87話≫〔修正版〕
よろしくお願いします。
小都市ウォルテッドの南側の城門をくぐり街の外にでて、
しっかりと整備されていない土や砂利で出来た簡素な道を進んでいく。
そうして歩くこと1時間程だろうか、
先の方に薄っすらと見える黄緑の大地が見えてきた。
異世界に来てからは良い意味でも悪い意味でも驚かされてばかりだ。
地平線で寄り添うように重なり合う蒼と緑、
空には雲が疎らに浮かび大空高くを羽ばたく巨大な極彩色の双頭鳥が見える。
って…あれ?
最初に目が覚めた時も見た気が…
…気のせいではない。
確かにあの鳥は一度見た事がある。
まぁ、そんな事は良い。
俺が空を飛べるようになったら直接見に行けば何かわかるだろう。
あの黄緑の大地が【ラエリの平原】で良いのだろう。
移動の時間からしても方角からしてもここがピッタリだしな。
俺は冒険者になって依頼を受けてからステータスに新たに追加された項目を開く。
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[受諾依頼]〈冒険者クエスト〉系
[適性ランク]:Eー討伐系
[依頼内容]:ウォルテッドから南に徒歩1時間程の所にある平原【ラエリの平原】に生息する魔物、
[平原兎]を5匹仕留めろ
尚、剥ぎ取った肉と毛皮は別で、ギルドで買い取りが出来ます。
[依頼主]:冒険者ギルドウォルテッド支部
[場所]:【ラエリの平原】
[報酬]:2000エル
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そう、何処かのゲームの様に受けた依頼が表示される便利機能までついていたのだ。
そこでで気になったのが、
〈冒険者クエスト〉系
系と表記されているからには他にも何かあるとしか思えない。
その後歩きながらステータスを弄っていると突然、〈冒険者クエスト〉系の欄が反転した。
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〈自然発生クエスト 〉系
[適性ランク]:災害指定級ー討伐系
[内容]:【エスナの地下迷宮】
4階層【終焉の間】ボス級魔物
[骸古竜]lv:70の討伐
[追加内容]:ローランドの生死確認
[場所]:【エスナの地下迷宮】
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…………………………………。
………………………………………。
……どうやら冒険者クエストは冒険者ギルドで受注したクエストが表示され、
自然発生クエストは本人や周りの人に関するクエスト、冒険者ギルドを介さないクエスト、自然と発生するクエスト等いろいろあるらしく、
このクエストは特にクリアする意味も無いらしい。
参考にするとしたら、
これからの行動の指針にする程度で良いのだと書かれている。
(なんて"曖昧な世界"なんだ…必要あるのかこれ?)
何にしても、これが指針の1つとして俺の中にあるのなら行動しやすい。
そうなるとやっぱり力と知識をつけるのが妥当だよな。
それにはやっぱり拠点と言う心を休める場所が必要なのかもしれない。
効率よく力を着ける為には適度な休憩も必要と言う事だ。
だからウォルテッドを活動の拠点にするのもいいと思う。
何より王都とかに住んだ暁には次の日に腐った貴族に手をあげてしまいそうだからな…
そうしたら確実に指名手配犯で賞金首だろう、
流石にそれは動きづらいし殺すとしても奴隷とかに無茶させるような特に酷い貴族の数人に抑えないとまずい。
あとは知らぬ間に毒殺とか暗殺とか、
強くなったらまずは俺を殺そうと刺客を放った貴族を1番に殺らねばならない。
ー思考が黒い為.閑話休題ー
【ラエリの平原】に入り少し経ち、
当たりを見渡すと丘陵の上にたむろっている白い点が2つ程見えた。
ゆっくりと近づいていき暫くすると兎の様な形状の生物であると言う事が判明した。
…あれってプレーンラビットっぽいな。
すぐにスキル【解析の眼】を発動させれば、
やはり思った通りのステータスが表示された。
そしてあのプレーンラビットと呼ばれる魔物のレベルは芋虫よりも低かった。
レベルは2か3と言った所で、
これでは経験値を稼ぐのは絶望的だった。
自分よりレベルの低い魔物を狩っても経験値があまり入らないのは経験済みだし…
経験値は10入れば良い方か。
本当に初心者向けの依頼みたいだな。
俺は短剣を2本抜いて、そのモーションから戦舞技を放った。
戦舞技ー【投擲】
【一投刹那】よりも一発の威力は落ちるが、消費が少なく使いやすいのが特徴だ。
多分【投擲】は【一投刹那】よりもランクの低い戦舞技だと思われる。
放たれた2本の短剣は青く光り輝き、
丘の上にいた2匹の兎に似た魔物に的確に突き刺さった。
どうやらそれだけで息絶えたようで、
血を垂らした兎は近づいてもピクリとも動かなかった。
…さて、どうやって解体するか…
これが問題である。
やはりスキルか?
