68話≫〔修正版〕
よろしくお願いします。
これから行けるところまで【エスナの地下迷宮】を潜るのだ。
当然の事ではあるが下に行く程敵は強くなるだろうし、これからも今まで通りに行く先に魔物が出ない休憩場所があると楽観視する事は出来なかった。
だから休めるうちに休まないといけない。
それにソラによるとソラが発見したその場所には冒険者が居るらしい、できればだが、情報の交換をする事ができれば御の字である。
スキル【隠密】を発動する。
ソラもほぼ同時に発動したのか目の前に見えるのに気配が感じられなくなった。
『…そろそろ着きます。主』
『そうか…慎重に行くぞ…』
足音を立てないように慎重に、ゆっくりと歩き目の前の通路が十字路になっている場所まで辿り着いた。
その十字路を更に真っ直ぐに行くと突き当たりにぶつかり目の前に見えるのは壁…
『…ここじゃ無いのか?』
『この突き当たりを横です。主』
薄暗い突き当たりの壁の横をみれば変な隙間が目に入った。
側面の壁に人を1人分程の隙間があり、中をよく見ると奥に向かって伸びていた。
『これは魔物も気が付けないし気が付いたとしても通れないな。だけどおっさんくらいだと通れないぞこれ。』
『確かに、小柄な方専用なのかもしれませんね』
『はははっ確かにな』
『主、声が漏れてしまいますよ?』
『ごめんごめん』
気軽く話しながら細い通路を進んで行く、5mくらい進んだ所だろうか、次第に微かにではあるが話し声が聞こえてきた。
やはり数人の女性が居るようだ。
俺は漏れてくる会話に耳を傾けた。
「いい男いないのか?私に紹介してくれー」
「ウチん所のギルドはむさい奴しかいねーからな」
「そんな事ないよーいい人多いよ!みんなわたし達に優しいよー」
「それはミーシャが天然だからよ、心配なんだから。」
いきなりガールズトークを盗み聞きしてしまい気まずい雰囲気になり俺は思いっきりソラを睨みつけた。
『おい、ソラ…お前知ってただろ…』
ソラは俯いて『いやいや、知りませんでしたよ?主』
とか言い始めたので次に教えなかったら戻してやると命令し頬を千切れるほどに引っ張っておいた。
『ううっ…ごふふゃいにゃあー…』
多分ご無体なーとか言ってるけど気にしない。
相変わらず無駄に血人形はハイスペックだと実感させられた…
ぶっちゃけ1人で女の人達の中に飛び込む勇気が俺にはまだない。
ハーレムなんて夢のまた夢だと言うとは病室にいた時から読んでいた小説の主人公を見ていた時点で自覚していたが、
やはりこの世界でも俺は女性の気を引く会話なんて出来そうに無い。
ソラの体型を俺より少し小さい程度まで大きくして、そうしてダンジョンにいてもおかしく無いくらいの年齢にみえるよう調整する
すると俺とほぼ瓜二つで気味が悪くなったので変えられないかと聞いてみた。
『もちろん変えられます』
俺の努力を返せとなるのは必然だろう。
『うわっ…やめれふゃふぁいあういーー…』
やめてください主、
甘美な響きに新たな扉Part2が開きかけたがナックルパンチで阻止した。
取り敢えず違う顔にしてくれといったら
茶髪茶目の普通系イケメン顏になった。
器用な奴め…
何が主より目立つ事は出来ませんだ、俺よりかっこいい顔をしてそんな事を言われても殺意しか湧かんぞ?
おれはこのままガールズトークを盗聴するのは悪いのでスキル【隠密】を解除し普通に挨拶する事にした。
「あの…俺らも休憩して良いですか?」
4つの視線が集まり俺の精神は早速ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリと削れた。
【SideOut】
『半人族[lv:25]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
取得経験値/必要経験値:800/2600
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:中】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:中】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼【血人形】】
【下位従属】【魔法威力補正:中】
【魔法命中率:中】【超回復】
【粘糸精製】
残存Point:[1]
加護:なし
称号:【魂を鎮める者】




