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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【深淵の密林】
9/145

9話≫〔統合版〕【少年少女】

修正版です


修正版→全体の表現や描写を詳しく書き、肉付けしました。


よろしくお願いします。


25〜27話の統合。











目を覚ましてから12日目の朝を迎えた。


まだ太陽すら見えない薄暗い中で俺は本日の指針を決めていた。


今日は少し常夜地帯と逆の方向に行こうか、

そう決まったのはつい数秒前である。


思った理由はただ単にそっちの方が人居そうじゃない?という理由である。


んなわけで俺は木の上から飛び降りた。


だが、俺は正直にいうと人と話すのがあまり得意ではない、と言うより話した事がないのだ。


何故かだって?そんな事は分かり切っているじゃないか、俺は病院でほぼ一生をすごしていたのだからな。



そんなわけで現在10匹のゴブリンに囲まれている。


そんなわけでの使い方がおかしい気もするが、俺の口からは既に乾いた笑みしか出てこない。

笑っちゃうだろ?

俺はゴブリンにモテたくはないしこいつらはオスだ。もちろん俺にそっちの気はないしゴブリンのメスに欲情するようなアブノーマルの神に俺はなりたくない。


俺は囲んできたゴブリンを倒す事にした。

既にアックスホーンラビットやブレードホーンベアーとの戦闘を経ている俺はゴブリンの攻撃がスローモーションとまではいかないが、随分と遅く見る事ができ、攻撃が当たる事はなかった。


全てを切り返しで一刀、ゴブリン達は逃げる間もなく地に伏せていた。




××××××××××××××××××××××××××××××××××




そして道なき道を進むこと軽く5時間、俺は今尚ジョギング程度のスピードで走っている。


途中遭遇した芋虫やゴブリンは全て立ち止まり、剣術の訓練と言う事で倒していた。


そのかいがあってか最近は多少だが剣のブレが目立たなくなってきたのだ。


いわば毛の抜けたペンギンの子供と言ったところだ。


例えが悪くてごめん…




ゴブリンや芋虫などの弱い魔物は戦舞技なしで倒す事も可能になってきた事からもある程度の剣術が身について来た事が伺える。


そんな感じで倒しているとまた1つレベルアップする事が出来た。



太陽が真上に登った頃、木の上でキウイモドキを大変美味しく齧りながら空を眺めつつ黄昏ていると、

3km程先の方で女の子の声と思われる悲鳴と


「…グォォオォォォオォォ!!!!…」


余裕そうな感情が垂れ流しになっている魔物の咆哮が聞こえた…


これはマズイ、何かしなくてもマズイ。

俺は木から飛び降り一気に走るスピードをトップスピードに持っていき速度を維持して駆け抜けた。


間に合うかわからないが、

またあのゴブリンの集落で見た悲劇をもう一度なんて見たくない。


そこに着くとちょっと強そうな筋肉むきっちょなゴブリンが1匹と、

そのゴブリンに向かい合う1人の少年、


そしてゴブリンの横に倒れる1人の少女がいた。



俺は頭を冷やしスキル【魔力探知:中】を発動し辺りに存在する魔物を把握する。


すると開けた場所にある3つの光点以外に木の影にもう1つの反応を見つけた。


魔力の大きさからしてゴブリンだろう、多分二段構えの作戦をとっているに違いない。


そんな考えに思考を取られているうちに、

少年と向かい合っていたゴブリンが手に持つ(ナタ)を振り上げながら少年に向かって駆け出していた。


少年の背後に控えて状況を観察していた俺は迷わずゴブリンを表的に指定、

そして戦舞技を発動した。


「……【蒼斜一閃(ソウシャイッセン)】……」


少年の横を一瞬で通り過ぎ鉈を振り上げるゴブリンの目の前に躍り出る。


だがそこでまだ勢いは止まらない、

身体は加速し手に持つ剣は青い閃光の線を引きながら斜めに振り下ろす。


青い閃光を纏った剣はゴブリンの肩から腹まで一息に切り裂いて、俺はゴブリンとすれ違い様に全てを終わらせた。


ゴブリンを背後に据え、

青い閃光の消えゆく剣についたゴブリンの血を払い落とす。


剣を振った周囲に放射線状に血が落ちるのが印象的だった。


「……え……?…」


切り裂いたゴブリンの後ろで少年の物と思われる小さな声が聞こえる。

俺は振り向きその少年を見据える。

みずぼらしい服を来た金髪碧眼の少年は将来はなかなかイケメンになりそうで、若干の殺意が湧いたが今はおいて置く。


とりあえずあの冒険者ゾンビよりは絶対イケメンになるだろうと言っておこう。

みずぼらしいと見える服装からしても農民や平民の類いだろう。


少年が口を開きかける瞬間、


右に反応があったゴブリンの魔力の反応が急にブレて、ゴブリンが動きだした事を知らせた。


俺は魔力探知のスキルを発動したままにして残る1匹のゴブリンの動きを魔力の形で判断していたのだ。


横目でみると弓を引くゴブリンが見えたが、俺に焦る必要はない。


少年がまだ魔物の生き残りがいた事に驚いているのが見え、


「……あぶっ!………」


少年が警告しようと声を発そうとしたが気にする事ではない。


「…【一投刹那(イットウセツナ)】…」


(お人好しだなぁ…自分のが危ない状況に居たってのに…)


