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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【深淵の密林】
6/145

6話≫〔統合版〕

修正版ですが、


筆が進まずに致命的なミスが放置

すみません。


修正版→全体の表現や描写を詳しく書き、肉付けしました。


よろしくお願いします。


16〜18話の統合





【少女Side】



"少女"は村娘。


【深淵の密林】の外れにある小さな村の農家に生まれた。


この世界の結婚適齢期は17歳〜19歳であり、しっかりと決まっているわけではない。


今年で16になる少女はそろそろ結婚の相手を決めなければならなかった。


とはいっても少女には既に将来を誓った幼馴染みがいた。


隣の家に住む幼馴染みは少女と相思相愛であり、これは既に村の住人のみんなが知っている事だ。


"少女"は幸せな人生を歩んでいた。


これからの人生はきっと今よりも幸せになる。


そう思って疑わなかった。


ある日少女は幼馴染みと共に、たまに村にくる行商人に売り込む為の薬の原料となる薬草を取りに【深淵の密林】の入り口に来ていた。


いくら危険な森といえど入口付近なら滅多に魔物と遭遇する事は無い。


そして朝一番で出て来た為か、

特に魔物と遭遇するといった事は無く、

薬草の採取は太陽が真上に上がる頃には終わった。


そして浅い所まで入っていた森を抜けようとした時、


左右の木の影から小柄な黄緑色の肌の男が3人出てきた。


いや黄緑色の肌と言ったら……


ゴブリンしか居ない。


目の前には3匹のゴブリン、


ゴブリン達は棍棒を手に持ち、

下卑た笑みを浮かべながらにじりよってくる。


幼馴染みは咄嗟に少女をその背に隠した。


少女に振り返り、こう言った。


「…君は逃げろ…なんとしても僕がここを食い止める…その隙に逃げるんだ。」


いつもはなよなよしていて頼りなかった幼馴染みは、震えていた。


握られた手は汗ばんでいて、額には流れる様に汗がつたっていた…


それは幼馴染みの1番言わないようなセリフだった、


だが、今の幼馴染みにいつもの弱々しい雰囲気は消え去っていて、何かを決意した1人の男の顔をしていた。


そしてただ少女の身の心配だけをしていた。


あぁ、私はなんて幸せな女なのだろう。


こんなに愛して貰えているなんて、


私を守ろうとしてくれる幼馴染みを見て場違いにもそう思った。


零れ落ちそうになる歓喜と悲しみを押し殺して、出来るだけ笑顔で返す。


「わ、わかったわ。オズワールも必ず帰って来てね」


「あ、あぁ、約束する。」


「…そう…約束よ……」


そう言い残し、

幼馴染みは果敢にゴブリンに突っ込んで行く。


「………うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


これが物語なら、幼馴染みは華麗にゴブリン達を倒し少女の元に戻ってきたのだろう。


だが、現実など。


現実などは得てして非情な物なのである。


夢物語は物語の中でしか起こらない、


物語の外で起こったとしたら、それは一度と無い奇跡。

そしてやがて物語となるのだから…



幼馴染みは果敢にゴブリンに飛び込んで行ったが、果敢、勇敢といったものは、

視点を変え、言い換えれば無謀と言う。



結果、無謀な事をした幼馴染みはゴブリンに囲まれ、


拳で殴られ、


足で蹴られ、


棍棒で殴られ、


木に叩きつけられ、


必死の抵抗も身を結ばず、あっけなく殺された。



森を抜け切り、振り返った時、遠目に見えてしまった。


大好きな幼馴染みが、


次第に幼馴染みであった(・・)に…


変わっていくのを…



「イ、イヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!!


