61話【抗う者】
18話まで修正版をあげました。
修正版と書かれた話の
心理的な描写や
エピソードを増やしたつもりです。
感想を頂けると幸いです。
いきなりな展開で避難をあびるかもですが、
よろしくお願いします。
「おっさん…?」
ローランドのおっさんと行動して2日
さっきまでいた一階層の通路の雰囲気とは
明らかに違う場所。
違和感がのこる程に黒で統一された巨大な部屋に気がつけば…
ローランドのおっさんと俺は【エスナの地下迷宮】の…
【終焉の間】にいた
『何故?』
ローランドのおっさんは言った
「カナデ、今直ぐ逃げろ…おれらはトラップに掛かっちまったみてーだ」
『ここは何処?』
「……4階層の…ボスの間だ…後ろに転移魔法陣があるだろ?…そこまで全力で…逃げるんだ、まだ転移魔法陣の魔力は生きてる筈だ…それに乗れば1人位なら戻れる筈だ!
……急げ!転移魔法陣の魔力が切れる前に!!」
そしてローランドはこう続けた。
【エスナの地下迷宮】は…稀に1.2.3階層の何処かにはランダムでトラップが生まれるんだ、と。
『強制…転移…』
「そう…よく分かったな…まぁ大丈夫だ…こう見えてもおれはつえーんだ…心配すんな…
昔いた仲間も冒険者やってるうちに皆死んじまったからよ…もう目の前で仲間が死ぬのは絶えられねえんだよ」
『だめだ…おっさんは…』
(こんなところで死んで良い人じゃない…)
声に出せなかった
俺は自分のあまりの無力さに
この人を殺してしまう事になる
でも"アレ"には勝てない…
俺でも歯向かう気にすらなれない
圧倒的な"存在の差"
「おれはおめーと会えて良かったよ…カナデ…楽しかった…
俺は除け者だったからな。見た目と不器用な性格のせいでよ、おめーは良いやつだ、これからも色んな奴を助けてやれ…お前なら顔も良いしな!俺みたいにはならねーな!ワハハ」
その元気がカラ元気だって分かる
喉がカラカラになってるぜ
そんな軽口すら叩けない
『おっさんは…なんで俺を…』
そんな俺の口から出た言葉は俺の声だと認識するのに数秒の時間をようする程に掠れたこえだった
「そうだな…おめーはまだ若いんだ、
これからの人生で仲間でも作って強くなれ!
そんで強くなったら…仇とってくれや…
だからおっさんの俺が残るんだよ、ホラ、時間がねえ。分かったらさっさといけっ!早くしろっ!!」
仇をとってくれ、その言葉は俺の耳にギリギリで聞こえた
不器用なおっさんは言葉を続けた
"おめーには未来があるだろ?"
そういいながらローランドのおっさんは目の前に立ちはだかる敵に目を向けた
そして大きな背中に背負われた
無骨で巨大な大剣を
抜き放った
『…だめだ…おっさん…"アレ"は…無理だ…』
おっさんじゃ…勝てない…
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[骸古龍]lv:70
[解説]
古代の空を駆けた龍種:[災害指定級]
正式名称【エスナの地下墓地】に死して埋葬された
そして【エスナの地下墓地】のダンジョン化の影響でアンデットとしてして起き上がる
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骸古龍の身体からは所々黒い炎が絶え間無く浮かび上がり
闇のような火の粉を散らす
僅かに見えたおっさんの顔
"ありがとよ"
見間違えだろうか
そう口が動いた気がした
そして俺は突き飛ばされた
俺はそれに反応できず
動き出すおっさんをスローモーションの様にゆっくりと見ていた
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
おっさんが雄叫びをあげて駆けていく
「GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!」
骸古龍の魔力を乗せた咆哮が響く中
おっさんが叫んだ
「スキル!【強者に抗う者】!!」
スキルなんて叫ぶ必要はない
だけどおっさんが笑った気がして…
そしてせめて心の中だけでもと
軽口を叩いた
そんなスキル持ってたのかよおっさん…
俺は…まだおっさんの事なんて殆ど知らないんだぜ?
何処から来たんだ?
何が好きなんだ?
何でこのダンジョンに来てたんだ?
昔の仲間の思い出とかあるのか?
まだなんも話してねぇ…
身体が淡い緑色の光に包まれていく
これが…転移…
俺の身体は僅かな浮遊感と共に
【終焉の間】から消えた
そこに残ったのは一粒の涙と
死を冒涜された龍と
1人のローランドだけだった
【SideOut】
『半人族[lv:24]』 :【剣士】/【戦舞技師】
雪埜 奏
取得経験値/必要経験値:1800/2500
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:中】
【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:中】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】new!【血人形】
【下位従属】
残存Point:[4]
加護:なし
称号:【魂を鎮める者】
スキル派生!【血分体】→【血人形】