懐に手を入れ短剣を取り出しながら戦舞技を発動。


青い閃光を纏った短剣をゴブリンの額めがけて放つ

矢など比較にならない速度で放たれた短剣は寸分たがわずゴブリンの額に突き刺さり、


有り余る勢いを殺しきれず後ろの木に頭ごと突き刺さった。


そして力の抜けたゴブリンの弓から放たれた矢はあさっての方向へ飛んでいき、直ぐに視界から消えて行った。


少年をみると何が起きたのかわかっていないような顔をしていたが仕方がないだろう、

少年のステータスをみたところ少年のレベルは5であり、低いのか分からないがあの剣の速度が目視できたとは思えなかったしな。


ちなみに少女のレベルが4だった事から、

この世界での13歳前後の平均は3〜5程度なのかもしれない。


戦いに身をおいているわけでもなさそうなので、平民の子供はこの程度のレベルなのかもしれないし、この子供たちが素質があるだけなのかもしれないが…


だとすれば戦舞技という存在も知らないかもしれないな。


というかこの世界の人間が戦舞技を使えるのかも怪しいという…

人前で戦舞技を使ったのは失敗だったかもしれないな。


さっさとここから退散させてもらおう。


【魔力探知:中】を使い辺りに他の魔物が居ないか確認し、少なくとも半径15m程にはなんの反応もない事を確認しすこし安心する。


少女の状態が思ったより良くなさそうなので

足早に近づき懐から取り出した回復薬の蓋を外し、使うかを迷ったがやはり目の前で死なれては寝覚めが悪い。


結局俺は病室で一生を終えようとも、

自分より相手を優先してしまうお人好しな日本人だった。


中に入っている透明度の高い黄緑色の液体を少女のわき腹あたりにに振りかけ、様子を見る。


息を吸うのすら辛そうで口の辺りの地面に血を吐き出していた少女の表情は少し和らぎ、


やがてやや小さいがしっかりとした一定の呼吸をしはじめた。


(これで、一応は大丈夫かな…ふぅ、でも回復薬は使い切っちゃったな…これからはすこし辛い戦いになりそうだ…)



回復薬が切れてしまった以上、属性魔法に回復系の魔法があったら是非とも取得したい所だな。


そう思い、その為にも早くゴブリンを倒してPointを稼ごうと森の中に帰ろうと踵を返そうとする。


すると背後から少年が声をかけてきた。


「あ!あのっ!ありがとうございます!!

是非お礼をさせてください!

僕達の村に来てくれませんか!」


少年の気持ちは嬉しい、


だが、あり得ないがこれが罠だったり未知の技をつかう人間を捕まえようとしていると言う可能性が無いとも言い切れない、もちろんそんなのは言い訳だが。


正直なところだと、それに今のレベルではまだまだ心もとないし、人とあまりに話した事のない俺はどうすれば良いのか分からないのだ。


慣れれば違うとは思うのだが…


俺は丁寧に断る事にした。


「いや、(レベルも心許ないし)お礼はいらないよ

(ゴブリンと芋虫倒してたら)たまたま悲鳴が聞こえただけだからね。」


取り敢えず本音を少しづつ隠蔽しながら丁寧に断り再び森へ帰ろうとするが少年は引き下がらなかった。


「待ってください!じゃあせめて村に来るだけでも!ご飯をご馳走します!!」


…キラーン!!


その言葉、ご飯をご馳走しますという言葉を聞いた瞬間、俺の腹が身体の主導権を奪い、腹が神経に動けと命令をだした。

そしてなんと!俺の腹は喋り出したのだ!


「是非!!!ご飯だけでいいので!!」


まぁ、そんな冗談はおいておいて、動けなくはならないのにお腹だけが減っている状態が気持ち悪かったのだ。


(ふぅ…仕方ないか…

そうなると帰りは夜になるか…

夜は危ないとは思うが、魔力探知もある。

そうなると良い訓練になるだろうし、ご飯食べ終わったら攻めてくる魔物を倒しながら帰るか…)


そう決めてカナデは一時的に森から出る事を決心したのだった。


そしてここの近くには人がいて、村であるが文明を築いている事が分かったのだ。


今日はかなりいい情報を得たとおもうし、ご飯…ジュルリ…





××××××××××××××××××××××××××××××××××






体力を切らして眠ってしまったであろう少女を背中におぶさってしばし歩いていると、


隣を歩く少年がチラチラと俺の方を見てくるのが分かった。


むむ…俺にそっちの気は無いぞ?


