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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【魔物の侵攻】
117/145

134話≫〔修正版〕

よろしくお願いします。














ステータスを見れば読み取れる目の前の女性の実力の一端。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人族(ヒューマン)[lv:59]』 :【剣師(ソードマスター)】/【炎魔術師】


エリザベス・フレニドール


必要経験値/規定経験値:1509/6000


能力(スキル):

【体力補正:中】【剣術補正:中】【魔法操作:強】

【炎耐性:中】【鬼人化】

第六感(シックスセンス)】【炎魔術師】【詠唱短縮】


称号:【護国八剣】序列四位【双麗剣魔】


加護:炎神へスティナ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



この見た目で59レベルとか…しかもスキルも随分とやばいな…

これ、魔法剣士ってやつかな。

俺も一応なんちゃって魔法剣士だけども…


概念魔法なしで戦えるのであればそうしたい

流石にここで手の内を見せるのはどうかと思うからだ。

戦場で見せる分には味方も相手の国の上層部も直接見て居ないから信じ切る事が出来ない。

だが直接見せてしまえば信じられてしまう。


となると短期決戦、これに限る。


この女性の肩書きもやばいが、どんだけ王は俺の実力測りたいんだ?


トリステイン王国王族直属近衛騎士団団長ってこの国の最高戦力の一つじゃないのか?倒しちゃって良いのかな?いいよね?

俺も敵が居なくなるくらいまで強くならなきゃいけないわけだし…


そうして俺は目の前の女性を見据えて集中する。

白銀の鎧を身に纏い、

赤に輝く髪は肩甲骨あたりまで伸びていて、赤色の瞳はまるで宝石のように蘭々と輝いている。


この人…戦闘狂(バトルジャンキー)だ!

しかも魔法も魔術師級、剣術も剣士の上位ジョブ、ソードマスタークラス。


これは全力出さないとか言ってるとマジでコテンパンにされかねないな。


「両者!位置につけ!!」


王が席に座ったままここまで聞こえる声を響かせる。


「始めっ!!」


開始の声と同時に行動を起こしたのは目の前の女性だった。


確かエリザベス・フレニドールさん


「我が【鬼剣ヴィラヴェン】の錆にしてくれる!」


やばいね。思いっきり流血させる気だよこの人。


即、【下克上】を発動。


一気に距離を詰めてから振り下ろされた剣を半身になって躱し、抜刀。返しで跳ね上がってくる剣を抜いた剣を添える事で逸らしながら白銀の鎧の胸辺りに向かって空いた手の平を突き出す。


