62話≫〔修正版〕
修正版と同じく多少の手直しをしてからの投稿なので遅れました。
よろしくお願いします。
(おっさんは…?)
浮遊感を感じ、4階層から俺の質量が消滅した瞬間、俺の存在は1階層に転移していた。
俺は床に放り出され、膝をつき、周囲を見渡す。
ここは見覚えのある…つい最近みた様な…場所だな…
(ここって…まさか…)
【エスナの地下迷宮】か…。
それもローランドおっさんと俺が強制転移させられた所だ…
多分俺はローランドのおっさんに突き飛ばされて、トラップにかかった場所にもう一度送還されたのだろう…
あのアンデット化した龍のステータスを見て分かった事が1つ。
ここは本来、あの龍に安らかに眠ってもらうべく作られた…地下墓地だった。
それは時を経て何故か正反対の死を嘲笑う様な効果をもたらす迷宮と化したが、墓地だからこそ、アンデット系の魔物が多いのかもしれない。
俺は自分が強制転移させられた時の痕跡が無いか、膝をついた状態で当たりを見回していると、
通路の向こうから1体の[骸骨]が歩いてきた。
「ごめん…今はそんな気分じゃ無いんだ…」
「…カタカタカタ…」
言葉なんて通じるとは思っていなかったが、今はとてもじゃないが危機感が働かず、動けなかった。
スケルトンは顎を打ち鳴らしながら刻一刻と、
その剥き出しの骨の足を前へ前へと突き出し、迫ってくる。
「きえてくれ…俺はおっさんを…」
助けたかった…
スケルトンが手に持っているのは手首から肘までの長さとほぼ変わらない木の棍棒、
それを俺に向かって振り上げ、
叩きつけてくる。
「…ガッ…ガッ…」
背中が痛い、
身体中が熱い、
そういえば、俺はなんでこの世界に居るんだっけ…
より死が身近にある世界、
人の命が軽い世界、
野蛮で愚かな世界、
一瞬の生命の輝きが眩しい世界、
俺は自分自身の死にはもう恐怖を感じない。
何たって一度死んでいるんだから…
いや、まて…感じていた筈なんだ…
この世界で目が覚めた最初のうちは、
確かに死を恐れていたはずなのに、
いつからだ。
ここまで感覚が、麻痺したのは…
確かに今でも痛みを受け傷つくのは怖いかもしれない…
だけど今はもう、その先にある死に恐怖する事はなくなってしまった。
傷つくを通り過ぎれば達観してしまう俺のイカれた精神。
どうしても頭に浮かぶ、あの暗い安息の地。
俺一度、知っているから、見てしまったから。
意識が心の海に深く、深く、沈んでいく…
俺は…ここで死ぬのか?
目の前の、かつて生きていたモノに殺されて。
それで良いのか?
『おめーは良いやつだ、これからも色んな奴を助けてやれ…』
『おめーは仲間でも作って強くなれ!
そんで強くなったら…仇とってくれや…
だからおっさんの俺が残るんだよ…』
『ありがとよ』
その言葉に付随して聞こえて来た声は、
聞くことでこう感じた。
まるで肩にのる天使と悪魔のようだと。
ー"生きたいか?"ー
あぁ、だけどおっさんを犠牲にしてまで生き延びた俺は…
"だったらここで死ねばいいじゃん"
確かに俺はここでしぬかもしれない。
ー"おっさんを助けたいか?"ー
そんなの当たり前だ!!
"おっさんは今頃死んでるぜ"
だとしてもこんな迷宮の奥深くで亡骸を晒して良い人じゃない。
ー"ならこんな所で立ち止まってどうする?"ー
そうだな…俺はおっさんにおれの"仇"とってくれって言ったしな…
ー"そうと決まれば"ー
あぁ、まってろおっさん。
俺を逃がして自己満足してんじゃねえ、
絶対にもう一度あの場所に行ってやる。
意識がゆっくりと、表層に上がっていく。
それは次第に加速していき、
一気に意識の海面を突き破り、
俺は顔を上げた。
そして丁度頭に向かって振り下ろされていた棍棒を掴む。
ミシリ…
腕にかかる負荷を地面に受け流し、
俺は混紡を振り下ろし続けていたスケルトンを睨みつける。
その事でなのかは分からないが、
スケルトンの空の目の奥に灯る赤い炎が僅かに揺らいだ気がした。
ダメージはそこまで酷く無い、精々背中の打撲が数カ所。
装備には感謝しなければ…
そして俺はスケルトンを睨みつけたまま、
魔法を発動する。
スキル【全属性魔法】発動
滾る炎をイメージし体内に眠る魔力という不可視の存在に呼びかける。
魔法はイメージの産物であり、
生前は病室で大半を外で生きる自分の妄想に費やした俺には、
たやすかった。
炎属性下位槍魔法発動
俺の片手に掴まれるのは炎の槍、
それは荒れ狂う炎を内包した炎の槍。
そして迷い、悲しみ、その他渦巻く様々な感情を一気に振り切るようにあらん限りの大声で発動のキーを唱える。
「貫けぇぇ!!【炎の槍】ァァァ!!!!」
スケルトンは棍棒を掴まれて身動き出来なかった、
この脳がない魔物は自らの武器を手放す程の知能は無かったようだ。
俺の手から炎の槍が離れた直後、
ゼロ距離からスケルトンの頭部に吸い込まれた槍は、
スケルトンの頭部を粉々に砕き、
その瞳に宿っていた赤い炎は俺の魔法により上書きされた。
そしてその爆発した炎の余波は、
変態的な爆風と共に熱風をあたりに撒き散らした。
【SideOut】
『半人族[lv:24]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
取得経験値/必要経験値:1850/2500
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:中】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:中】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血人形】【下位従属】
new!【魔法威力:中】new!【魔法命中率:中】
残存Point:[4]
加護:なし
称号:【魂を鎮める者】
経験値50を獲得しました!
new!ジョブ
【全属性魔術師】を獲得しました!
スキル
new!【魔法威力:中】を獲得!
new!【魔法命中率:中】獲得!




