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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【魔物の侵攻】
84/145

101話≫〔修正版〕



そしてこの話から3章開始ですが、

いきなりフラグの回収です多分。


よろしくお願いします。












窓から差し込む淡い光の筋が瞼を照らし、次第に意識がハッキリとしてくる。


今日は28日目の朝。


【エスナの地下迷宮(ダンジョン)】からノロノロと帰還した(主にローランドのせいだが)。


その日は小都市ウォルテッドに帰って来てから直ぐに【猫丼亭】で泥のように眠り、

そして今日、カマさんがギルドマスターのダインに今回の件を報告しなければならないらしい。


俺も同席させられるらしいが多分、

最速の1日で全階層攻略し、さらに最下層の

骸古龍エンシェントアンデットドラゴン】を討伐までした事と俺の実力を見たカマさんから情報を引き出したいのだろう。


もちろん後者は全力で阻止するが…


因みにローランドは協会で聖水を浴びながらエンシェントアンデットドラゴンに浴びた有害な腐肉や魔素の浄化をしてもらっている、らしい。


腕は流石に治らないらしいがローランドは命があるだけマシと言い張り俺の罪悪感を消そうとしてくれた。


なんかいい奴すぎてほんと泣けてくる。


取り敢えずドイノフさんに3日分=9600エル

銀貨9枚銅貨6枚を支払い裏庭の井戸に水浴びをしに行く。


流石に昨日帰って来たまま寝た為か随分と汚れが酷いのだ。


取り敢えず臭い。

腐った卵にドリアンぶち込んでドブに棄てて爆破させたような感じだ。


うん、全然伝わりそうにないな。


取り敢えずシーツを洗濯するドイノフさんが泣く事は決まりそうだ。


魔法の練習のついでに宿の裏手の裏庭にある広場に設置された井戸から水を【循環(サーキュレーション)】の概念を使い取り出す。


さしずめ【水流操作】と言った所だろうか。


相変わらず魔力はゆったりとしたものの着実に削れているが、前回よりはいくばか操作にもなれ、滑らかに水が動くようになっている。


それを身体に纏わせながら装備ごと洗浄して行く、勿論装備と肌の間にも水を通し洗っていくのも忘れない。


ひんやりとした水が触手のように身体を伝うが不思議と嫌な感じはせず身体が綺麗になって行くのを感じる。


次に風に魔力を通し俺の身体中を走らせる。


まぁ、前の世界で言うとドライヤーの様な効果を持つ生活魔法というやつだろう。


この魔法は【風力操作】と言った所か、俺はこれらの自由度の高い失われた魔法を一括りにし、

概念魔法(コンゼプト・マギ)】と仮称することにした。



この魔法はこれからもさらなる進化を遂げる事となり、

俺の武器となるのだが、

今の俺には知る由もない。



暫く【風力操作】を操作し身体を乾燥させる。


これくらいの小規模な魔法は今の俺の制御力や魔力量なら問題なく使えそうだという結論に至ったが、

概念魔法(コンゼプト・マギ)】での攻撃は今の俺だと、魔力を空にするくらいの勢いでないと使えないと判断し保留とした。


裏庭から宿に戻ると既にドイノフさんが朝ご飯の用意をしていた。


今日は【魚怪人(サハギン)】のフライを挟んだトーストが2つとサラダがだった。


フライには【魔根草(マンドラゴラ)】の根を煮た滋養効果の高いソースがふんだんに使われていて深いコクがある。


格好つければ

[サハギンフライのマンドラゴラソース添え]

みたいな感じになるだろう。


齧るとアジのフライを食べている様でとてもうまかった。


因みに【魚怪人(サハギン)】はDランクの魔物であり、

醜悪な見た目からは想像できないあっさりとした白身が人気で、

よく中堅の冒険者に狩られ一般の家庭でも大事な日に出るくらいの需要はあるらしい。


サハギンハンターなんてアホな職種の人間も居るそうだ。


アホは言いすぎたな、サハギンハンターさんも生計を立てるのに必死なんだろう。



するとサハギンのフライを出すこの猫丼亭は値段の割に中々よろしい宿なのでは無いだろうか、得をした気分だ。


因みに【魔根草(マンドラゴラ)】は最低ランクのEランクの魔物だが、

土から抜いた瞬間にスキルの悲鳴をあげる為に混乱に陥り大変なことになるらしい。


因みに【魔根草(マンドラゴラ)】は土から抜いたらすぐに亀甲縛りをしなければ泣き止まないらしく、

俺はファンタジーの謎をここに感じた。


いや、亀甲縛りがファンタジーなのかは分からないが。



ーもきゅもきゅー



サラダを完食したあと、

猫丼亭の看板親父ドイノフさんに礼をいい宿を後にする。



【猫丼亭】をでて冒険者ギルドへ向かおうと宿を出ると横合いから聞きなれた声が聞こえた。


「あーカナデ君だー!」


「え!?どこどこ!?