思いっきり後ろに飛ばされたフレニドールは飛ばされながら器用に魔法を放っていた。


「顕現せよ!【炎の弾(フレアバレット)】!」


炎の弾が顕現し高速で放たれる。

これが【詠唱短縮】の効果だとしたら魔法同士の戦闘なら相当有利になるのだろうな。


事実早い。詠唱開始から2秒立たずに炎の弾が収束して放たれた。


俺はその弾に自ら飛び込み突進した持っている耐性により炎のダメージは半減とまでは行かないが軽減させる。

更に纏う装備のおかげで更に威力は弱まる。


そして概念魔法循環(サーキュレーション)をばれない程度の薄さで使い、

身体に纏わせた水によりダメージはゼロとなった。


強引だが、俺の予想外の行動にフレニドールの驚く声が聞こえる。


俺は着地する瞬間の足を払いそして蹴りで弾き飛ばし、更に後退させた。


「顕現せよ!【炎の弾(フレアバレット)】!」

「顕現せよ!【炎の弾(フレアバレット)】!」

「顕現せよ!【炎の弾(フレアバレット)】!」


高速で紡ぎ出された炎の弾は次々に俺に迫ってくる。

そして即座に踏み込み炎の弾と同じ速度で駆け抜けてくるフレニドール。


3つ目の炎の弾を避け切った瞬間、俺の目の前にいたのは鬼剣ヴィラヴェンを振り下ろすフレニドールだった。


スキルが警鐘を鳴らす中、

俺は焦る事なく概念魔法を発動する。


「ー【クリエイトお風呂:改】ー!!」


突如として俺とフレニドールを阻むようにして立ち上がる岩の壁は、俺の鼻先数ミリの位置を通り過ぎてフレニドールを即座に囲み天井さえも塞いだ。


浴槽を逆さまにしてクリエイトしてみた。

よってクリエイトお風呂:改。

まさか戦闘で使うとは思ってなかった。


「ふう。終わったか?」


俺はこれがフラグになる事を言い終わった後に思い出した。


「戦舞技ー【乱桜(ミダレザクラ)】!!」


岩の檻に何本もの青い光が走る。

その光は岩を切った剣の残像だった。


ボロボロとくずれる岩の檻にから出てきたフレニドールは怒りを交えた表情を俺に向けた。


「見た事のない術だが、このような小細工に捉えられるほど甘くないぞ!」


確かにそうかもしれない。


俺は剣を構え直し再び対峙した。

そして、隠していたかったが本気を出す。


最初から本気だったが、それはスキルを殆ど使わない本気。

今からの本気は少しスキルを使って本気を出す。


スキル【瞬間移動(ワープ)】発動


そして懐に入り込み上にあるフレニドールの顔を見上げる。


「お前は…何者だ…」


「…俺は別に何者でもないよ。カナデユキノ、ただの冒険者。……」


短期決戦。


俺は短く言葉を返し、

フレニドールが何かを口ずさむ。

だが、行動を起こされる前に剣を繰り出した。


「そこまでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」


辺りを王のこえが支配する。


ピタッ……


首筋に後1ミリで接触するかという距離で止まった俺の剣は、

やがてゆっくりと離れて行き俺の鞘に収まった。


フレニドールのしきりに動いていた口元もピタリと止まり、やがて笑った。


「ありがとう…いい戦いだった。また殺りたいものだな」


うん。次やったら殺されそうだね。

何と無く翻訳されたセリフが危なかったよ?


「ええ、また機会がありましたら殺りましょう」


仕返しに言ってやったのだが、フレニドールは笑みを深めただけだった。


また戦えるのは有難いがやはり手加減して殺さないように戦うとなると難しいものがある。


今まで殺さなければ殺される状況だっただけに余計そう思った。


そう思えば随分とこの世界に馴染んでしまったとおもう。


だが、不思議とそれが悪いとは思わなかったのは俺の種族が既に純粋な人間では無いからだろうか?


模擬戦が終わった後、王は俺の実力を認めたのか、俺にすんなりと謝罪をした。


だが、媚びへつらうような事は無く、

単純かもしれないが俺は王国を好きになった。

俺に王国を裏切る事は多分無いだろうが、ここまでが王国の作戦だったら俺は一本取られたといって苦笑するしかないだろう。


敵対するつもりは無いと言えば王は心底ホッとしたようで、随分と憑き物が落ちたような顔をしながら笑った。


「ありがとう。協力感謝する。……我らは王国のために」


『『『『『『我らは王国のために…』』』』』』


口を合わせて紡いだその言葉は建国当初から続けている伝統だそうだ。


王は笑いながらそう言った。


どうやら俺が行方不明だったようで随分と迷惑をかけてしまったようだな。


最初と最後の印象が違いすぎる。


そして俺はソラ姉を連れて改めて王の執務室に伺った。


扉の前に立つ兵士には話が通っているのか俺を止めようとする気配は無い。


コンコン。


「空いておるぞ。」


「失礼します。」


「し、失礼しますっ!」


何故俺がここに来たのか、それは王に侵攻の事を話す為だ。


この王はある程度信用ができると踏んだし、俺が英雄だと思ったようだ。

ならここは英雄だと思わせておいて話をすれば進めやすいだろう。


俺は要所要所を掻い摘んで話した。


どうやら俺とソラ姉が王都に着くのが早すぎたようでまだ城塞都市ガルテンの話は聞いていなかったようで王は大層驚いていた。


「な、なんとっ!?は、早く救援を送らねば!!」


「落ち着いてください、ガルテンの魔物の侵攻は既に阻止しました。」


「ほ!本当かっ!?」


王はいかにも安心したと言わんばかりの表情で椅子に深くもたれかかった。

本当に大丈夫か、この王様顔に似合わない行動が多すぎるぞ?