オズワール!!オズワァァァァァァルゥァァァァァァ!!!!!!!!!」



少女の喉は一瞬で裂け、血を吹いた。


そして少女の精神は一部か欠けて、

壊れてしまった。



生きる意味を失った少女は、

意識を置き去りにしてその場に立ち尽くした。


幼馴染みが作ってくれた僅かな時間で逃げなければならなかったのに。


嗚呼、何をやっているのだ、と。


残った心は叫んだ。


でも、少女は幼馴染みが居ない世界で生きていく意味をゴブリンが身体に触れたとしても、見いだせなかった。


だからゴブリンに手を掴まれても動けなかった、


何か、縄の様な物で身体を縛られ、

歩き出すゴブリンに引っ張られても抵抗する事ができなかった。







ゴブリンの集落に着いた。


その1番奥の周りより僅かに綺麗な家には、

少女の他にもう1人、

お腹を僅かに膨らませた女性が1人いた。


その女性の顔を見た時、少女は実感した。


自身の運命が既に決まってしまった事を、



子供が産めなくなるまで、


もしくは死ぬまでゴブリンに犯され続け、


ゴブリンの子供を孕ませられる、


ゴブリンを増やす機械の如く。






少女は始めてを幼馴染みに捧げるつもりでいた。


次の年の収穫祭の夜に正式に幼馴染みに告白され、

そのまま初夜を迎える予定だった。


そん"少女の願いは、

もはや叶わぬ幻想となり、

既に砕かれてしまった。


下卑た笑みを浮かべ、

股間を膨らませたゴブリンがゆっくりと、

近づいてくる。


性欲の捌け口として、


子供を産まされる為、




あぁ、終わった。



終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった

終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった

終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった

終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった

終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった

終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった。











それから数日が経ち、

少女は薄っすらと残る意識の中で数日の間に気がついた事を反芻する様に思い出していた。



先に居た女性は少女よりも遥かに酷く、


いつからいるのかも分からなかった。



お腹が僅かに膨らんでいるのにも関わらず、

ゴブリン達は腰を振る事を辞めはしないし、


女性の意識は起こる全ての事柄に米粒ほどの感情も表す事無く、

ただ壁に寄りかかり、うー、うー、と声を漏らしていた。


「………やめて…やめて!!……」


思わず叫んでしまった、不憫すぎる、


自分がこうなるのも嫌だったし、

この女性が辱められ続けるのも嫌だった。


彼女にもはや自我は殆ど存在しない、

長きに渡り怪物に犯され続けてしまい、

精神が完全に崩壊してしまったのだ。


少女もいずれこうなり、

ただ機械のように意思を無くす。


外が少し騒がしく感じる。


…オズワール?


いや、それは無いだろう。


最愛の幼馴染みは既に死んでしまい、

死ぬ瞬間も少女の記憶には収められていた。


部屋にドアが開く音が僅かに響く…


依然腰を降り続けるゴブリンはその音に気がつかない。


少女は僅かに顔を上げた。


ピントの合わない目で辛うじて判断する事が出来たのは黒い、青年。


次第にはっきりと見えてきたその青年は、

全身を黒い服で統一している凄まじく整った顔をしていた。


身体は返り血がこびり付いてすごい事になっている。


多分ここにくるまでにゴブリンの集落にいた物達を倒したのだろう。


肩まで届きそうな長めの黒髪に、

黒い瞳は闇の様に深い、

その綺麗な顔は少女達を見た後、

腰を降り続けるゴブリンを見て歪んだ。



冒険者?



助けが来たの?



そう思っていると、


唐突に赤いゴブリンが死んだ。


この集落で1番強い奴だと思われる、

ゴブリンを従えていた奴。


お腹を膨らませた女性を犯す事に集中する余り、

背後からの襲撃に反応出来なかったみたいだった。



この人はすごい強いのかもしれない。



私は1つ、願った。


助けに来てくれたのかもしれない青年には悪いけど、


幼馴染み、オズワールのいない世界にはもう居たくなかった。




「…こ…ころ…し……て……」




「……ッ!?…」




少女は死ぬ事を選んだ。


オズワール、


今逝きます。


剣を構え涙を流す冒険者の青年。



名も知らない冒険者の青年さん、

貴方は苦労すると思うよ?