って…あ……

お、おはようございますっ!」


横からかかった声はミーシャとロゼッタさんだった。


朝方なのでミーシャの目は絶賛半開きだが相変わらずバストは元気なようでゲフンゲフン…


ロゼッタさんは俺の事が嫌いなのだろうか?

とても気まずい顔をされてしまった。


「あ、おはようございます。ミーシャとロゼッタさん。って…あれ?ベルベットさんとアイラさんは?」



そういえばクラン【ピアロマイアスの麗槍】のメンツが足りなかった。


「【エスナの地下迷宮(ダンジョン)】行ったから今日はお休みなんだよー。」


「ベルとアイラはまだ宿で寝てると思いますよ?昨日は夜遅くまで呑んでいましたの…で…」


成る程、今日は休暇みたいなものか、

確かに戦場に身を置いているのと大して変わらない職業だ、

時々休まないと精神的にも辛い物があるだろう。


「あの…この後何か予定は?」


ロゼッタさんがおずおず、と言った感じで聞いて来たが、

俺はこれからカマさんとダインに会いにいかなければならないのだ。


「あぁ、これから冒険者ギルドに行かなきゃ行けないんだ。」


「どんまいだねーロゼッター。ふふふっ。」


ぽよよん、そんな擬音が聞こえて来そうなミーシャは何故か肩を落としたロゼッタさんを引きずりつつ「ばいばーいまたねー」と手を振りながら人混みに消えて行った。


さて、俺もそろそろ冒険者ギルドに行かなければならないな。


俺は冒険者ギルドに足を進めた。




冒険者ギルドウォルテッド支部、


入り口をくぐり抜け受付へと向かう。


今日はまと依頼を受けるつもりはない為、

板に張り出された無数の依頼書は見ていない。



受付には見目麗しい数人の受付嬢が座っていたが、

その中に知り合いを見つけたのでそこにいく。


「ようこそ、冒険者ギルドウォルテッド支部へ!…あ、カナデさん!無事だったんですね!あの後カナデさんがAランク冒険者の方と一緒に【エスナの地下迷宮(ダンジョン)】の方に行くの見たんです!心配でした!」


え?あぁ、まぁカマさん目立つもんね…


バシバシバシバシバシバシ!!


それと若干前のめりになっているエイラのうさ耳がピコピコしすぎてさっきから俺の顔をバシバシ叩いているのだか、

どうやらエイラに気がついた様子はないようだ…


動くのに感覚ないのか?

それとも気がつかないだけなのだろうか?

もちろんそんな無駄な思考などは表情にださないが。


「あぁ、無事に帰ってきたよ。この通りピンピンだよ。」


実際死ぬかと思ったけどな。


「よ、良かったぁ…あ、ご用件が有りましたら先にギルドマスターが及びですのでその後にお願いしましゅ!……ふぇぇ」


噛んだ…


うさ耳の美少女であるエイラは顔を真っ赤にして俯いてしまったが最後に小声で「…案内しますぅ…」と言えたのはギルドの教育の賜物であろう。



だから階段を登って行くエイラの健康的なお尻にちょこんと乗っかった真っ白な尻尾を追いかけてしまったのも仕方ない事だ。


あなどれん冒険者ギルド!


