める。

「そういえば、今月から商品に値段が付かなくなるみたいだから、今のうちに盛大にお金を使っておきたいんだけど、みんなは何か買いたい物とかある?」

 瑞葉は団子を食べ終えると尋ねる。

「うーん、なんだろう……」

 結菜は思い付かない。

「急に言われても……」

 生実も思い付かない。

「そうだ、長距離を快適に走り続けられる自転車が欲しいかな。みんなも自転車でどこまでも行ってみたいって思ったことあるでしょ?」

「まぁ、わかるよ」

 生実が答える。

「だから、みんなで自転車を買おう。それで遠くまで走るの」

 承芽に誘われて自転車を買うことになり、貸し出された手提げ袋を近くの返却箱に返して下の階に降りていく。瀬空の西側に出て、高架を北に抜けた所の百貨店の更に北側に建つ百貨店に入り、東館の一階にある自転車売り場に着いた。


「色々あるね。どれにしよっか」

 瑞葉は沢山並べられた自転車を眺める。

「もちろん長距離に適した自転車ね」

「あっ、これにしよっかな。折り畳めて光石アシスト付きクロスバイク」

 瑞葉は一台の自転車に目が留まる。

「私もアシスト付きのクロスにする」

 結菜もアシスト自転車を選ぶ。

「私はアシスト付きのロードにしよう」

 生実もアシスト自転車を選ぶ。

「まったく、光石に頼ったら達成感がないでしょ。私はごく普通の六速自転車にしとくわ!」

 承芽はよくある自転車を選ぶ。

「普通の自転車を買ってもしょうがないでょ。無理しないでアシスト付きのにしといた方がいいって」

 生実は承芽の無謀な判断を止めようとする。

「……しょうがない。じゃあ、アシスト付きにしておくか」

 配達の手続きを済ませ、四人は建物を出る。

「さて、次はどこ行こっか」

 二階の西館と東館の間の空間に出ると承芽が尋ねる。

「そういえば、ちょっと欲しい部品があるんだけど」

 生実が思い出す。

「じゃあ、南口の通りだね」

 承芽が言うと、四人は二階から道路を渡り、百貨店の側面をL字に進んで羽橋駅の東口を抜けて、駅前を西に逸れる駅前通りを南下していった。

新連載を予定しています。五月にでも。

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