初恋(プロローグ)
始めまして、棺と言います。
ラブコメ書いてみたいと思って書きました。
書いててラブコメが分からなくなりました。
でも、多分、ちょっとだけ、あってると思いますよ?(`・ω・´;)
ヒロインはその内出て来ます。
主人公は生い立ちにより、ほんの少しだけ人と価値観が違います。
今後、その生い立ちも話として上げようと思っていますですはい。
世界が赤く燃えている。
村の家が、村人達が燃えている。
村人は、悲鳴と絶叫を上げながらその影から逃惑う。
父と母が、力及ばず消し炭にされた。
夜空に浮かぶ、赤い瞳を爛々と輝かせた、巨大な黒い 竜 一頭に。
なんと圧倒的な力だろう。
翼を一振り煽れば竜巻が起き、人も家も宙に飛ばされ、まるで熟れたトマトの様に成すすべなく潰されていく。
口を開き、ブレスを放てば、そこはもう地獄の様に燃え盛り、黒い消し炭だけが残される。
最早、何人も寄せ付けぬその力の前に、人間は抗う事すら敵わない。
そんな中、幼い僕は、ただ道の半ばで立ち尽くすしかなかった。
幼い僕に、そのドラゴンを止める術もなく、黒く焦げ、最早原形も分らぬ両親の傍らで、僕はその光景をただ見ていた。
否、魅せられていた。
ドラゴンという生物界の頂点。
圧倒的な、その力に……
「あぁ……」
確かにそこにはあったのだ。
僕の心を高揚させる……何かが。
「……欲しい」
幼い僕は、ポツリとそう呟いた。
空を飛ぶ黒竜に、小さな手をめえいっぱい伸ばす。
しかし届くはずもなく、黒竜はまるで、遊びに飽きた子供の様に、空の彼方へ消えて行った。
幼い僕はその光景に、静かに涙を流した。
父と母が死んだからではない。
住んできた家や、親切にしてくれた村の人達が死んでしまったからではない。
ただ、ドラゴンが自分に見向きもせず、飛んで行ってしまった事が、哀しく、虚しかった。
「……欲しい!」
涙をぬぐい、決意をその瞳に宿しながら、その姿を幼い僕は、強く心に刻み込んだ。
まるで宝石のように美しい紅い瞳。
どこまでも黒く妖しく輝く鱗。
生物として完成されたあのフォルム。
例えどのような形であれ、アレが手に入るのならば、僕はどんな事でもして見せよう。
それが例え、禁忌に触れる事だとしても………




