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その二

生実の家へ。

 四人は家の西側にある建物に入ると、通路の左側にある承芽の開発室に入る。

「昔の機器がいっぱいあるね」

 瑞葉は棚に置かれた古い機器を色々ながめる。

「相変わらずの物好きね」

 承芽は生実の変わった趣味を指摘する。

「昔の機器を改造してるのね」

 結菜が気づく。

「まあね。最近はこれを作ってみたんだけど」

 生実は、ランタンの隣に置いてある平たい四角形の小さな物体を手に取る。

「ちょっと見せて」

 生実が承芽に物体を渡すと、承芽は機器の裏側の蓋を開ける。

「これは、昔の携帯電話だけど、電池が違うよね」

「そう、この電池は光石を使ってるから充電切れがないの」

 今使われている電気機器は、全て光石によって電気を無限に作り出すことができるため、充電切れがなく、電源コードもない。

「これ知ってる。二つ電池が入っていて、片方の電池が切れたらもう片方に電気の供給を切り替えて、その間に充電が切れた電池を充電できるんだよね」

 瑞葉は棚に置いてある携帯電話を手に取って言う。

「これは、充電後に百パーセントの状態を維持することを避ける充電器で、充電器側の接続部を動かして携帯電話から離せるのよね」

 承芽は充電器を手に取って言う。

「昔の縦横に降りたためられる携帯電話だ」

 瑞葉は昔の携帯電話を手に取り、縦に開けてから右に折る。

「今はカード型の携帯電話が主流で、関節の仕組みなしでくっついたり離れたりするから、こういう仕掛けがある携帯は減っちゃったんだよ」

 生実は瑞葉が持っているカード型携帯電話を見て言う。

「光石を使ってるから頑丈だけど、厚みが無さすぎるから、結局は手触りのために厚くしたりするもんね」

 承芽は進化とは逆行する行動を言う。

「業務用のカメラも、どこにカメラがあるのかを伝えるために大きく見せたりするよね」

 瑞葉は思い当たる事を言う。

「釜のように炊き上げられる炊飯器があるけど、釜そのものを使ったりするよね」

 結菜も知っている事を言う。

「じゃあ、そろそろ行こっか」

 四人は生実の部屋を出ると、生実のあとをついていく。


 通路の先にある扉を開け、隣の大きな空間に入る。

「これが、うちの看板商品である卵型飛行機『ソラタマ』の大型機、『オオソラタマ』」

「さすがにこれは大きい!」

 瑞葉は五メートルはある機体を見上げて驚く。

「まぁ、卵型だろうとは思ってたけど、ここまで大きいとさすがに迫力があるわね」

 承芽も驚く。

「この大きさでも卵の形そのままだもんね」

 結菜は卵型の大きさに異様さを感じる。

「とりあえず入ってみよう」

 生実が飛行機の後ろを指で触れると、後ろ側上部が縦に長く開き、反転して下ろされると階段が現れる。足場が完成すると生実が上がっていき、その後を三人も上がっていく。

「靴脱いでね」

 四人は靴を脱いで、スリッパに履き替える。

 通路の突き当たりに扉があり、そこから通路は左右に分かれ、前方に向かって少し曲線を描いて延びている。奥には窓がある。

「ここは、居間ね」

 生実が扉の脇に指を触れると扉が開く。

「なかなか広いじゃん」

 承芽が言うと四人は中に入る。

「機体の前方は居間は三分の一を占める広さだよ」

「畳が敷いてあるんだね。外側はちゃんと曲線に沿った形になってるよ」

 瑞葉は畳が敷かれてあることに驚く。

「もはや、空飛ぶ家ね」

 結菜は家のような造りに驚く。

「家の居心地を飛行機で再現してみたかったから、畳を敷いてみたの」

「他も見てみようよ」

 瑞葉に頼まれて他の部屋も見に居間の外に出ると、生実は近くの扉を開ける。

「機体の右後ろは食事室と台所」

 四人は中に入って台所も見てみる。食事室も台所にも、冷蔵庫などの家電や家具はまだ置かれていない。

 次に四人は機体の左後ろの部屋に入る。

「ここは浴室とお手洗いね」

 機体の左後ろの部屋に入ると廊下があり、入って左側が浴室、右側にはお手洗いが備えられている。お手洗いの左側には洗濯機を置ける空間もある。廊下の奥には蛇口と台が備えられ、その上には開けられる窓が設けられている。

 浴室の扉を開けると脱衣室があり、右側の扉を開けて浴室に入る。

「思ったより広いわね。浴槽は四人一緒に入れそうよ」

 承芽は予想以上に浴室が広いことに感心する。

「下には光石があるよ」

 生実が壁に触れると、真ん中の廊下の床が開き階段が表れる。階段を下りると、高さが一メートルほどしかない空間の真ん中に光石がある。光石は特集な丸い特殊ガラスに包まれ、三分の一が台座はめ込まれている。

「さすがに大きいなぁ」

 瑞葉は二十五センチある光石を見つめる。

 透明な特殊ガラスで二重に包まれた光石が、外側の特殊ガラスで台座に固定されせいる。動力は機体の外側に触れた時に起動され、内側の特殊ガラスで光石を制御し、光石から作られた動力が各所の光石に飛ばされて機能が働く。

「動力の仕組みは車とほとんど同じで、浮く力を引き出しただけ」

 四人は廊下に戻る。

「あとはこの上ね」

 生実が壁に触れると上部が開き、階段が表れて明かりがつくと階段を上がっていく。

「ここは上が開くよ」

 生実がしゃがみながら壁に触れると、上部が左右に分かれていく。

「ここにも窓があるのかぁ」

 瑞葉は外の明かりが入り、少し気分が楽になる。

「窓も開くよ」

 生実がまた壁に触れると、窓が少し内側に動いてから後方の壁の中に収まる。

「これは開放的だね」

 瑞葉は立ち上がり、開放的な気分になる。

「立つとちょうど良い高さか」

 承芽は窮屈な空間に不満を感じていたが、窓が開かれたことで納得する。

 上部は閉じられ、四人は居間に戻る。

「当たり前だけど、水や電力はそれぞれ設置した光石でまかない、ゴミなんかも光石が消してくれるよ」

 生実は機体の仕組みを捕捉する。

 生実が先端に設置されているパネルの前に座り、三人も座って覗き込む。生実が画面を操作して行き先を新原に設定すると、機体前面を閉ざしていた白い壁が下に収まり、広さと幅がある窓が表れる。更に建物の南側の大きな扉が開かれた。

「じゃあ、外に出してみるか」

 生実はオオソラタマを前進さる。外に出ると、機体は上空に上がっていった。

「新原まで行ってみよー」

 オオソラタマは新原に向かって飛んでいった。

光石でゴミなども消します。

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