だがそれは外れだったようで、少年は違う事を聞いてきた。


「あの…あなたのお名前は?……」


ぬ、そう来たか。

うーん、この少年に教えてもデメリットはなさそうだし大丈夫か。


「俺の名前は…カナデ……君の名前は?…」


俺はいずれ本格的に人里に降りる事になれば名乗るであろうしここで勿体ぶってても仕方がないと言う物だと判断した。


「僕の名前はルーデンス。あっちで寝ているのはリリーです。わざわざポーションまで使ってリリーを助けていただいてありがとうございます!」


まぁあの状況は絶体絶命だったしな。


「お礼はご飯だけだからな?」


ここは念を押しておく。俺は力の無い今、面倒ごとを起こすのは避けたいのだ。


「わ、分かってますって…」


ルーデンスはちょっと呆れたような笑みを浮かべていた。



数分歩いただけで、どうやら森が終わりを告げるようだ。


「息子を助けてくださいぃぃ!…」


木々が次第にまばらになっていき、女性と男性の切羽詰まった声が響いて来た。


「あっ…この声…僕のお母さんです!」


どうやらこの声はルーデンスの母親の声らしい。


森を抜ければ見えて来たのは家々と森を挟む間にいるカラフルな髪を持つ人々の集団。


(うっ、これは…生まれてから初めて見る人の大群だな。)


カナデは大群と称したが実際の所その人々は40人も居なかった。

カナデからしたら大群と言うだけである。



その人々の中心で老人の腰を掴み泣き崩れる金髪金目の女性、多分あれがルーデンスの母親なのだろう。


「俺からも…お願いします村長!息子を!!」


そして同じく老人に必死に懇願する金髪金目の男性、あの人は多少顔がルーデンスに似通っている事からも父親であろう。


「私の娘も居なくなってるの!助けに行かなきゃ!!」


そしてもう1人、老人に縋り付いている女性、あれはこのリリーと言う少女の母親だろうか。


「皆さん落ち着いてください!!いま村の男達を集めています!もう少しだけ待ってください、森が危険なのは親であるあなた達もよくわかっているでしょう!なんの武器も持たずに入れば命がないんですよ!

今、村の鍬や鋤を集めて居る所です。」


白髪の頭髪に長い白ヒゲを蓄えた精悍な顔つきの老人は説得に随分と手こずって居るようだ。


ここでもたもたしていても森に入って死人が出るのは嫌だし、ここはもう腹を括ろう。


「…ルーデンス、行こうか。」


俺は村にはいることにした。


「…え?…いいんですか?カナデさん。」


森から出ると一気に村人であろう人々が振り向いた。


そして俺に背負われたリリーやルーデンスを視認した村人達は俺達に駆け寄ってきた。


「リリー!!無事なの!?」


「ええ、今は気を失っているだけですので時間が経てば目を覚ますと思います。」


「あなたは?…」


リリーの母親と思われる女性は泣きはらした目を俺に向け、訝しげに言った。

やはり知らぬ男が自分の娘を背負って森からでてきたら怪しむよな。

だがそこでルーデンスが口を開いた。


「ち、違うよ…リリーがゴブリンに襲われて僕もやられそうになった時にこちらのカナデさんが助けてくれたんだ…」


「む、娘を助けていただいてありがとうございますっ!冒険者様!!」


リリーと思われる女性はまだ泣き崩れたので背負っていたリリーを渡して家に帰って寝かしておくように言っておいた。


そして少し経つと夫婦と思われる金髪金目の男女も俺達の元に駆け寄ってきて、白髪白ヒゲの村長も遅れて2人に駆け寄ってきた。


「よかった!帰ってきたぞ!ルーデンスが!!」


「よかったわぁぁぁ…」


男性のほうも女性の方も美男美女である。

よく見れば他にちらほらと見える村人達も若い者は皆綺麗な人が多かった。


(…やけに美人美男が多いな…)


