106話≫〔修正版〕
これからもソウルムーブをよろしくお願いします。
30日目の朝。
冒険者のランクがBに上がってから数日だったが、その間は特に語る事は無かったので割愛。
相変わらず寂しくソロ活動をしているが、
そろそろ仲間が欲しいとか思っちゃう年頃である。
そして今日は小都市ウォルテッドを発ち、
城塞都市ガルテンまで向かう道のりを歩き出す予定だ。
ダインの言いなりになるのはなんとなく癪だが、
いろいろと報酬も出るらしいので納得する事にした。
まぁ、負けたら人類滅ぶかもしれないからお金出し渋るなんてアホな貴族くらいしか出来ないんだけどな。
エイラや【ピアロマイアスの麗槍】、
【オルペイの竪琴】、
それにローランドやカマさんには既に城塞都市ガルテンに向かう事は告げてあり、
女性陣の数人とローランドには泣かれた俺がいなくなるのが泣くほど嬉しいのだろうか…
若干しょんぼりしつつ街を出て森の横にある土の道を進む。
というわけで現在、3匹のゴブリンに囲まれている。
今回は不意打ちなどでは無い。
森の方からずっと俺の方を伺う魔力反応があったので様子を伺っていたら我慢できなくなったのか飛び出して来たのだ。
カナデ、久しぶりのゴブリンと戯れる事にします。
でも油断はしないので余計な事を一切せずにゴブリン達を切り伏せる。
最後の一匹となったところ逃げようとしたゴブリンに狙いを定め、
足元の地面の土が盛り上がる事を強くイメージし魔力を放つ。
【概念魔法】オリジナルスペル
「ー【汝大地と同化せよ】ー」
「ギィイ!?ギィギィギィ!!」
地面のから突き出した土がまるで触手のように足を絡めとり、
ゴブリンはバランスを崩し無様に転んだ。
土はそのゴブリンの身体に容赦無く縄のように巻きつき拘束し縛り上げた。
そこで雑念が混ざったのか亀甲縛りになったが…
「グエッ……」
俺は無言で首に剣を突きたて絶命させた。
そして死体を一箇所に纏めて魔法を発動させた。
スキル
ー【全属性魔法】ー
発動
火属性下位弾魔法発動
「【火の弾】」
そしてゴブリン達を全て下位魔法で燃やし灰になるまで燃やし尽くし、歩き始める。
出だしは好調。
俺は疎らに雲が点在する青い空を眺めながらこれから飛び込む死地に思いを馳せた。
もう俺はおかしくなっているのかもしれない。
この地平線の先で戦いが待っている…
それを一瞬でも、楽しそうだと…
思ってしまったのだから…
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ゴブリンを倒してから2日の間は、
森の浅いところの木の上で【魔力探知:強】と【野生の本能】で警戒しつつ、
【血分体】で狼の分体を5匹ほど召喚し周囲の警戒に当たらせながら寝た。
そうして32日目の朝。
もうこの世界で目が覚めてから一ヶ月がたった。
短い筈なのに濃厚で中身の詰まった一ヶ月前だった。
前の世界では味わえない高揚感も得られた。
俺は木の上という悪環境のなか、
…まぁ慣れてはいるんだけれども、
そんな事を考えながら二度寝しようとしたが、
遠くで剣がかち合う金属音や爆音、
そして悲鳴が聞こえたので直ぐに意識を覚醒させ、目を覚ます。
即座に【魔力探知:強】の範囲外から聞こえてくると察知し、木の上から飛び上がり剣の打ち合う音のした方向を目指した。
もちろん狼の分体は周囲に潜ませていざという時に警戒させておく事は忘れない。
そしてかなり使いやすく同時に使用頻度のたかいアイオロスを発動する。
魔力消費は激しいが長時間使わなければ今はそこまで苦痛ではないし戦闘にも支障はない程度まで効率も上がったからだ。
【概念魔法】オリジナルスペル
「ー【我一陣の疾風を纏う】ー」
下腹部にかかる負担を魔力の操作で極限まで減らし上空に身を踊りだし飛翔する。
15mほどまで上昇し風に足をかけ踏み抜く。
そして徐々に喧騒が大きくなるなか、
一際大きな爆発がおこった。
爆発の周囲を囲むのは10人程の男たち。
皆赤いローブを纏い杖を握りしめ必死に詠唱しているのか。
ここまで声が聞こえる。
「我、炎神ヘスティナの眷属!!
魔力を糧に炎の槍を授けよ!!