そんなアホな事を考えつつエイラのうさ耳や尻尾を眺めていると、

どうやらギルドマスターの部屋までついたようだ。


エイラが「ギルドマスター、カナデさんがいらっしゃいました!」というと一言、


「入っていいぞ。」と簡潔な返事がかえって来た。


エイラは俺を送り出す寸前、

軽くガッツポーズをしながら小さく「頑張って」と言ってくれた。


元気出ました。まぁ頑張ってみます。


特に俺の実力とかそこらへんの隠蔽をね、

ダインには結構ばれ気味な気もするが…


部屋に入ると受付嬢のシナモンさんが扉の横に控えていて軽く会釈された。


日本人気質なので俺も反射的に会釈を返して部屋を見る。


奥にどっしりと置かれた木目のある巨大な木の机を挟んで並ぶソファーにカマさんとギルドマスターのダインが既に着席していた。


まずいな、既に話されているかもしれないな。


俺は足早にカマさんの隣に腰をおろしダインを見据えた。


「よし、集まった事だしそろそろ話を始めようかの。

今日はわざわざギルドまで足を運ばせてすまんな。今日呼んだ用件は…

骸古龍エンシェントアンデットドラゴン】の討伐の証明と報酬、そしてカナデのランクの話だ。」


俺のギルドのランクの話を持って来たって事は既にダインには情報が流れているのか?


俺は表面上取り繕いながらダインには問いかけた。


「ダインさん、俺はカマさんの援護として魔法を数発撃って補助していただけです。

特にこれと言った事はしていないのでランクは変わらないと思いますが…」


言外に俺は何もやっていない、と宣言する。


だがダインは笑みを深くするだけ、

その瞳の奥には俺の嘘はすべて見通してあると言わんばかりの感情が溢れ出している。


「なに、安心するがいい、実力に似合ったランクにしておくさ。まぁ、周りの冒険者が騒ぎそうな物だがな…」


にやり、そんな擬音さえも聞こえて来そうな不快な笑みだった。


「ギルドマスター、その辺にしておけ、カナデで遊ぶのは辞めろ。」


カマさんが俺の擁護をし始めた。

するとダインはさらに笑みを深め意味深に呟いた。


「…ほう、Aランクにすら認められたのか…やはりあの時の魔力と存在感は本物か…」


それはカナデには断片的にしか聞こえなかった物のあまりいい物ではないと推測した。


カマさんには聞こえたようで拳を握りしめていたが。


「まぁ、ここはAランクの顔を立てて辞めておこう、ほれ、これが報酬だ。

ローランドと言う冒険者にも渡す事になった。だからワシの方からも伝えるが、先に会ったら知らせておけ。」


ダインが皮袋を懐から2つ出し机の上にどしっと乗せた。


俺はその中身を見て驚愕した。


中に入っていたのは相当数の金貨、少なくとも100枚はあるのではなかろうか。


余りにも破格、嬉しさよりも疑問や警戒が先立つのは必然と言えた。


それはカマさんも同じだったようで訝しげにダインを睨んでいた。


「おい、糞爺。何を企んでいる…」


カマさんがギルドマスターに暴言をはくが、立場的に大丈夫なのだろうか、

いくらAランクとはいえギルドマスター相手に…


だが、ダインはそれを笑って受け流しワシの実費で色をつけたと抜かした。


その政治家の様にするりと交わす軽い言葉に血が登り魔力の枷が外れかける。


だいたい内包される魔力量の半分程だろうか


漏れ出した瞬間、まず受付嬢のシナモンが気絶した。


高密度の魔力を直接浴びる事による所謂魔力酔いと呼ばれる物だ。


次にカマさんが驚愕に顔を歪め俺の腕を掴み「落ち着け!」と叫んだ。


その言葉に少し頭が冷え冷静になるが、

次のダインの言葉に驚愕する事となる。


「ふはは…見えない…底が見えない…凄い…お前は何者だ…何処から来た!何が目的だ!ワシには分かるぞ!伝承と同じ黒髪黒目の男よ!戦士の血が疼いて仕方がないわ!!!!」


(伝承と同じだと…英雄譚の事なのか…)


次の瞬間、目の前のダインの魔力が膨れ上がるのを知覚する。

反射的にスキルを発動させる。


スキル【下克上】発動


瞬間的にスキルで己を強化し、

そして突き出されたダインの拳の攻撃を腕をクロスし受け止めた。


「…なぬっ!?」


流石にこれは防がれるとは思っていなかったのだろう、

一瞬ダインの顔が驚きに染まる。


だが俺はそれどころでは無かった。

この世界で何回目になるのだろうかわからないが、切れた。


お前には場をわきまえるって言葉が無いのか?


お前は人間なんだろ?