これも異世界ファンタジーだろうと思った。


周りにいたであろう男性は村中に響く声で叫びそれを聞いた村の男達は準備をやめ、皆安心した様子で俺達に駆け寄ってきた。


そして口々に声をかけてきた。が、正直な話うっとおしかった。


だがそれだけこの森に入って無事に帰ってくる事が珍しいと言うのは分かる。

仕方が無いだろう。


「本当に何にも会わなかったのか?ずいぶんと運がいいのだな」


老人が言うのだがルーデンスはリリーの母親に言ったのと同じようなセリフを繰り返してくれた。


「ち、違うんだ…実は僕とリリーはゴブリンに襲われたんだ…」


集まっていた村人達が騒然とした、


「た、倒せたのか?」


誰かがそう口を開くが次第に俺の存在の違和感に気がつく人間も増えてきた。


「あ、あんたは…?」


「私はカナデと言う者です。リリーと呼ばれる少女の悲鳴を聞きつけて駆けつけ、何とか間に合う事が出来ました。」


おぉ…と辺りに感心したような雰囲気が流れるが、正直なところ俺はこのしっかりとしていない敬語だけでいっぱいいっぱいだった。


「冒険者の方よ…息子とリリーを助けてくれた事、感謝します。

どれくらいの報酬を払えばよろしいでしょうか…?」


ルーデンスの父親と思われる男性がおずおずと言った感じで話しかけてきた、


「まぁ、ここで話すのもなんですし、貴方の御宅でお話しの続きをしませんか?」


だが、俺的にいっぱいいっぱいの状況ではこの程度の事を言うのが限界だった。


村長や他の村人は俺に対して仕切りにお礼を言っていたが、やがて俺がルーデンスの家に向かうと知ると皆仕事に戻って行った。





場所は変わってルーデンス宅。


俺はテーブルに座らされ、粗茶ですが、的な流れでお茶を啜っている。


もちろんお茶を飲んだのも久しぶり(厳密にはお茶ではないが)だったので思わず涙したのは割愛する。


向かいのテーブルに座る美人の奥さんをはべらせた恨むべきルーデンスの父親が頭を下げていた。


「「息子を助けて頂いてありがとうございます。」」


ルーデンスは俺の隣に座らされていてとても気まずそうだ。


「いえ、偶然居合わせただけですので。所で、報酬とは…?」


そこでルーデンス父親はハッとした顔になり、矢継ぎ早に続けた。


「はい!息子とリリーを助けて頂いたのです。お金はそこまでありませんが、出せるだけ出しますので…」


その後に説明を聞いた話から俺が推測したのは、

どうやらこの世界の冒険者とやらの一部は力を振るい自由気ままにやっているらしいと言う事だった。


確かに周りより力があれば腐るのも仕方の無い事だとは思うが、それは国単位でも貴族や王が権力に溺れるのと同じ事であり、至る所で魔物が蠢いているこの世界でそんなアホみたいな事をしているとはやはり文化、生活、技術の水準が尚更に低い事を感じさせた。