こんな関係のない人のやられた事を自分の事の様に怒り、

こんな関係のない人の死を、


そこまで悲しそうに、


悔しそうに涙を流すのだから…





でも、無茶な頼みを聞いてくれた青年に、少女は感謝した。



ーーありが、とうーー




辱められた身体と壊れた魂が、


洗われて行く感覚。



それがゴブリンに愛する人を奪われ、

自らも犯され、


心を壊しかけた少女、ローズの、


最後の最後の、本当に最後の記憶。




【SideOut】






ー【魂を鎮める者(クロムソウル)】ー




××××××××××××××××××××××××××××××××××















【無意味な思考】




俺は只、考えていた。



あのとき少女達の命を奪ったのは間違っていたのかもしれない。



たとえ生きることに絶望していたとしても、


俺自身が彼女の幸せを想像できなかったとしても…


それでも…


これからの人生を絶望から、


遠ざける事はしてあげられたかもしれなかった。



だが所詮それは"if"の話であり




既に叶う可能性の潰えた、もしもの話。



名も知らない少女を手にかけた。



その後についた称号は、



魂を鎮める者(クロムソウル)



これは消える事は無いだろう。






この称号は少女がくれた贈り物だと思うから。




これからも救われない人がいて、

もし、今回の様に救おうとして、

殺す事になった時、

自身の責任のはけ口(・・・・・・)として、

この称号を使うと思うから。







俺は自己満足する為に、


最後に少しだけ見せた笑顔と、

言葉にならなかったありがとう、

そして称号を勝手にそう繋げて、

卑怯な逃げ道を作った。




そして俺はゴブリンの集落の外れに剣で穴を掘り、



そこに少女達の墓を作り埋葬した。












俺は、無駄(・・)な思考と行動に脳の大部分を使い。


スキルの影響か、


それとも本当に慣れなのか、



次第に麻痺してきた生物を殺す事の忌避感と、



罪悪感を、



忘れる様に頭の隅に追いやった。





【SideOut】







××××××××××××××××××××××××××××××××××













目を覚ましてから10日が経ち、


俺はゴブリンの集落に少女達の墓を作り、

埋葬した後、

ゴブリンの集落跡があまりにも死の香りと血の臭いで溢れかえっていた為に、

また森の中に引き返す事にした。


川で入念に身体を洗い、洗い、洗い。


剣の手入れなども知らないのでついでに洗って近くの木に立てかけて干しておく。


服も全部ゴシゴシと洗い、頭も洗い流す。



そして日向ぼっこをしながら空を眺め、

服と全身と髪が乾くのを待ち、

乾ききった所でフルツィンを卒業する。


野外でのフルツィンと言う、

生まれて始めて味わった究極な解放感にハマった、と言うわけではない。



そして、また1つ、新たな発見があった。


木に登った時、

ふと今まで行く事がなかった頂点まで、

無性に登ってみたくなったのだ。


登ってみて、

綺麗な景色を拝もうとした時だった。


ある方向に前世ではあり得ない、

気になる物を見つけた。


北と思われる方角、

その視界の先に見えたのは暗い領域…


本当に真っ暗で見通す事のできない領域。


まるで、そこから先は日が沈んだ夜。


空間をハサミで切り取ったような夜に面した森は、

そこを堺に木々は大きくなり巨大化し、

形も変質しているようにみえた。

巨大な木々はうねり、

明らかに禍々しいオーラを放っている。


この森の更に奥と言う事か?

となると魔物がうようよいそうだな…


ここからの距離は2kmか3kmだろうか、正確な距離は分からないが、かなり近い。







今のレベルでは考える事では無いが、




効率のみを考えて行動するならば。


あの森に侵入する事も考えるべきなのか?