まぁ謁見の間の時の威厳はあったし大丈夫なんだろうけれど。


「で、次が本題です。…」


そうして俺は魔物の大侵攻について話し、ついでに帝国の兵の妙な動きも報告しておいた。


王は帝国の話に行った瞬間、何か思い出したように話し始めた。


「カナデ殿、前にカナデ殿に刺客が送られたらしいのだが…」


「あぁ、貴族に洗脳された様な1人子供の刺客が来ました。」


「な、なんと…そこまで知っておったか、なら話が早い…その貴族はこの前わが国の依頼により冒険者に捕まり現在牢で繋がれておる。だが、怪しいのだ…その貴族の裏がな…」


なるほど、俺を殺そうとした貴族は知らぬ間にお縄になっていたのか。

結構本気で仕返ししたかったのに残念だ…


寝る前に考えていた貴族を処刑する10000カ条が台無しになった。


その貴族のバックには帝国の関係者が居たと言う事だろう。

帝国とはどんな国なのか、1回でいいから自分の目で見るのも良いかもしれない。


気に入らなかったら仮面をかぶって顔がばれないように帝国の要所要所を破壊して回るのもいいかもしれない。


帝国破壊ツアー、なかなかに面白そうだな。


「まぁ、侵攻の方は各都市の領主に警告を発しておく。ウォルテッドは頼めるのか?」


「えぇ、知り合いも居ますしね。」


「ありがとう。カナデ殿、これは一応国からの依頼としてギルドに通しておく。金では満足出来ないかもしれぬが、一応国からの感謝の気持ちとして依頼か完了したら受け取っておいてくれ。どうか国民を1人でも多く救ってくれ…」


これが国民から慕われる王と言うやつか…

国民を救って欲しいと頼んだ国王は自ら動けない事の無力さを噛み締めたように悔しそうだった。


俺はそれに頷き城を後にした。


泊まっていけとアイゼント王子やアルメリア様が煩かったが王城は貴族の権力がドロドロしてそうで苦手なのでさっさと退散した。


「ふぁぁ…ソラ姉今日はごめんな、待たしてばっかで」


「大丈夫ですよ、謁見なんかしたら逆に緊張で疲れちゃう所でしたから」


ソラ姉は柔らかな笑みを浮かべて俺をねぎらってくれた。


「じゃあ、もう随分と暗くなっちゃったし、酒場辺りでご飯食べたら直ぐに宿でも探しますか!」


「はいっ!」


俺とソラ姉は酒場で夕飯を食べ、隣に併設されて居た宿をとった後、疲れも手伝ってぐっすりと眠った。




【SideOut】



半人族(デミヒューマン)[lv:54]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦舞技師ダンズ・ワー・トリッグ】/【全属性大魔術師オール・アトリビュート・アークウィザード】/【虐殺者(スローター)


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:565/5500


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:大】

【剣豪:Ⅰ】【体力補正:強】【筋力補正:中】

解析の眼(アナライズ・アイズ)】【弱点解析ウィクネス・アナライズ】【縛りの咆哮(バインド・ロア)

竜種の咆哮(ドラゴ・ロア)】【野生の本能ワイルド・インセィティクト】【下克上】

隠密(スパイ)】【暗視(ナイトヴィジョン)】【魅了(チャーム)

【砂塵の爪甲】【思考加速(アクセラブレイン)

【並列思考】【瞬間移動(ワープ)】【予測の眼(ヴィジョン)

血分体(ブラッド)】【下位従属】

超回復(ハイ・リカバリ)】【粘糸精製】【識字】【色素調整ピグメント・アジャストメント

【剥ぎ取り補正:弱】【異次元収納(アイテムボックス)

【毒耐性:弱】【麻痺耐性:弱】

【雷耐性:弱】【炎耐性:弱】【氷耐性:弱】

【武器作成:Ⅰ】【格闘術補正:弱】

【幸運補正:弱】【虐殺者(スローター)

----------【祖なる魔導師:Ⅰ】----------

全属性魔法オール・アトリビュート・マジック

【魔法威力補正:強】【魔法命中率:強】

【魔法操作:強】【魔力量増大:強】

【魔力探知:強】【消費魔力半減】

---------------------------------------


残存Point:[32]


所持金:[1103万1千5百エル]


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)

英雄の国の者カントリーキングダムパーソン




[!]強者との先頭訓練により経験値を300手に入れました!




半人族(デミヒューマン)[lv:4]』 :【短剣使い】


雪埜(ユキノ) 空葉(ウツハ)


必要経験値/規定経験値:175/500


能力(スキル):

戦舞技(センブギ)補正.強】



称号:なし











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