だが俺は今のところこの家族から金を巻き上げるなどと言う非道な事は出来そうに無い。


「では、ルーデンスと話して決めていた事ですし、お腹が空きました。ご飯をご馳走して頂けないでしょうか?」


簡潔にいえば腹減ったメシ食わせろ。と、言う事であるが両親は感謝感激してしまったようでご飯はそれに比例して豪華な物となっていった。


でた料理はプロータムと呼ばれる齧歯類の肉を使ったシチューのような物に固めのパンを浸して食べる、

ヴァイスフルスと言う料理らしく、意味は白い流れと言う意味らしい。


俺が初めて食べたシチューは異世界の素材をふんだんに使った最高に美味しいものだったと言っておく。


空腹が最高のスパイスと言い、まずい料理でも旨く感じると言うが、

やはり空腹時にうまいものを食べればそれだけヤヴァイ事になるのだろう。


その事を俺は肌で、もとい胃袋で実感した。


他にも色々と便宜を測ってくれたルーデンス一家の人達だったが、やはり農民。


持っている情報は少なかったが、俺にとってはすさまじく有用なものであった。


まず、この大陸に存在する国について、

詳しい事は知らなかったが大まかに四つの大国が覇を唱えているらしい。


俺のいる場所、それは【四大国】の一つ

トリステイン王国であり、

隣国は帝国と呼ばれる[大陸制覇]をかかげる国だそうだ。


そしてこの森から近い村はロヴィスキィ村、王都から歩鳥車、ビックモアと言うらしい…

に乗って8日程度だと言われる辺境にあるらしい。

ロヴィスキィ村自体は人口は300人に満たないそこまで大きくない中規模程度の村だそうだ。



最近は魔物がよく村の近くで見かけられるようになったらしく、同時に隣の村でも魔物の被害が増えているそうで、尊重曰く魔物が活性化しているのだとか…


魔物の活性化とかテンプレでいくと嫌な予感しかしないな。


まぁ、今はその事はおいて置く


俺はそろそろ日が落ちてきたのでルーデンスの親に礼をいい、レベルをあげる為に森に向かう事にしようと家を出た。


森に入る瞬間、背後からかかる声に振り返れば、そこに居たのは気絶して意識を失っていたリリーであった。


「…あの!まってください!…貴方が私を助けてくれたの?」


リリーという少女は外見は12.3歳に見える幼さの抜け切っていない少女であるが、表情を見る限り子供らしいとは思えなかった。


緑の髪は森から吹き抜けてくる風になびき、

暮れの夕日に照らされて美しさを際立てている。

そしてエメラルド色の瞳は宝石の様に光を反射し、生きる力に満ち溢れて居た。


「あぁ、間に合って良かった…」


「ありがとうございます!えっと…カナ…カナダさん!…」


「惜しい!名前はカナデ、宜しくね。」


俺は心がほっこりと落ち着くのを感じた。


リリーは「あっ、すみません!」と言っていたが特に起こる気にはならなかった。


なぜなら、ほっこりしたからだ。


俺はそんなほっこりとする経験を味わい、いずれ人里に出る為に力をつける。


それを目標に力をつける事にした。



全速力で走り、帰りに遭遇したゴブリンと芋虫も出来るだけ戦舞技を使わずに倒し、元いた所についた時は既に日は落ちていてた。


俺は身体が凄まじく軽い事に感激しながら、明日はスキルの能力の確認に一日を使おうかと思った。




【SideOut】




半人族(デミヒューマン)[lv:11]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦舞技師ダンズ・ワー・トリッグ


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:1153/1200


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:中】

new!【剣術補正:強】【魔力探知:中】

mew!【体力補正:強】【解析の眼(アナライズ・アイズ)

弱点解析ウィクネス・アナライズ】new!【縛りの咆哮バインド・ロア

new!【下克上】


残存Point:[10]


加護:なし


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)






※規定経験値を超えました。


Levelupします。


必要経験値がresetされます。


1Point獲得







××××××××××××××××××××××××××××××××××










【少年Side】



村は騒然としていて、


村人達は森へ居なくなった僕たちを捜索する為に森に入るかどうかを口論していたようだった。


「息子を助けてくださいぃぃ!…」


泣き崩れる金髪金目の女性は僕のお母さん。

涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら必死に老人に縋り付いていた。


「あっ…この声…僕のお母さんです!」


僕は隣に居たカナデさんに教える意味もこめて声をあげた。


「俺からも…お願いします村長!息子を!!」


必死に懇願する金髪金目の男性は僕のお父さん。

目は真っ赤に腫れていてお母さんと同じく村長に懇願していた。


「私の娘も居なくなってるの!助けに行かなきゃ!!」


娘を探しに行こうとして村長に止められる緑の髪を持つ1人の女性はリリーのお母さん。

我を忘れて叫び続けている。


「皆さん落ち着いてください!!

いま村の男達を集めています!

もう少しだけ待ってください、森が危険なのは親であるあなた達もよくわかっているでしょう!なんの武器も持たずに入れば命がないんですよ!今、村の鍬や鋤を集めて居る所です」