好戦的な性格を抑えろよ。

ギルドマスターだろうが。


「上に立つ奴が立場と場所わきまえんでどうするんじゃコラァァァァア!!!!」



そんな事思いながらも結局は俺も切れる。

もう何が何だか分からないが取り敢えず本能にバトンタッチしてみた。


【筋力補正:中】のスキルがもろに自身の筋力に変わり、

瞬間的に内包されたパワーが爆発的に増えるのが感じられる。


俺はその勢いに任せアホ(ダイン)を殴った。


「カナデ!おちつ…」


カマさんの声が聞こえたよくな気もしたが関係ない。


俺は接触した拳を全力で振り抜いた。


「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


「ぐおぉぉぁぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


ダインはわずかに回避が間に合わず脇腹に拳を受け後ろの壁を突き破り、

5階にあるギルドマスタールームからウォルテッドの城壁の外周部の森まで吹き飛ばされた。


ギルドが城壁と近いというのもあるが、

まさか拳一つで城壁を飛び越え森の方に飛ばされるダインを見てカマさんは唖然としていた。



『GURAAAAAAAAAAAA!!!!!』



俺は無意識に【竜種の咆哮(ドラゴ・ロア)】を発動し咆哮しながらダインを追うように跳躍する。


更に【概念魔法(コンゼプト・マギ)】の

【風力操作】を使い身体に風を纏わせ加速し飛翔せんと記憶の棚にしまいこまれた厨2的アイディアを掘り出す。


これが俺の【概念魔法(コンゼプト・マギ)】の原点とも言える最初の魔法。



概念魔法(コンゼプト・マギ)】オリジナルスペル




「ー【我一陣の疾風を纏う(アイオロス)】ー」




発動キーを紡いだ直後、

頭の中のイメージの歯車ががカチリとはまる。


そして頬を撫でる風が魔力と混ざりまるで生き物の様に脈動し、

俺の脚部に纏わり爆発的な速度をもって城壁をいともたやすく飛び越えた。


【魔力探知:強】によりダインは補足されている。


未だに森の一部から動くとこなく立っているようだが、

腹部からわずかに魔力が漏れているのが分かる。

これは俺の殴った傷による物だろう。



ブォォォォォオォァ!!!!!!!!


ズドオォォォァン!!!!!!!!



土や草を巻き上げ地面にクレーターを作りながらもなんとか着地する。


その時、膝の関節に若干の痺れが走った事からこの魔法はまだ改良が必要だと判断して直ぐにダインに意識を向けた。


土煙が晴れた時、ダインが苦痛と驚愕を内包した表情で俺を見つめていた。



「や、やはり…その魔力…そしてその力…


栄光の時代の英雄、


イツキ=アマネ様と同じ…


異世界人(・・・・)か…」



「ッ!?……今なんて言った!?」



「やはり、君は生き残りでは無いか…、となると迷い混んだ者達か…」


ダインは僅かに血濡れた脇腹を抑えながら驚愕の真実を話しだした。




××××××××××××××××××××××××××××××××××




そのころ立ち直ったカマさんは駆けつけて来た受付嬢にダインの戦闘狂ぶりを説明したら納得されたという。


「あの爺は普段から何をやってるんだ…」


「主に戦闘ですね…」


「あぁ、想像できてしまったよ…」


「私達職員も諦めていますので」


「……」



そんなカマさんと目を覚ましたシナモンさんの会話であった。



【SideOut】



半人族(デミヒューマン)[lv:32]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦舞技師ダンズ・ワー・トリッグ】/【全属性魔術師オール・アトリビュート・ウィザード


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:710/3300


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:大】

【剣豪:Ⅰ】【魔力探知:強】

【体力補正:強】【筋力補正:中】

解析の眼(アナライズ・アイズ)】【弱点解析ウィクネス・アナライズ】【縛りの咆哮(バインド・ロア)

竜種の咆哮(ドラゴ・ロア)

野生の本能ワイルド・インセィティクト】【下克上】【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック

【魔力量増大:中】【隠密(スパイ)】【暗視(ナイトヴィジョン)】【魅了(チャーム)

【砂塵の爪甲】【魔法操作:強】【思考加速(アクセラブレイン)

瞬間移動(ワープ)】【予測の眼(ヴィジョン)】【血分体(ブラッド)】【下位従属】

【魔法威力補正:中】【魔法命中率:強】

超回復(ハイ・リカバリ)】【粘糸精製】【識字】

色素調整ピグメント・アジャストメント】【剥ぎ取り補正:弱】


残存Point:[16]


所持金:[1096300エル(109万6千3百エル)


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)

英雄の国の者カントリーキングダムパーソン







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