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その四

生実は飛行機競争に出ることになり……。

 生実が飛行機競争に出ることになり、四人は駐車場に戻った。生実はオオソラタマに乗り込んで二階に上がり、積んである一人乗りのソラタマに乗り、屋根を開けてゆっくりと浮かび上がる。

「登録してくるね」

 ソラタマは受付に向かって飛んでいく。残された三人も、ソラタマを追いかけて受付に向かうと、ソラタマが検査を受けている。生実は何か書いてからテントから出てくる。

「どうだった?」

 承芽が声をかける。

「機体と光石の大きさが規定内だったから出れるよ」

 テントで登録を済ませた生実はソラタマに乗って浮かび上がる。

「それじゃあ、行ってくるね」

 ソラタマは飛行機が集まる所に飛んでいった。

「さて、私達はどうしよっか。飛行機競争を観てる?」

 瑞葉が二人に尋ねる。

「いや、私達はなんでもあり競争にでよう」

 承芽が提案する。

「でも、緑原を一周だから、三十キロはあるよ」

 結菜は参加を止めようとする。

「ええ!? 私はやめとこうかな……」

 瑞葉は参加を遠慮する。

「とりあえず出てみようよ。やめたくなったら、いつでも迎えが来てくれるし」

 承芽に説得されて、三人はなんでもあり競争の会場に向かう。テントで登録を済ませ、一万人いる参加者の後ろに並ぶ。


 生実は開始地点に近づくと、三百の機体が一列に並んでいる。生実はソラタマを列の右端に着陸させる。

「変わった形の機体ね」

 隣の機体に乗っている同じ歳くらいの少女が話しかけてくる。

「ああ……まあね。でも、そっちの機体も変わってるんじゃない? 機体の後ろにも大きな球体が付いてるけど、そこが動力部ど?」

「そうだよ」

 生実は翼の付いた白の丸い胴体の後ろにも、胴体に近い大きさの黒い球体を指摘する。

「なるほど」

「藍田朋子、よろしくね」

「稗田生実。晴山中学の一年生だよ」

「同じ学年かぁ。もしかして、あのヒエダ?」

「まあね」

「てことは、かなり性能が良いんじゃない?」

「そうだといいんだけど……」

「自信なさそうねぇ。まあ、お互い上位を目指して頑張りましょう」

「まあ、それなりに……」

 生実は苦笑いを見せる。


「天原飛行機競争、開始五分前です」

 五分前という声か響き、会場がざわめき始める。

「やっぱりやめとけば良かったかな、最下位の機体がうちの会社という事が広まったら、会社の印象に影響があるかもしれないし……」

「開始、一分前です」

 会場は更にざわめきだす。

「開始十秒前、八、七、六、五、四、三、二、一、スタート!」

 開始の合図と共に、一列に並んでいた機体は一斉に発進して反時計回りに飛び立っていく。全速力で一気に差をつける機体もいれば、ゆっくりと飛び立つ機体も多く、思い思いに競争は始まった。

「のんびり飛んでいく機体も多いみたいだから、最下位はなさそうね。あとは自動操縦に任せるとしよう」

 ソラタマの高度が五百メートルを越えると生実は一息つく。

「競技用かぁ、試しに造ってみるのもありかなぁ」

 生実は、前を飛ぶ機体を眺めて呟いた。

三人はなんでもあり競争に出ることに。

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