白髪の頭髪に長い白ヒゲを蓄えた精悍な顔つきの老人はこの村の村長。


そんな時、森の中から自分たちの子供と友人の子供を背負った黒ずくめの男がゆっくりと森から歩いて出てきたらそれは驚くだろう。


娘も探しに行こうとしていたリリーのお母さんは目にも留まらぬスピードで少女の元に駆けていった。


「リリー!!無事なの!?」


「ええ、今は気を失っているだけですので時間が経てば目を覚ますと思います。」


「あなたは?…」


駆け寄ったリリーのお母さんにカナデさんはそう答えたけど、

リリーのお母さんは訝しげな顔をした。


たぶんカナデが僕たちに何かしたのだろうと疑っているのだろうけれど、

隣にいた僕がそれは違うよと思い、

割って入った事でそれは霧散した。


「ち、違うよ…リリーがゴブリンに襲われて僕もやられそうになった時にカナデさんが助けてくれたんだ…」


「む、娘を助けていただいてありがとうございますっ!冒険者様!!」


リリーのお母さんは先ほどまでとは違う感謝に満ち溢れた表情をして、安心した涙を流しながらリリーを抱き上げ家に戻って行った。


僕のお母さんとお父さんもそれに続き少年の元に駆け寄る。

そして村長も遅れて2人に駆け寄ってきた。


「よかった!帰ってきたぞ!ルーデンスが!!」


「よかったわぁぁぁ…」


お父さんは村中に響く声で叫んだ。

ちょっと恥ずかしい…


それを聞いた村の男達は準備をやめ、

皆安心した様子で僕たちに駆け寄ってきて、そして口々に声をかけてきた。


カナデさんの方を見れば多少鬱陶しそうにしていたけれど、なぜか止める事はなく懐かしげな顔をしていた。


なんでだろう…



人との接触は彼に悪影響を与えるものでは無く、久しぶりに家庭と言うものを見たカナデが感傷に浸っているのだが、それは少年には分からないのだった。



だが村の男達が話しかけているのは嫌味ではなく、それだけこの森に入って無事に帰ってくる事が珍しいのだから仕方がない。

ましてや子供が入って帰ってこれたことなんて今まで一度もなかった気がする。


「本当に何にも会わなかったのか?ずいぶんと運がいいのだな」


村長がそう言ったのだけど、

僕はお母さんに言ったのと同じようなセリフを繰り返した。


「ち、違うんだ…実は僕とリリーはゴブリンに襲われたんだ…」


集まっていた村人達が騒然としだして辺りが騒がしくなる。


村人達が騒然とする中で、


「た、倒せたのか?」


誰かがそう口を開く。


そうでなければここに僕たちは居ないからだ。


だが、村人たちの視線が横にいたカナデさんに集まった時、あたりまえでいまさらな問いが飛び出してきた。


「あ、あんたは…?」


「私はカナデと言う者です。リリーと呼ばれる少女の悲鳴を聞きつけて駆けつけ、何とか間に合う事が出来ました。」


おぉ…と辺りに感心したような雰囲気が流れる中で、カナデさんは集中する視線を受けて額に汗を浮かべていた。


「冒険者の方よ…息子とリリーを助けてくれた事、感謝します。

どれくらいの報酬を払えばよろしいでしょうか…?」


不意に辺りのざわめきを遮るようにお父さんがおずおずと言った感じでカナデさんに話しかけた。


「まぁ、ここで話すのもなんですし、貴方の御宅でお話しの続きをしませんか?」


カナデさんらこの場でこれ以上目立つ事が嫌だったみたいだけど、少し遅かったみたいだ。


村長や他の村人はカナデさんに仕切りにお礼を言っていたが、

カナデさんが少年の家に向かうと言うと皆仕事に戻って行った。



場所は変わって僕の家。


カナデさんはテーブルに座らされ、お茶を啜っていた。


それを見ていた僕はさっきまでカナデさんとゴブリンの戦闘を思い出してい興奮していたのが嘘だったみたいに、今は縮んだレーズンみたいに身体がしぼんでいた。


途中、カナデさんはお茶を啜りながら涙を流すという不思議な現象を起こしていて、よくわからない人だなと、

僕たち一家を不思議がらせたけど、


今はそのような雰囲気などなく、それが僕がしぼだレーズンみたいになっている原因だった。


カナデさんの向かいの椅子に座るお父さんとお母さんは深々と頭を下げていた。


「「息子を助けて頂いてありがとうございます。」」


お父さんとお母さんは下げた頭をあげ、カナデさんをじっと見つめていた。

でもカナデさんはその真剣な場をわざと壊すようにいった。


「いえ、偶然居合わせただけですので。ところで、報酬とは…?」


そこでお父さんはハッとした顔になり、矢継ぎ早に話し出した。


「はい!息子とリリーを助けて頂いたのです。お金はそこまでありませんが、出せるだけ出しますので…」


その後にカナデさんは信じられない事にご飯の同席を申し出ただけで満足だといった。


やっぱり不思議な人だ…


「では、ルーデンスと話して決めていた事ですし、お腹が空きました。ご飯をご馳走して頂けないでしょうか?」


簡単にいえばそれはメシを食わせろも言うだけの話であり、これは今まで僕やお父さんやお母さんが見てきた冒険者たちとは雲泥の差だった。


有り金をすべて持っていかれる覚悟でいたお父さんとお母さんは戸惑っていたみたいだけど、

僕との約束だと言い切られては強く出る事も出来ず、作るご飯で張り切る事にしていた。


僕も台所について行くと、

台所に立ったお父さんとお母さんは料理を作りながらも口を止める事はなかった。


「…変わった冒険者様ですねぇ…」


「あぁ、我が家族は恵まれている。

黒ずくめの…たしかカナデ殿だったか、感謝してもしきれないと言うものだ…ああ言う方も居るんだな。

それにリリーも怪我がなさそうで良かった。リーフにこれ以上家族がいなくなったら可哀想で見ていられないからな。」


実際この後カナデさんが村を去った後に回復薬という高級品による治療を受けていた事に目玉が飛び出るのだが、今の僕にはそこまで説明する余裕などなくて、


今のお父さんとお母さんはそんな事など知る由もない。



僕のお父さんとお母さんが腕によりをかけて作った料理は、プロータムと呼ばれる平原に生息する大きめのネズミのような齧歯類の肉を使ったシチューであり、そこに固めのパンを浸して食べると言うものだ。


カナデさんはシチューのようなものを食べながらまたまた終始涙を流していた。

それを見たお父さんとお母さんも終始生暖かい目で見守っていた。


僕は苦笑していたが…


(…変な人だなぁ…)


