97話≫〔修正版〕
よろしくお願いします。
サイクロプスを下した後。
俺とカマさんは3階層の入り口の前に立っていた
この先で俺は返り討ちにされた。
だが1時的とはいえ、今は隣に頼もしい仲間がいる
「俺は昔クランで何回かここに潜った事がある。確か、メインの魔物はビックアーミーモンキーだったか、気を引き締めていくぞ。」
そう、[軍巨猿]俺がこいつらを越えなければ道は開かない
俺とカマさんは3階層への扉を潜った
扉を潜れは直ぐに待ち構える2つの影。
今回は不意打ちを狙うつもりはない様だな。
体調は2m程、盛り上がった筋肉のついた巨大な2本の腕
そこから繋がる胴は金属のような赤銅色の毛に覆われていて簡単に剣を通す事は難しそうだ
武器こそ持たないが、その手の甲はまるで岩のようにゴツゴツしている
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[軍巨猿]lv:27
[解説]
基本的に2匹で行動し群れが合わさるとどんどん2の倍数で増えていく
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「ギャギャギャギャッ!!!!」
(…【下克上】は使えない…そして前回よりもレベルの高い相手か。)
ビックアーミーモンキーが叫んだ直後、1体がカマさんの方へ飛び出した。
「カマさん!俺とカマさんで1体ずつ持ちましょう!」
「おう!……任せろッ!!……ッ!?…」
今のカマさんと同系統の戦闘スタイルだからな、肉弾戦になっているのだろう。
俺は残る1体へと向き合った
「怖いのは連携だ、お前らは同数の拮抗した実力の相手には不利になる。」
ビックアーミーモンキーの表情は僅かに強張った、ような気がした。
「油断はしない!!最初から全力だ!!!」
俺はスキルを発動させながら前のめりになり地面を踏み抜く
スキル【予測の目】発動
次の瞬間、辛うじて反応したビックアーミーモンキーの動きをスキルが捉え予測する
〈右肩を殴る〉
俺はバックステップで回避しながら様子を伺う
〈左肩を狙ったストレート〉
半身を捻りながらバックステップで避ける
〈右脇腹を狙ったフック〉
一撃をビックアーミーモンキーの隙を突く為に今はひたすらに避ける
〈顔面を狙った大振りのアッパー〉
来た、俺は上方に振り抜かれた拳を半歩下がる事で回避、この距離だと剣を抜く時間がロスだ。
剣を抜く事を諦め、短剣を両手で抜き放ち振り抜かれた腕の先、
腕の付け根の脇の腱を力に任せて切り裂いた。
「ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
だがビックアーミーモンキーもすぐに残りの腕を振り回し牽制して来た。
俺はすぐにバックステップで距離を取る。
ビックアーミーモンキーの左腕はだらりと垂れ、腕には大量の血がつたっているのが分かった。
眼はひたすらに俺を睨み、
牙を剥きながら唸っている。
手負いの獣ほど油断ならない物は無い。
次の瞬間、地面を踏み抜くビックアーミーモンキー。
直線で俺に飛びかかる軌道。それに速度を合わせつつ、剣を抜いた。
戦舞技ー【円扇斬り】
腰を落とし軸足を中心に回転し、円を描きながら迫るビックアーミーモンキーの鼻っ面に向かって斬り込む。
剣を振り抜いた時、そこには上下に分かたれたビックアーミーモンキーの亡骸があった。
カマさんの方をみれば、どうやらあっちも片付いたようだな。
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飛びかかるビックアーミーモンキーを避けると同時にカウンターで顔面に拳を叩き込む。
ビッグアーミーモンキーと対戦したのはいつぶりだろうか…
俺がクランを組んでいた時、散々苦戦した相手だ。
いつから俺は1人で相手取れるようになっただろう。
それは多分、あのクランであった出来事がきっかけの1つなのだろう。
人族の一生はそう長く無い。
せいぜい生きて70年位だろう、
その中でここまで辿り着くのに35年…
俺の年齢は既に45を越えた。
そうしてやっとAランク冒険者まで上り詰める事が出来たが、
長かった。
呆れるほどに剣と拳を振り続けた。
呆れるほどに仲間の死を見て来た。
呆れるほどに魔物を殺した。
呆れるほどに人も殺した。
そうしてやっと冒険者の中では最高峰、一握りしかいないレベルにまで到達する事ができたが、もう先は長くない。
視線の先でビックアーミーモンキーを相手取る青年は見かけによらない寿命を持った種族なのだろうか。
気にしないようにしていたが、目の前でビックアーミーモンキーをああも簡単にあしらわれては疑問の1つも浮かんでしまうだろう。
ビックアーミーモンキーが右の拳を振り抜いて来た。
俺はそれに合わせて左の拳を振り抜き相手の拳を砕く!!
「【巨人の拳】!!!!オラァァァ!!!!!」
カマバール・リードレールとビックアーミーモンキーの拳がぶつかり合う。
ぶつかり合った所を爆心地にしたかの様な爆風が辺りを吹き荒れる中で両者は吠えた。
「グォラァァァァァ!!!!!!!」
「ギョエッ!?」
圧力に負けたビックアーミーモンキーの悲鳴が響く中で、カマバール・リードレールは更に一歩踏み出し、魔物とかち合っている拳を振り抜いた。
ーーバギョッ!!!
ーーメキメキメキメキッ!!!!
「ギャァァァァァァァァ!!!!」
腕が正面から銃弾を受けた様にめくれ上がって千切れてゆく。
カマバール・リードレールは怯んだビックアーミーモンキーの隙だらけの顔面にもう一度巨人の一撃を放った。
「【巨人の拳】!!!!!!!!!!!」
顔面が砕け、眼球が吹き飛び脳髄が辺りにぶちまけられた。
【SideOut】
『半人族[lv:27]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:1005/2800
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:大】
【剣豪:Ⅰ】【魔力探知:強】
【体力補正:強】【筋力補正:弱】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:強】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血分体】【下位従属】
【魔法威力補正:中】【魔法命中率:中】
【超回復】【粘糸精製】【識字】
【色素調整】【剥ぎ取り補正:弱】
残存Point:[6]
所持金:[105900エル]
称号:【魂を鎮める者】
カナデは経験値500獲得
※[カマさんは経験値500獲得]
[!]パーティ打倒により経験値分割されます。
経験値500を手に入れました