俺はすて開きスキルの一覧を見る事にした。
しばらく脳内の画面をスクロールさせているとお目当てのものがあった。
【剥ぎ取り補正:弱】[1]
魔物の剥ぎ取りの際の手際が弱上昇
やはりこういった作業はスキルが関係してくる物が多いようだ。
まぁこれからもこのスキルが必要なのは一目瞭然だよな…
すぐに取得してプレーンラビットの剥ぎ取りにかかる。
少し拙い手つきで手を切りそうになったが、スキルも手伝って概ね順調だった。
剥ぎ取れた素材をスキルで確認すると、
プレーンラビットの毛皮×2
[品質]:低品質
プレーンラビットの肉×2
[品質]:普通
と出た。
まぁ、最初のうちはこんなもんだろう。
肉の場合は時間が立つと[品質]が低下するんだろうな。
そのあとも順調に会っては短剣を【投擲】を使って倒し剥ぎ取ってというサイクルを続けていた。
途中で気配に気がつかれ逃げられる事もあったが、スキル【隠密】を使う事により、すぐに解決した。
結果的に10匹のプレーンラビットを狩る事が出来て、この依頼は2回分達成した事になる。
ホクホク顏になるのも無理はないだろう。
俺は早めに依頼を片付け終わり、
周りに他の冒険者がいない事を確認して魔法の練習を始めた。
ここなら広いし人もいないから魔法の練習をするにはうってつけだろう。
スキル【全属性魔法】発動
炎属性下位弾発動
手のひらから溢れ出す灼熱の炎が一瞬で収束し球体を形成する。
更に左の手のひらにも意識を割き、
水属性下位弾発動
逆巻く水が手のひらに収束し水晶の様に完全な球体の形に収まった。
勿論威力も【魔法操作:中】を使い最低威力に制御しているから万が一の事が起ころうとも大事故にはならない。と思う。
俺は両手に浮かぶ炎の球と水の球を眺める。
威力は2発合わせて下位弾くらいの威力だろう。
それは科学の知識を使い、
同時に"イメージを強く介入させる"ことで何処まで威力が変わるのかを試したかったのだ。
5m程先の草原に狙いをつけて左右の球を放つ発動キーを唱える。
「炎の弾!!」
間髪いれずにもう片方。
「水の弾!!」
狙った場所に寸分違わず着弾した炎の弾。
それにほんの一瞬遅れて着弾する水の弾。
ズゴゴゴオォォォォォン!!!!!
次の瞬間、炎の弾をスケルトンに撃ち込んだ時以上の熱を伴った爆風があたりの草を薙ぎ倒した。
煙が風で流されたあとに残ったのは2m以上抉れた土の地面だった。
(おいおい!下位ってレベルじゃないぞ!この威力は中位じゃないか!)
そう、今俺が試したのは小規模な水蒸気爆発。
それを起して威力が化学反応で上乗せされるのかどうか試したのだ。
その結果は上々、
もし水も炎も中位で放ったら上位並の威力が出たのかもしれない…
だが、圧縮するのに使う魔力が思ったより多く、
今の魔力量だと、下位魔法の様にバンバン連発は出来なさそうだ。
今残っている魔力は全体の8割程度。
底が尽きれば気絶することを考えなければ、10発撃てるだけ凄いと取るか、
燃費が悪いと取るか、難しい所だ。
俺は考えをいったん中止して次の魔法の練習をする事にした。
【SideOut】
『半人族[lv:25]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:2100/2600
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:大】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:中】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血分体】
【下位従属】【魔法威力補正:中】
【魔法命中率:中】【超回復】
【粘糸精製】【識字】
【色素調整】【剥ぎ取り補正:弱】
残存Point:[0]
加護:なし
所持金:[6100エル]
称号:【魂を鎮める者】
経験値200を獲得しました。