カナデさんは日が落ちてきたのを窓から確認し、お父さんとお母さんに丁寧に礼をいった。


そして惜しまれながらもカナデさんは家を出て森に向かおうとしていた。


森に住んで居るのかなんて僕は思わなかった。

森で生活など全裸に亀甲縛りされた状態で氷の上を疾走するような物なのだから。


例えが悪いが、要するに危険と言う事で、

多分依頼かなにかが未達成なのだろう、僕やお父さんやお母さんはそう判断し、家に引き返した。



僕はカナデさんの後ろ姿を見ながら

その瞳に将来への決意の炎を揺らめかせた。


(僕も冒険者になってカナデさんのような人になりたい)




××××××××××××××××××××××××××××××××××




黒ずくめの男が森に入る手前で声をかけたのは気絶して意識を失っていた少女であった。


「…あの!まってください!…貴方が私を助けてくれたの?」


「あぁ、間に合って良かった…」


黒ずくめの男は少女の元気そうな姿をみて大切な回復薬を使った事による気分の曇りが綺麗さっぱりと晴れたようだった。


「ありがとうございます!えっと…カナ…カナダさん!…」


黒ずくめの男は少しずっこけたが、まぁ当然だろう。

しかし少女は気絶していたのだ、仕方あるまい。


「惜しい!名前はカナデ、宜しくね。」


黒ずくめの男は顔が緩み切っているのだが、気がついていないようだった。


「あっ、すみません!」


少女は謝罪したが黒ずくめの男は何故か気を良くしたようで終始最強のスマイルだった。


その顔でそのスマイル。

そして優しげな表情、雰囲気、物腰を醸し出す黒ずくめの男と接して、少女が何を感じたか、それはいずれお互いの運命の糸が少しでも触れ合っていればわかる事であろう。






後にこの村の付近で起こる歴史上最大規模の魔物災害。

【ロヴィスキィの惨劇】の窮地を救う青年、

軍の噂に流れた正体不明の謎の英雄、


その後の【ガルテン防衛戦】にて民衆に存在を認識され広まる事になり、


それを境に歴史の表舞台に度々登場する事となる。




【黒髪の英雄】【救世主】【黒髪の勇者】

などとと様々な呼び方で呼ばれ、


一部の男どもには【鈍感英雄】と揶揄された

カナデと名乗る黒髪黒目の青年が始めて人と接触したとされる、



最初の記録。





【カーディリア世界史・英雄邂逅編】参照。


及び【新・英雄譚】、第一章導入部分抜粋。







××××××××××××××××××××××××××××××××××
















目を覚ましてから13日目が経ち、今日の午前中は、

まぁ午後もぶっとうしでやるかもしれないが

Pointが溜まってきたのでスキルの選択もとい魔法の取得及び練習をしたいとおもっている。


ふははははは


ついに魔法が手にはいる。

手にはいれば俺には火を手に入れる事が出来る、そして水源も川まで移動せずに安全に確保できる。


ふははははは


そう思いながら【属性魔法アトリビュート・マジック】を取得する為にステータスのスキルの欄を開く。



属性魔法アトリビュート・マジック


:1属性毎Point消費、全10属性+1


消費Pointは下記


ーーーー

風属性:消費ポイント[1]

雷属性:消費ポイント[2]

ーー

火属性:消費ポイント[1]

炎属性:消費ポイント[2]

ーー

水属性:消費ポイント[1]

氷属性:消費ポイント[2]

ーー

土属性:消費ポイント[1]

岩属性:消費ポイント[2]

ーー

光属性:消費ポイント[2]

闇属性:消費ポイント[2]

ーーーー

専用スキル


全属性:消費ポイント[10]

ーーーー



ふふふふふ


ふはははは


だめだ笑が止まらない…

やっとこのスキルを手に入れる事が出来る。

この最後の全属性を取得する事が出来れば俺はお肉を焼いて食べる事が出来る。


取得しない取得する?

もちろん取得するに決まっている。

俺は頭の中に浮かぶ文字を慎重に選んでゆく。



全属性のスキルを取得しますか?


[YES]or[NO]


YESの方をぽちっと押した。




10Pointを消費して全属性スキルを取得しました。


残存Pointは[0]Pointです。


能力(スキル)を確認してください。



俺は早速前回増えたスキルも合わせてステータスを確認する事にした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


半人族(デミヒューマン)[lv:11]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦儛技師ダンズ・ワー・トリッグ


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:1153/1200


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:中】

new!【剣術補正:強】【魔力探知:中】

mew!【体力補正:強】【解析の眼(アナライズ・アイズ)

弱点解析ウィクネス・アナライズ】new!【縛りの咆哮(バインド・ロア)

new!【下克上】new!【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック


残存Point:[0]


加護:なし


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【剣術補正:中】→new!【剣術補正:強】



【体力補正:中】→new!【体力補正:強】



new!【縛りの咆哮(バインド・ロア)