【炎のギャァァァァァ」
「く、くそっ!撤退だ!!…こんな所でっ!」
俺は普通に男たちの近くに着地し気配を消しながら見守っていた。
男たちは皆赤い服装で胸には帝国を示す獅子の紋章が刻まれている。
あぁ、帝国ね…予言にあった王国の混乱に乗じて攻めようとしてるのか?
エルフの国は中立らしいし帝国にも情報は渡っているだろうからな。
どうしようかな…この戦いが終わったら色んな所旅したいし…
顔でも隠すか…
そう思いフードを深めに被っておく。
黒髪はもう面倒なので隠すのはやめた。
ガルテンに行けば俺の事を知る人なんて居なくなるだろうし、
情報が伝わってくる頃には俺はもうトンズラこいてて居ません。
これに決めた。
ちなみに帝国兵と思われる兵士は、
爆心地を囲むの5人(あ、今1人やられた)の多分魔術士。
それと指揮官っぽい魔力量的に魔術師の方。
そして周りにいっぱい倒れてる騎士っぽい人達とか歩兵っぽい人たち。
後は魔術士の近くにちらほらと騎士っぽい人達が数人。
合計で4人の魔術士と1人の魔術師
そして、ひぃふぅみい…
8人の騎士っぽい人達、これで全員のようだ。
生存者は全部で13人だな。
…少ない。
何処かの村でも襲って拠点にしてから増援を寄越そうとしていたのだろうか?
死体もあわせて30人程度しかいないようなきがする。
爆心地の煙が収まっていくとそこには黒い影が蠢いていた。
煙の中から姿を表したのは巨大な、[砂蚯蚓]。
表面の皮膚が焼けただれているが中にダメージは通っていない様に見える。
すぐにステータスを解析する。
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[砂蚯蚓]lv:45
[解説]
Bランク上位の魔物。全長15m
れっきとした偽竜の一種であり、
見た目からは想像できないパワーを誇る。
土の中を自在に移動する為討伐が困難であり、
口に付いた無数の歯は刃の様に鋭く危険。
都市部を避ける習性があり、
農村部や森の中などにたまに出現する。
【土属性無効】
【炎属性耐性】
【打撃脆弱】
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どうやら30レベルを境に随分と分かる範囲が増えたみたいだ。
相手のもつスキル、もしかしたら一部かもしれない為油断は出来ないが暴けるのは僥倖、
俺はまず害にしかならない帝国兵を始末する事にした。
何故か、俺がサンドワームを倒しに入れば彼等が希望を持つ、
ただ単にその後に殺すのは気が引けるからだ。
もちろん魔術師っぽい指揮官は残すが。
【隠密】で気配を消しつつ、
ウォルテッドで拾った謎の仮面を装着する。
しいて言うならベネチ○のカーニバルでつける仮面と酷似している。
仮面舞踏会にいけそうな感じだ。
実はこれ、掘り出し物で道端の露天のゴミ箱に捨ててあったのだ。
多分買ったのはいいけど使い道が分からず捨てたのだろう。
それに目が行きステータスを見た瞬間笑ってしまったのだった。
そして驚いた。まさかこんな所に、
【魔道具】があるなんて、とね。
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【魔道具】
名称:【嗤いの仮面】
ランク:C
解説:仮面が勝手にニヤリとするギミック付き。
効果:【状態異常/恐怖】
【状態異常/混乱】
製作者:
ーーーーーーーーーーーーーーー
初めて見つけた魔道具の効果にがっかりしたが、これも1000年前の遺物。
いろいろと分かる事もあるだろうし、
落ち着いたら遺跡をめぐってマジックアイテムを探すのもいいかもしれない。
それにこの仮面の効果、指揮官を捕まえた後は役立ちそうだ…
そう考えつつも身体の動きは止めず、
俺は魔術士の1人の背後に回り込み短剣を首に突き刺した。
【SideOut】
『半人族[lv:32]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:1010/3300
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:大】
【剣豪:Ⅰ】【魔力探知:強】
【体力補正:強】【筋力補正:中】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【竜種の咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:強】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血分体】【下位従属】
【魔法威力補正:中】【魔法命中率:強】
【超回復】【粘糸精製】【識字】
【色素調整】【剥ぎ取り補正:弱】
残存Point:[16]
所持金:[1096300エル]
称号:【魂を鎮める者】
【英雄の国の者】
経験値300を獲得しました!
本日16:40
日間ファンタジー Best.13位。
総合評価10,000pt
これも読者の皆様方のおかげです。
ありがとうございます。
嬉しいです。
基本無表情がデフォの私デスが、
最近は授業中でも頬が緩んでます。
それと本日20:00更新の
ソウルムーブ113話≫〔修正版〕の後書きにて今後の更新についてのアンケートをやります。
よろしければご参加ください。
m(_ _)m




