その二
緑原に到着。
機体は緑原上空に着くと、駐車場に停めて降りていく。
「ひろーい!」
瑞葉は海岸から地平線の向こう側まで平地が広がる東原を眺める。
「かなりの観客が集まってるわね」
承芽は大観衆に胸が弾む。
「みんなはちゃんと朝御飯食べた? 足りないみたいだから、なにか食べておきたいんだけど」
瑞葉は空腹を感じる。
「さっきコンビニのおにぎりとパン食べたばかりなのに、まだ足りないの?」
承芽は瑞葉の食欲に驚く。
「東原県といえば、大広焼きが名物だよね」
結菜はこの辺りの名物を勧める。
「それじゃあ、探してみるか」
生実が言うと、大広焼きの店を探し始めた。
「あそこに大広焼きがあるよ」
承芽が沢山並ぶ露店の中に大広焼きの店を見つけて買うと、テントに沢山並ぶテーブルに着いた。
「生野菜は苦手だけど、大広焼きはキャベツを美味しく食べられるのが良いよね」
瑞葉は、千切りのキャベツを生地で挟んで焼いた大広焼きをちょうどいい大きさに切って食べる。
「それにしても、昨日今日と粉ものが充実してるなぁ」
承芽は最近の献立について言う。
「ちょっと買ってくる」
瑞葉は早くも食べ終わり、一人で買い出しに行った。少し経つと戻ってくる。
「大平焼きもあったよ」
瑞葉は千切りのキャベツと生地を混ぜて焼いた大平焼きを四人分買ってくる。
「緑茶も名物だよね」
瑞葉は緑野市の名物である緑茶も容器に載せて帰ってくる。
「買い出しといえば、嫌がる展開が多いけど、私はむしろ率先して引き受けたいんだよねぇ、また買ってこよっか?」
「もう十分だって……」
承芽は遠慮する。
「さて、まだ時間があるし、適当に見て回ろっか?」
大広焼きと大平焼きを食べ終わって承芽が提案すと、四人は様々な出し物を見物することにした。
「あそこで何か作ってるみたいだよ」
瑞葉が指した方向に並ぶテーブルで工作をしている姿が見える。
「折り紙かな」
結菜は紙を折っている光景に気づく。
「紙飛行機大会をやってるみたいだね」
生実は看板を指して言う。
「私達も作ろう」
承芽が言い、四人も紙飛行機を作ることにした。
四人は、正方形の折り紙から自由に色を選び、席に着いて折り紙を折り始める。
「とりあえず、こんな感じかな」
瑞葉は水色の折り紙を内側に二回折って完成させる。
「私は先端を折ってみたよ」
結菜は黄色の折り紙を内側に二回折ってか、先端を内側に少し折って完成させる。
「私はこんな感じ」
承芽は赤い折り紙を三分の一折ってから、内側に二回折って完成させる。
「できた」
生実は緑色側を谷折りにしてから、外側に二回折って完成させる。
紙飛行機を完成させると、四人は会場に向かい、一人ずつ飛ばす。
「じゃあ、私から」
瑞葉が紙飛行機を飛ばす。着地すると、電光掲示板に二十五メートルと表示される。
「こんなもんかな」
瑞葉は結果に納得する。
次に結菜が飛ばすと、瑞葉より飛距離を伸ばし、電光掲示板に三十メートルと表示される。
次に承芽が飛ばすと、紙飛行機は高速で飛んでいく。地面に落ちると、電光掲示板に三十八メートルと表示された。
次に生実が飛ばすと三人より飛距離を伸ばして飛んでいく。
「五十五メートルか、こんなもんかな」
「順位は学年ごとに決めるみたいだよ。生実の記録なら一番かも」
瑞葉は生実の結果に期待する。四人は紙飛行機会場を離れて他を見て回ることにした。
会場を散策中。