このスキルは自分よりLevelの下の敵を高確率で硬直させる効果があり、

俺が咆哮なんで出来るのか分からないが使える場面は多そうだ。

[剣角熊(ブレイドホーンベアー)]希少種の持っていたスキル【強者の咆哮】をラーニングした時に手に入れた物だろう。



new!【下克上】


これは自分よりLevelの高い敵との戦闘でのみ、多くの能力が上昇するスキル。

かなり使えそうな匂いがするし、実際使えそうだった。


上昇する能力は

戦意[中]上昇

戦闘力[中]上昇

速度[弱]上昇

痛覚[中]軽減


となっていた。

痛覚が軽減って事は痛みを感じづらくなるのだろうか、このスキルの穴と言う事だろう、痛覚が無いと言う事は肉体の発する活動限界の信号まで遮断してしまうことに他ならないのだから…

そこは気をつけた方が良さそうだ。



new!【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック


そして最後に、前々から欲しかったスキルであるこれの使用可能な属性は今現在、確認されている全ての魔法である。


風属性魔法

雷属性魔法

火属性魔法

炎属性魔法

水属性魔法

氷属性魔法

土属性魔法

岩属性魔法

光属性魔法

闇属性魔法の全10属性であり、


使える魔法の形態は、


【各属性弾】勿論一回に発動できる数は原則1つであるし、全ては魔力量に依存する。

上位にいくほど消費魔力は増えていき、

今の俺では下位を数十発放つ程度か中位を1〜2発程度が限界だろう。

あくまで自分の魔力総量を魔力探知によって測っただけなので曖昧だが。


【各属性の槍】

これも弾と同じく纏めてしまえば、(本数は魔力量に依存.上位程消費魔力増)こうなる訳だ。


【各属性の盾】

この盾も纏めてしまえばこうなるのである。

強度は一定であり、

連続で展開出来る枚数は魔力量に依存し、

上位に行くほどに消費魔力が増えていく。

これだけの事である。


最後に各属性の最上位固有魔法が1つずつあるらしいが、今の俺には夢のまた夢である。


全てに下位、中位、上位、最上位が存在し、

上位と最上位は使う魔力が段違いに多く、発動も難しく制御も大変らしいし、

最上級を扱える術者に至ってはここ数百年確認されていない。


魔法形態はこの【弾】【槍】【盾】【最上位固有】の4種類が基本だと思われる


それと独立して光属性魔法には回復魔法があるらしいが、

燃費が悪いらしく俺の場合は回復系のスキルを取得した方が良さそうだ。


属性のわかりやすい特徴というか、似た属性での優劣は、

火属性より炎属性の方が強力、

水属性より氷属性の方が強力、

風属性と雷属性はどちらも強力らしい、

土属性より岩属性の方が強力、

光属性と闇属性は相反している、

適当に言うとこうなるが、実際のところは一長一短であり、鵜呑みにして勝敗のアテにする事は出来ない。



火は火を飛ばす、

炎は取り敢えず爆発する、

水は水を飛ばす、

氷は凍らす、


これをみると確かに炎と氷の方が強力だが使い所を考えるとやはり適材適所であり、炎が強いからと言って直ぐに爆発してしまうので肉を焼くときには使えないのだ。


だって肉が爆発したら食べられないからな。

炎はもっぱら戦闘向けだ。


他にも色々とあったが、

あまりにも長い解説だったため割愛する。


そして最後にカラフルな髪の色について。

髪の色に属性は色濃く現れ、

この世界の人間は1属性しかもっていない。

本当に稀に、マジ稀に、極稀に、それこそ世界中さがして1人位はツートンとかいるみたいだけど…

今は居ないらしい。←解説に書いてあったから信憑性大。


つまり髪の色は属性と同じ色であるという事は分かった。





しばらく経って、俺は魔法の解説についてすこし混乱していた。


あれ?やばくね?俺……詰んでね?


いや、少しじゃなかった。

森の中で1人できょどっちゃう位には混乱していた。


全属性とか1番目立ってろくな事にならないだろ…

世界で浮いちゃったよ…

しかも黒髪だし…

茶髪ならまだ言い逃れできたのに…


介入してきた※※※(※)←こいつ絶対分かっててやったんだろうな…


…なんが高笑いが聞こえたが空耳だろう、そう信じたい。


ま、取得してしまった物は仕方が無い。

いつまでもこんな事で悩んでいても先には進まないからな。



そんな事を考え、ふと上を見ると太陽が真上にあった。


「あぁ、昼か…もうこんな時間か…」


俺はポーチからキウイモドキをとって噛り付いた。


いい加減この甘さにも慣れてしまった。

あのシチューが美味しすぎたな。
















少女と少年のレベルを修正しました。


話を修正しました

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