83話≫〔修正版〕
よろしくお願いします。
少し待っていれば受付の奥から小走りでエイラが帰ってきた。
「お待たせいたしました!登録料は500エルになります!」
「あ、はい。」
俺はポーチから銅貨を5枚出してエイラの手に握らせた。
「あ、ギルドカードは紛失すると再発行に1万エル取られるので気をつけて下さいね?」
1万エルって、俺の全財産が吹っ飛ぶ値段じゃないか…
これは気をつけなきゃいけない。
渡されたギルドカードは赤い光沢を放つ謎の金属で出来ていて、
スキル【解析の眼】を発動させてみても、
ギルドカードとしか表示されなかった。
詳細は分からないが、
解析するのにレベルが足りないのかもしれない。
「ありがとうエイラ、また明日依頼を受けに来るよ。」
「は、はいっ!」
「それとさ、ここら辺で安くていい宿知らないかな?」
「う〜ん。近い所だと【猫丼亭】なんてどうでしょうか、ギルドを出て右に50メイル程歩けばあるはずです。安くてご飯も美味しいと評判ですよ?」
【猫丼亭】
何とも悪趣味な宿の名前である。
猫の獣人がやってるのかもしれない。
猫ばんざい。俺はエイラに礼を言った。
「ありがとう、早速行ってみるよ。」
そして俺は【猫丼亭】を目指し冒険者ギルドを後にようと足を進めていき、
ギルドの出口に立つ。
左右に灯る松明の間を潜れば、
既に太陽は完全に地に隠れ、
闇夜が空世界を支配し、雲一つ無い空には三日月が嗤っていた。
そしてダイヤモンドをちりばめたかの様に輝く星々は前の世界で見た窓の外の夜景の何百倍も綺麗だった。
たとえ俺が空を見飽きるほどに眺めていたとしても、
病室の窓から見た空と、
ガラスというフィルターを通さない空は次元の違う景色を俺に見せてくれた。
地球という惑星は、この空に広がる星々のどこかにあるのだろうか…
俺は前に居た世界に帰る事は出来るのだろうか…
どうにも昔からいろいろと深く思考してしまう癖があるようだ。
スキル【思考加速】を得てから加速する思考の中でそれはさらに顕著になった気がするけど…
まぁ加速した思考の中では時間はあまりかからないし無駄ではないから気にしないが。
そうやって宝石のように輝く星々の散りばめられた夜空を眺めて幾つ経っただろうか…
ふと夜空から目を離した俺は
宿を目指そうとしていた事を思い出し、
エイラに言われたとおり右を見て宿の看板を探しながら歩き出した。
この時、俺が左側を向いていれば…
もっと早く逢えたのかもしれない。
あの世界での繋がりに。
【SideOut】
『半人族[lv:25]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:1800/2600
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:大】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:中】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血分体】【下位従属】
【魔法威力補正:中】【魔法命中率:中】
【超回復】【粘糸精製】【識字】
【色素調整】
残存Point:[1]
加護:なし
所持金:[12500エル]
称号:【魂を鎮める者】
明日も投稿出来そうです。
エスナ編はこのあと再びエスナの地下迷宮が舞台となります。
中盤でグダグダになりましたが、
多分、
これから一気に事態が動き出します。
私自身としては"戦闘の多い"
3章が好きなので早く行きたいモノです。
よろしくお願いします。