まぁどちらにせよ、

もっとレベルをあげてスキルも取得し、


俺自身の戦闘経験を積まなければ、

あんな死亡フラグが1秒に5回くらい経ちそうな禍々しい森には入る気など無いが。




そして、レベルの話だが、

ゴブリンの集落を殲滅した時にレベルが2つも上がった。


そして新たなスキルを1つ、強化されたスキルも1つ取得していた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


半人族(デミヒューマン)[lv:7]』 :【剣士(ソードマン)


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:531/800


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:中】

【剣術補正:中】new!【魔力探知:中】

new!【体力補正:中】


加護:なし


称号:new!【魂を鎮める者(クロムソウル)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



現在のレベルは7であり、

ゴブリンの集落に入る前はレベル5だった事から、

あまりにもゴブリンを殺し過ぎて、

1つレベルを飛ばしたのだろう。


次に【魔力探知:中】だが、

【魔力探知:弱】が強化されたスキルで、

試してみた結果、探知範囲は大体15m程だと思われる。

魔力の反応が反応した存在が持つ魔力の大きさも把握できる様になり、

夜のお供にも、探索網にも更なる活躍が期待できる仕様になった。



最後に【体力補正:中】。


これは名前通り、

この身体になってから多少マシになったが、

以前そこまで体力の無い俺が多少走っても、

息が上がる事が無くなった。


流石に全力で数時間走れば分からないが、

戦舞技を使う時に消費するスタミナの肩代わりをしてくれる事が期待出来そうである。



実際に、練習の為に空中に戦舞技を数発放っても、

息切れする事が少なくなった。



今までは戦舞技を連発すると、

体力が底をついてしまい、

立てなくなってしまう事が何回かあったのだが、

それが大幅に減ったのはかなり嬉しかった。



今、戦舞技を発動しようと思えばだいたい20発は使う事が出来るだろう、

もちろん使う戦舞技にもよるが。


ゴブリンの集落の時はどうしたか、

それは…

怒った時って想像出来ない程の力が出る、

と言う事で納得するしか無い、

実際に俺でも分からないのだ、

体力を消費する事からも、多少の無茶はきくだろうからそこまで違和感は感じないが…


体力の限界を越えた事は、正直始めての経験であったし、戦舞技を発動していた俺自身ですら、身体がこわれるのでは無いかと懸念した。



それと、レベルアップに伴って、

またPointが溜まったようだ。


今あるPointは全部で3Point。


どうやら1つレベルが上がる毎に1Pointが溜まって行くようだ。


Pointについて考えていると、

視界の左端にPointについての記述が出てきた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Pointについての記述。

Pointはレベルアップ毎に1Point入ります。

Pointを溜めるとスキルと交換する事ができます。

スキルはレベルが上がるほど、

Pointが溜まるので、

高いレベルになればなるほど強力なスキルも取得できます。

またPointはボス級の魔物を倒す事でも溜まる事があります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その記述の後に続くスキルの羅列、


まさか、このPointと言うものは、

スキルを取得する為のPointなのか…?


俺はスキルの羅列を一つ一つみていく。


3Pointで取れるスキルはどれもイマイチな効果の物が多く、

今のPointで何かを取得するのは控える事にしようと思った。


だがPointで取得できるスキルを最後までみていると、

3Pointで取得できないスキルも含めて、

何個か面白い物を見つけた。


解析の眼(アナライズ・アイズ)


:消費Point[1]物や人の鑑定が可能になる。


属性魔法アトリビュート・マジック


:1属性毎Point消費、全10属性


消費Pointは下記


ーーーー

風属性[1]

雷属性[2]

ーー

火属性[1]

炎属性[2]

ーー

水属性[1]

氷属性[2]

ーー

土属性[1]

岩属性[2]

ーー

光属性[2]

闇属性[2]

ーーーー



※※※(※)による強制介入

新しいアイコンが追加されました


専用スキル

全属性[10]


ーーーー



属性魔法アトリビュート・マジック



俺は前々から思っていた火属性と水の属性を取得しようとしたとき、その強制介入の文字が見えた。


ん?専用スキル…??


ナニソレ…



※※※(※)って誰…



全属性とか…テンプレ物のチートによくあるアレですよね…


攻撃の幅も広がるし、

相手に合わせた戦いができる様になるし、

生活に使う事もできる、

肉を焼いたり、水を出したり、排泄物を土に埋めたり、などなど。


でも、Pointがな…



俺は多少荒ぶった心が少し落ちつくまで待ってから考える事を再開する事にした。







…だったらPointを溜めて全属性のスキルをとった方が良いのかもしれない。


それに異世界転生物が好きだった俺からすれば、これは死に物狂いで取得しなければならない気がする。


そう神様が言っている気がする。


だがこれにはそのスキルを取るまで、

火や水の魔法は使えないというデメリットがある。


それでも今、火や水の魔法を取ってしまえば…


Pointが溜まり、全属性を取るときに相当もったいないことが起こる。



俺は全属性魔法を一旦保留とし、もう1つのスキル、【解析の眼(アナライズ・アイズ)】についての考察を開始した。


効果は万物の鑑定、但し自身のレベルに依存する。


と言ったものであり、

確実に欲しいスキルの1つである。


理由はもちのろん。

今までの苦労を繰り返す事を阻止できることである。


もうリンゴモドキのような毒入り果物を芋虫に毒味させなくて済むし、

雑草としか思えない眼下に広がる草の中から食べられる物を探す事もできる。


いい事ずくめである。


取り敢えず【解析の眼(アナライズ・アイズ)】を1Pointを消費する事で取得した。


Pointは2Pointが残り、俺は考えを再開した。


もし、レベルの上限が100だった場合…


ボス級の魔物を討伐する事以外で得られるPointは、

単純に100Pointが上限となる計算だ。


それにボス級の魔物の強さも未だ分からないし、レベルアップでしか手に入らないPointがボーナスによって手にはいるのだ、

ゴブリンのように簡単に倒せる魔物がボスだとは思えないし、遭遇するかも怪しい。


解析の眼(アナライズ・アイズ)】を手に入れた事で、

ある程度の強さは分かるかも知れないが…


今のレベルのままだったらそうホイホイと倒す事は難しいだろう。


それにこの世界の人間達のレベルの平均も分からない…


いずれ遭遇する事になるだろうが、

その時の為にも、【解析の眼(アナライズ・アイズ)】を手にいれておいて正解だったのであろう。


そして、俺は単純故に難しい道を選ぶ事にした。


俺自身のレベルを、人と遭遇し、人里に出るまでに上げられる所まで上げなければならない。


そうなるとレベルが上がるにつれて必然的に、

ここら辺の魔物ではレベルが上がり辛くなる。

そう、芋虫とゴブリンだけしか生息しないこの地帯では…


その点、あの赤いゴブリンは余計に気になった。

多分他の緑色のゴブリンとは少し違う個体のようだったし、

戦う事はなかったが、希少種かなにかなのだろうか…


俺がもっと早くPointの制度に早く気がついて、【解析の眼(アナライズ・アイズ)】をもう少し早く取得していれば…


まぁこれもiifの話だ、考えても仕方が無いだろう。


だが、今日と言う日は俺が実力をつける為に動きだす第一歩と言えよう。



この【解析の眼(アナライズ・アイズ)】のスキルはこれからかなり重宝する事になりそうだ。


物や人の情報を読み取れるというアドバンテージは大きい。



俺は【魔力探知:中】を使い半径15m程に魔物の反応がない事を確認して、

いざという時の為に剣を握りながら、

眠る準備をした。


もちろん木の上で、


そろそろベッドで寝たいな、

とは思うが慣れとは怖い物である。


既に木の上と言うのもいい物なのだ、と思ってしまうのだから。


病室のベッドと木の上の感触しか知らない俺の言う事でも無いがな。


俺は皮肉げな事を考えながら、

ゆっくりと眠りについた。




【SideOut】




半人族(デミヒューマン)[lv:7]』 :【剣士(ソードマン)


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:531/800


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:中】

【剣術補正:中】【魔力探知:中】

【体力補正:中】new!【解析の眼(アナライズ・アイズ)


能力(スキル)



Point:[2]


加護:なし


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)


















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